9月から年金保険料が「5万円」を超えてがっかり。友人に話したら「いいなぁ」と言われましたが、なぜでしょうか? 引かれる金額が増える“メリット”はあるのですか?
配信日: 2024.10.04
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
会社員は9月から年金保険料が変わる人もいる
会社員は国民年金と厚生年金に加入していますが、9月(または10月)から厚生年金保険料が変わる人もいます。
厚生年金保険料は「標準報酬月額」によって決まります。「標準報酬月額」は、原則として毎年4月~6月の3ヶ月間の給料(残業含む総支給額が基準)を基に計算され、ここで決まった金額がその年の9月から翌年の8月まで毎月支払う厚生年金の保険料となるためです。標準報酬月額が前年と変わった場合は、9月から保険料が変更されます。
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会社員の年金保険料は収入によって変わる
「標準報酬月額」とは、給料の月額を区切りのよい幅で区分した等級で表したもので、32等級に分かれています。それにかかる保険料率は一定ですので、給料が上がり、「標準報酬月額」が上がるほど、厚生年金保険料の金額も上がります。
つまり、毎月「5万円」も厚生年金保険料を支払っているということは、それだけ稼いでいるということになるため、友人からうらやましいと言われるのかもしれません。
毎月5万円保険料を支払う人はどれくらい稼いでいる?
「標準報酬月額」は32等級に分かれていますが、厚生年金保険料が5万円を超えるのは上位4等級のみです。具体的には、5万円を超えるには、大まかに言うと月額で54万5000円以上稼ぐ必要があります。
月額で54万5000円ということは、年間にすると654万円です。国税庁の「令和4年分民間給与実態統計調査」によると、給与所得者の平均年収は458万円です。給与所得者の内、600万円以上稼いでいる人は20%ほどしかいません。
しかも、年3回までの賞与は標準報酬月額には含まれないため、実際の年収はさらに多いことも十分想定されるでしょう。
毎月5万円以上年金保険料を支払う人は将来どれくらい年金をもらえる?
毎月5万円以上厚生年金保険料を支払う人は、将来どれくらい年金をもらえるのでしょうか? 老後にもらえる老齢厚生年金は「報酬比例部分」「経過的加算」「加給年金額」の合算ですが、今回はメインの「報酬比例部分」について見ていきます。
「報酬比例部分」としてもらえる年間の年金受給額は次の計算式で求められます。
●報酬比例部分=平均標準報酬額×5.481/1000×2003年4月以降の厚生年金加入月数
毎月5万円の厚生年金保険料を支払う場合、最低でも「標準報酬月額」は上から4番目の56万円です。仮に20歳から60歳まで会社員として働き、その間の平均標準報酬額が56万円の場合、65歳以降にもらえる年間の年金受給額は約147万円になります。
今回の場合、老齢基礎年金も満額の81万6000円が受け取れますので、合計で約229万円を65歳以降年金として受け取れます。
厚生労働省の「令和4年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、老齢基礎年金と老齢厚生年金を合わせた老齢年金の平均金額は、月額で男性が約16万円、女性が約10万円です。今回の事例では、月額が約19万円ですので、将来受け取れる年金の水準も高いと言えるでしょう。
まとめ
会社員の場合、9月(または10月)から厚生年金保険料が変わる人もいます。厚生年金保険料は収入の多さによって決まるため、うっかり金額を言うと、人によってはうらやましがられることもあるかもしれません。
あまり年収を明かしたくない場合は、保険料の具体的な金額は言わない方が無難でしょう。
出典
日本年金機構 標準報酬月額は、いつどのように決まるのですか。
日本年金機構 令和2年9月分(10月納付分)からの厚生年金保険料額表(令和5年度版)
日本年金機構 厚生年金保険の保険料
厚生労働省 令和4年度厚生年金保険・国民年金事業の概況
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー