更新日: 2020.01.30 控除

扶養控除等申請書の書き方をわかりやすく解説

扶養控除等申請書の書き方をわかりやすく解説
「扶養控除等申請書とは?」「扶養親族ってどこまでを指すの?」など、扶養控除等申請書って難しいイメージがありますよね。ここでは、そんな扶養控除申請書について詳しく解説します。
 
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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扶養控除等申請書とは?

扶養控除等申請書とは、年末調整で所得税などの金額や源泉徴収税額を確定させるために、勤め先に扶養親族に関する情報を申告する資料です。
 
この扶養控除申請書は、給与所得者の「配偶者控除等申請書」と「保険料控除申告書」と共に、年末調整時に提出します。新しい仕事を始めた際には、最初の給与が支払われる前に提出しなければなりません。
 

基本情報欄の書き方

扶養控除申請の基本情報欄には12の記入する項目があります(※)。それぞれで注意しておきたいポイントをみていきましょう。

1.「所轄財務署長等」

この項目では「税務署長」と「市区町村」の2ヶ所に記入をします。
 
税務署長:勤め先の所在地の管轄税務署長
市区町村:在住している市区町村

2.「給与の支払者の名称(氏名)」

この項目では、勤め先の会社名または事業主の氏名を記入します。

3.「給与の支払者の法人(個人)番号」

この項目では、給与支払者の法人または個人番号を記入します。通常は、給与の支払者が記入をする箇所なので、既に記入済の場合がほとんどです。
 
法人の場合:法人番号を記入
それ以外の場合:事業主の個人番号記入

4.「給与の支払者の所在地(住所)

この項目では、勤め先または事業主の住所を記入します。

5.「あなたの氏名(フリガナ)」

あなたの名前を記入します。ふりがなは「カタカナ」記入ですので注意しましょう。

6.「あなたの個人番号」

あなたの個人番号(マイナンバー)を記入します。

7. 「住所又は居所」

あなたの住所を記入します。

8.「あなたの生年月日」

あなたの生年月日を記入します。

9.「世帯主の氏名」

住民票での世帯主の氏名を記入します。

10.「あなたとの続柄」

世帯主とあなたの続柄(関係)について記入します。本人の場合は「本人」と記入します。

11.「配偶者の有無」

配偶者がいるかいないかを選択し、どちらかを◯で囲みます。

12.「従たる給与についての扶養控除等申告書の提出」

この項目は少し複雑ですが、めったに提出することはありません。
 
2ヶ所以上で給与所得を得ている方で、メイン(給与が多い方)から得ている給与だけでは所得控除しきれないと見込まれたときに、サブの給与支払者から源泉控除対象者についての控除を受けるために行う申告です。提出している場合は◯をつけます。
 

源泉対象配偶者の書き方

給与所得者の扶養控除等申告書には「A 源泉対象配偶者」の欄があります。ここでいう配偶者はどのような人を指すのでしょうか。 国税庁が「控除対象配偶者」に該当する条件は以下のようなものです。
 
・民法の規定による配偶者であること
・納税者と生計を一にしていること
・配偶者が青色申告書の事業専従者として給与を受け取っていないこと、または白色申告者の事業従事者でないこと
・年間合計所得金額が38万円以下であること

 
などが配偶者の条件となります。
 

事実婚の場合はどうなる?

最近増えつつある、婚姻届を出さない「事実婚」の場合はどうなるのでしょうか?事実婚の場合、「税法上の扶養」と「社会保険上の扶養」のそれぞれの規定が異なります。税法上、事実婚は法律上の夫婦とは認めず、配偶者に適用されるはずの所得税控除等を受けることができません。
 
しかし、社会保険上の扶養では、内縁関係が証明できれば事実婚でも、法律上夫婦として控除を受けることができます。仮に配偶者に所得があったとしても、1年の合計所得金額が38万円以下の場合は配偶者控除を受けることができます。
 
70歳以上の家族の面倒をみている場合、老人扶養親族が該当します。
 

控除対象扶養親族の書き方

控除対象扶養親族とは、どこまでを指すのか明確でない方もいるのではないでしょうか?
 
扶養親族とは、配偶者以外の親族.6親等内の血族(法的な血のつながりがある)または3親等内の姻族(配偶者の血族)などが該当します。なお、扶養控除が適用される扶養親族の年齢によって、以下のように控除金額が異なります。
 
16歳以上:38万円
19歳〜23歳未満:63万円
70歳以上:58万円(別居の場合は48万円)
 

障害者、寡婦、寡夫とは?

給与所得者の扶養控除等申告書には「C.障害者、寡婦・寡夫又は勤労学生」という欄があります。それぞれどのような人のことを指すのでしょうか?

・障害者

納税者、配偶者または扶養親族に、該当する場合は記入します。一般障害者、特別障害者、同居特別障害者に分けられ、それぞれ控除額に違いがあります。

・寡婦、寡夫

寡婦とは、夫と死別または離婚後、再婚せずにいる状態で、扶養親族がいるまたは年間の合計所得が500万円以下のどちらかに該当する人です。寡夫とは、妻と死別または離婚後、再婚せずにいる状態で、合計所得が500万円以下、なおかつ生計を一にする子がいる人のことを指します。

・勤労学生

高校、大学、専門学校に通いながら アルバイトをしている場合のことを指し、この場合27万円の「勤労学生控除」を受けることができます。
 

他の所得者が控除を受ける扶養親族等

この項目は、「夫婦共働きで家族の扶養を配偶者にしている」状態の方が記入します。
 

16歳未満の扶養親族

16歳未満の場合、扶養控除を受ける扶養親族には該当しません。
 
しかし、16歳未満の子どもがいる場合、年末調整や確定申告時の際に住民税の非課税基準額を算定する際に必要となるため、記入することになります。
 

記入後のチェックリスト

記入後は全ての項目も確認しましょう。特に生年月日は誤った記入をしやすく、扶養額にも影響してくるので注意が必要です。問題がなければ、提出しましょう。
 

まとめ

扶養控除申請書の内容や書き方について解説しました。難しいイメージの扶養控除申請書ですが、記入のポイントは誰が何に該当するかをよく確認することです。一つ一つの項目を冷静に記入してみると、意外に難しくはありませんので、気持ちに余裕をもって記入してみましょう。
 
出典(※)国税庁 [手続名]給与所得者の扶養控除等の(異動)申告
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部