更新日: 2019.10.16 生命保険

生命保険の見直し、するべきタイミングは?どんな方法がある?注意点は?

執筆者 : 新美昌也

生命保険の見直し、するべきタイミングは?どんな方法がある?注意点は?
生命保険は、契約してから長期間加入するのが一般的です。その間には、家族や働き方など自分を取り巻く環境が変化します。
 
自分や家族の変化に合わせて、定期的に生命保険の内容を見直し、保障額を増やす・減らすといったことをすることが大切です。また、新たな保障内容を追加する場合もあるでしょう。今回は、生命保険を見直す際のポイントをお伝えします。
新美昌也

執筆者:新美昌也(にいみ まさや)

ファイナンシャル・プランナー。

ライフプラン・キャッシュフロー分析に基づいた家計相談を得意とする。法人営業をしていた経験から経営者からの相談が多い。教育資金、住宅購入、年金、資産運用、保険、離婚のお金などをテーマとしたセミナーや個別相談も多数実施している。教育資金をテーマにした講演は延べ800校以上の高校で実施。
また、保険や介護のお金に詳しいファイナンシャル・プランナーとしてテレビや新聞、雑誌の取材にも多数協力している。共著に「これで安心!入院・介護のお金」(技術評論社)がある。
http://fp-trc.com/

生命保険見直しのタイミング

「結婚や出産、子どもの独立などによる家族構成の変化」「会社員が自営業者になるなど働き方の変化」「リストラや定年退職などによる収入の減少による保険料を負担するための力の変化」など、生命保険に加入した際と状況が変わったときに、生命保険の内容を見直すようにしましょう。
 
また、生命保険は公的保障(遺族年金など)を補完するものですので、公的保障が変化(多くは保障が縮小化)したときにも見直すことが大切です。
 

生命保険の契約内容を見直す場合の方法

生命保険の契約内容を見直したいと考えた時、主な方法は以下の5つです。
 
(1)転換
(2)保険金の増額
(3)保険金の減額
(4)払済保険への変更
(5)解約

 
では、以降でそれぞれのポイントを解説します。
 

転換

転換とは、現在の契約をしている保険を利用するかたちで、新しい保険と契約を結ぶ方法です。今契約中の保険における積立部分や、積立配当金を「転換価格(下取り価格)」として活用し、新しい契約の一部にあてる方法です。
 
転換のメリットとして、「下取り価格」分を新規契約の頭金としてあてることになり、別の保険に新規で契約するよりも転換後の保険料負担が軽減されます。
 
デメリットとしては、転換をする際の年齢やその時の保険料率によって保険料が改めて計算されてしまうため、保障が同等であったとしてももとの保険よりも保険料が上がってしまうことがあります。充当される部分が掛け捨ての定期保険などの場合は、今までの積立部分がなくなってしまいます。
 
また、転換をするときの予定利率が適用されるので、もともと契約している保険の予定利率よりも下がってしまう際には、保険種類によっては保険料が上がる場合もあります。
 
予定利率の高い保険(いわゆるお宝保険)は、現在の予定利率の低い状況にあっては、保険会社にとっては負担ですので、高い予定利率を解消するために、転換を積極的に勧める保険会社もありますので、注意しましょう。
 
なお、保険会社が転換を利用して新しい契約を募集する場合には、新しいものと古いもの双方の契約内容などを記した書面をもらい、説明を行ったうえで、契約者から書面を受領した旨の確認をとることになっていますので知っておきましょう。
 

保険金の増額

家族が増えた場合など、保障内容を手厚くしたい場合、現在の契約に定期保険特約などを中途で付加することで、保険金を増額することが可能です。中途で付加する場合、新規に契約するのと同様、付加時の年齢や保険料率で保険料が再計算されます。
 
年齢が高くなってから死亡保障を増額する場合には、保険料も割高になりますので、年齢にかかわらず掛け金が一定の県民共済などを検討してみるのもよいでしょう。
 

保険金の減額

子どもが独立したなど、高額の保障が必要なくなった場合には、保障額を減らしてもよいでしょう。定年を機に保障額を見直すのであれば、葬式代等死後整理資金として200万円~300万円程度残しておけば十分ではないでしょうか?
 
減額は一部解約と同じです。保障額が減るので、それに応じて保険料も減少することになります。解約返戻金があれば減額に相当した額を受け取ることができます。なお、減額した場合、保険会社によっては、減額後の最低保険金額などの制限があるので確認してください。
 

払済保険への変更

払済保険への変更とは、以後の保険料の払込みを中止して、その時点での解約返戻金をもとに、保険期間をそのままにした保障額の少ない保険に変更することです。
 
解約返戻金額に応じて保険金額は決まります。したがって、解約返戻金が少ない場合、変更できないことがあります。元の契約の特約は消滅しますので注意しましょう。保険料の支払いが負担だが、かといって保障がなくなるので解約したくない場合に有効な方法です。
 

解約

自分が求める保障内容でなかった場合、保険契約を解約して、適切なものに新規加入することもあるでしょう。例えば、現在加入している医療保険が8日以上入院しないと入院給付金が支払われないタイプなので、日帰り入院から保障する医療保険に新規に加入したい場合などです。
 
その際に注意することは、無保険状態(保障のない空白期間)が発生しないように、別の保険に新しく加入した後に解約することです。健康状態によっては新規に加入できない場合もありますし、年齢が上がっていると保険料も上がりますので、慎重に検討しましょう。
 
保険料が負担になって解約を考えているのであれば、「減額」や「払済保険への変更」など、保障を確保しておく方法を検討しましょう。
 
執筆者:新美昌也
ファイナンシャル・プランナー


 

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