最終更新日: 2019.06.14 公開日: 2019.05.31

トランプ大統領関税引き上げ発言の真意とは

我々が史上最長の10連休を楽しんでいる間に、海の向こうではまたぞろトランプ大統領の衝撃的なツイッター発言が飛び出しました。
 
連休最終日手前の5日に「中国からの22兆円相当の輸入品に対して関税を現行の10%から25%に引き上げる」という趣旨の考えを示したことで、グローバルマーケットでは大きな下落が観測されました。
 
金融商品をお持ちの方は、不安になられたのではないでしょうか?こんなときの向き合い方について1つの考えをご紹介したいと思います。
 

大統領のツイートで振り回されるほど相場は小さくない

まずひとついえることは、さまざまな思惑を持った相場関係者が関与する中では、たとえ、世界最大の経済大国の大統領といえども、ツイート発言によって振り回されるほど相場は小さくはないということです。
 
トランプ大統領も財界出身のビジネスマンです。自分の発言がどのような影響をもたらすか、ということは十分に想定しているはず。しかもツイッターです。「威嚇攻撃」と解釈されても仕方ないで状況です。
 

政治的なデモか、それによってファンダメンタルズが変調するか見極めよう

仮に、この関税引き上げが実施されたとして、どのくらいの影響が中国に及ぶか、当然、中国からの米国向け輸出総額は2018年通年で4,784億ドル(約44兆円)このおよそ半分に対して関税の引き上げを行うというのです(尚、米国から中国向け輸出はこの4分の1程度)。
 
今や世界第二位の経済大国となった中国の輸出にこれだけの下押し圧力がかかれば、世界経済へのマイナス影響も無視できないと言えるでしょう。
 
1つ例をあげれば、中国から米国へのスマートフォンの輸出が減少すれば、部品を供給している日本の製造業をも影響を受けるということになります。こうして米中での貿易紛争が激化すれば、直接の当事者ではない世界経済への下押し圧力も強まります。
 

実質的・本格的な関税引き上げは難しい

こう考えると、実質的にファンダメンタルズを歪めてしまうほどの実質的・本格的な関税引き上げは難しいと言わざるを得ません。また、仮に実行したとして、金融市場が混乱に陥った場合、投資家は投資先をどこに見つければいいのでしょうか。
 
折しも2019年は、再選を狙うトランプ大統領選挙の年2020年の前年。家計における株式保有比率が直接・間接を含めれば45%を占める米国民への指示を取り付けるために株価を支えることは必至です。
 
それに逆行する行動をとるのは、大統領にとってもリスクが高すぎると考えるべきでしょう。すなわち、このような政治的発言・ツイートで振り回されるのではなく、一歩下がって冷静に考えれば、おのずとどのような行動をとればいいのか見えてきます。
 
執筆者:柴沼直美(しばぬま なおみ)
CFP(R)認定者
 



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