友達が「子供が生まれた月によって児童手当が変わるよ」これって本当なの?
配信日: 2019.02.21 更新日: 2019.09.02
今回は「児童手当」制度について、確実に受け取るための注意点を含めて、詳しくお伝えしたいと思います。
児童手当とは
現在の児童手当制度は、平成24年4月から始まった育児支援のための制度です。まずは制度の概要について見てみましょう。
●もらえる児童手当額
・3歳未満: 月額1万5000円
・3歳以上小学校修了前
(第1子・第2子): 月額1万円
(第3子以降):月額1万5000円
・中学生: 月額1万円
※毎年、2月・6月・10月に各前月分までの分が支払われます。
●所得制限について
ただし、平成24年6月以降は所得制限が適用されています。この所得制限は、夫婦+子ども2人世帯の場合で、年収が960万円を超える世帯では、児童1人当たり月額一律5000円が支給されます。
これを児童手当の「特例給付」といい、いずれ廃止される予定で設けられましたが、今のところ継続見込みです。なお、ここでいう「所得」については、一家の主な働き手(所得の高いほう)で判断し、共働きでも合算する必要はありません。
また、所得限度額は扶養家族の人数によって異なります。詳しくは国や自治体のホームページなどで確認しましょう。さらに、制度の内容についていくつか補足します。
・父母が別居している場合
児童手当の対象となるのは、中学校修了前(15歳到達後、最初の3月31日まで)の児童を養育している父母などで、もし離婚協議中で父母が別居している場合は同居しているほうが受け取ります。
・施設入居や里親の場合
継続的に児童福祉施設などに入所している場合は、施設設置者の方が、里親に育てられている場合には里親が受給することになっています。
・海外在住の場合
児童が「国内に居住していること」が要件ですが、海外にいても留学している場合は対象になります。
●申請の方法
申請先はお住まいの市区町村です。子どもが誕生したり、または、市外から転入した場合に手続きが必要になります。なお、児童手当の受給者は、1家族につき1人のみです。
<申請に必要なもの>
・認定請求書(用紙は各役所の担当窓口でもらうか各市町村ホームページよりダウンロードする)
・請求者本人の健康保険被保険者証のコピー
・申請者と配偶者の個人番号(マイナンバー)確認書類
・子どもが市外などで別居している場合は、子どもの住民票
・印鑑(認印)
・振込先の預金通帳(振込希望口座は、請求者本人名義の普通預金口座のみ)
詳細は各市町村のホームページなどにも載っていますので、必ず確認しておきましょう。
生まれ月によってもらえる総額は違う
児童手当は、生まれた月によってもらえるお金の総額が異なります。何月生まれかにかかわらず、3歳の誕生日まで月1万5000円が支給される回数は同じですが、3歳以降、中学校を卒業するまでの月数の差によって違ってきます(1、2人目の場合)。
手当支給の終了時期が中学卒業までと決まっているのに対し、もらい始める時期は生まれた月によって違うからです。
やや極端な例ではありますが、3月生まれ(4月1日生まれを含む)の早生まれのお子さんと、4月生まれ(4月2日以降生まれ)のお子さんでは、すぐに手続きをしたとして11ヶ月分の差になります。
1万円×11ヶ月=11万円ですので、4月1日生まれと、4月2日生まれでは、誕生日がたった1日違うだけで、11万円の支給額の差になるということが起こります。
児童手当を確実にもらうための注意点
児童手当は、申請が遅れると、原則、遅れた月分の手当を受けられなくなります。そのため、次のような点に、特に気をつけましょう。
・赤ちゃんが生まれたらすぐ申請する
赤ちゃんの誕生後、その月の月末までに申請をしましょう。ただし、誕生日の翌日から数えて15日目が翌月に入る場合は15日以内に申請をすれば問題ありません。それを過ぎると申請前の分をさかのぼって受給することはできません。赤ちゃんが誕生したら出生届と同時に手続きを済ませましょう。
・引っ越しの時
児童手当の申請先はお住まいの市区町村ですので、引っ越しの時にも転入した日(転出予定日)の翌日から15日以内に申請するようにしましょう。
・公務員になった時や公務員でなくなった時
公務員の方に関しては、児童手当は勤務先から支給されます。そのため、申請手続きも勤務先に対して行いますが、新たに公務員になった時、あるいは公務員でなくなった時には、その翌日から15日以内に申請する必要があります。
・「現況届」の提出を忘れない
児童手当を継続して受け取るためには、毎年6月に市町村から送られてくる「現況届」を提出する必要がありますので、忘れないようにしましょう。
制度の内容と手続きについてきちんと知り、活用したい「児童手当」。今回は制度の内容と手続きについて改めてお伝えしましたが、いかがでしたでしょうか。
受け取った手当も、そのままにしておくと、「いつの間にか生活費に消えてしまって何に使ったかわからない」ということになりがちです。できれば、お子さんの将来の教育資金として貯金されることをおすすめしたいと思います。
出典:内閣府「児童手当所得制限限度額表」
内閣府「児童手当制度の概要」
リーフレット「児童手当」(平成30年度版)
執筆者:藤丸史果(ふじまる あやか)
ファイナンシャルプランナー