更新日: 2020.01.07 控除

所得控除を見逃さないで。生命保険加入者は注意

所得控除を見逃さないで。生命保険加入者は注意
例年10~11月ころにかけて、加入している生命保険会社から「生命保険料控除証明書」が送られてきませんか? 封書の場合は、ご契約内容のお知らせと同封の場合が多いです。
 
年末調整や確定申告で申請をしないと、このメリットは受けられません。証明書をしっかり保管し、申請するようにしましょう。
 
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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生命保険料控除とは?

生命保険料、介護医療保険料、個人年金保険料等を支払った納税者が、所得税および住民税において、一定の金額の所得控除を受けることができる制度を、生命保険料控除といいます。
 
給与所得者は年末調整のときに、個人事業主(自営業)は確定申告のときに申告し、「生命保険料控除証明書」を添付します。
 

対象になる保険、ならない保険は?

生命保険会社と契約した保険だけでなく、損害保険会社と契約した医療保険、がん保険、所得補償保険、介護費用保険等、また共済に加入した商品なども生命保険料控除の対象となります。
 
一方で、保険期間が5年未満の貯蓄保険、団体信用生命保険、財形制度による貯蓄(保険型)、少額短期保険業者の保険契約などは、生命保険料控除の対象にはなりません。
 
また、保険金の受取人は、保険料を支払っている本人か配偶者か親族でないといけません。あくまで、万一のときに困る家族のため、という理由で加入している保険料の控除ということでしょう。
 

契約日は2011年12月31日以前、それとも2012年1月1日以降?

2011年12月31日以前に契約した保険(旧契約)の保険料と、2012年1月1日以降に契約した保険(新契約)の保険料とでは、生命保険料控除の種類と控除額の取り扱いが異なります(なお保険によっては更新や内容の変更が行われた時期によって、その保険契約全体が新契約として取り扱われる場合がありますので、注意が必要です。「生命保険料控除証明書」の適用制度の箇所をご確認ください)。
 
パターンとしては、旧契約のみの場合、新契約のみの場合、新旧契約が混在する場合、で控除額の計算法が異なります。それぞれのパターンを見ていきましょう。今回は、所得税の控除額で計算していきます。
 
旧契約では、生命保険契約等(一般の生命保険料控除)と個人年金保険契約等(個人年金保険料控除)の2種類で、それぞれ控除額の最高枠が5万円、合計10万円が上限です。
 
新契約においては、生命保険契約等(一般の生命保険料控除)、介護医療保険契約等(介護医療保険料控除)と個人年金保険契約等(個人年金保険料控除)の三種類で、それぞれ控除額の最高枠が4万円、合計12万円が上限です。
 
新旧契約の双方に加入しており、混在する場合を見ていきましょう。つまり、生命保険契約等の枠の中にはいる保険、または個人年金保険契約等の枠の中にはいる保険で、2011年12月31日以前に加入して現在も契約中の保険と、2012年1月1日以降に加入して現在も契約中の保険、両方に加入しているケースです。
 
旧契約の保険料が年間6万円を超えていれば、旧契約の支払保険料等の金額に基づいて計算した控除額で最高5万円となります。旧契約の保険料が年間6万円以下であれば、新契約の支払保険料等の金額に基づいて計算した控除額と、旧契約の支払保険料等の金額に基づいて計算した控除額の合計で最高4万円となります。
 
そして、各控除額の合計が生命保険料控除額となりますが、12万円が上限ですから、その額を超えた場合は、12万円が生命保険料控除額となります。
 
以上、所得税の生命保険料控除額を見てきましたが、いくつも保険に加入している方は、どの保険で申告するかで額が変わってくることをご理解いただけたかと思います。
 
つまり、たくさん保険に加入されている方は、どの契約の保険料から控除を受けると最大限控除枠を適用できるか、「生命保険料控除証明書」をよくご覧になって組み合わせを精査したうえで、申告されることをおすすめいたします。
 
(出典)国税庁「No.1140 生命保険料控除」
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部


 

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