お給料にかかる税金のしくみ。所得税の計算方法と、給与所得控除について知ろう

配信日: 2018.09.15 更新日: 2019.08.30

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お給料にかかる税金のしくみ。所得税の計算方法と、給与所得控除について知ろう
今回は、税金のお話をします。 特に「所得税」についてです。お給料をもらった後、税金を納めます。これが「所得税」です。
 
「なんでもらったお給料に税金がかかるの」と思いませんか?それは、国民みんなで稼いだお金の一部で、国の運営が賄われているからです。時代劇でいうなら年貢みたいなものですよね。
 
とはいいつつも、重い年貢なら納めたくありません。これって、わがままなことでしょうか。年貢が重くて国民の生活が大変になるなら、国の運営も何もありません。
 
だからというわけではありませんが、所得税を少しだけ減らしてあげるという制度があります。それが「所得控除」です。
重定賢治

執筆者:重定賢治(しげさだ けんじ)

ファイナンシャル・プランナー(CFP)

明治大学法学部法律学科を卒業後、金融機関にて資産運用業務に従事。
ファイナンシャル・プランナー(FP)の上級資格である「CFP®資格」を取得後、2007年に開業。

子育て世帯や退職準備世帯を中心に「暮らしとお金」の相談業務を行う。
また、全国商工会連合会の「エキスパートバンク」にCFP®資格保持者として登録。
法人向け福利厚生制度「ワーク・ライフ・バランス相談室」を提案し、企業にお勤めの役員・従業員が抱えている「暮らしとお金」についてのお悩み相談も行う。

2017年、独立行政法人日本学生支援機構の「スカラシップ・アドバイザー」に認定され、高等学校やPTA向けに奨学金のセミナー・相談会を通じ、国の事業として教育の格差など社会問題の解決にも取り組む。
https://fpofficekaientai.wixsite.com/fp-office-kaientai

会社員はお給料をもとに「所得税」が計算される

今回、このテーマを取り上げたのは、収入について、より理解を深めてもらうためです。
 
一般的に、会社員の場合、働いた対価としてお給料をもらいます。そして、もらったお給料をもとに「所得税」が計算されます。
 
「源泉徴収」という言葉を耳にしたことがあるかもしれません。毎月のお給料から「所得税」が引かれていますが、これが源泉徴収です。お給料の振り込みとあわせて受け取るのが「源泉徴収票」ですが、ここには「給与所得控除後の金額」と「所得控除の金額」の欄があります。
 
これらの「所得控除」の意味がわかると、自分がもらうお給料について理解が深まります。

「所得税」はどうやって計算されるの?

「所得控除」とはなにかというと、国民に認められた「税制上の就労および生活補助」です。ここで、会社員(給与所得者)の場合、「所得税」がどのように計算されるか確認しておきましょう。
 
(1)収入-「給与所得控除」=給与所得
(2)給与所得-「所得控除」=課税所得
(3)課税所得×所得税率=所得税

 
まず理解しておきたいのが、「収入」と「所得」の違いです。会社員(給与所得者)などの場合、「収入」はお給料です。これから、「給与所得控除」や「所得控除」の金額を差し引いたものが「所得」になります。
 
「所得税」という言葉は、ここからきているんですね。収入ではなく、所得に対して掛けられる税金という意味です。

「給与所得控除」の計算方法

それでは、「給与所得控除」について見ていきます。「給与所得控除」は、給与収入から引かれる「会社員活動に必要な経費」です。
 
年収400万円の会社員の場合、会社員活動として認められる必要経費はいくらになるでしょうか。
 
〇給与所得控除額=400万円×20%+54万円=134万円
 
1年間でこの金額が会社員活動の必要経費として認められます。給与所得控除の金額が確定すると、「給与所得」の金額も決まります。
 
収入-給与所得控除=給与所得です。
 
このケースの場合、給与所得の金額は266万円になります。
 
そして、この金額から「所得控除」と呼ばれる「生活に必要な経費」のようなものが差し引かれ、所得(=課税所得)が確定します。
 
所得控除については種類が多いため、次回以降で整理していきます。
 
 
Text:重定 賢治(しげさだ けんじ)
ファイナンシャル・プランナー(CFP)


 

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