最終更新日: 2019.01.07 公開日: 2017.10.05
年金

年金で優雅なロングステイライフは可能か? 最新のロングステイ事情


海外滞在型余暇構想「ロングステイ」は、1986年通商産業省が「定年後の第二の人生を、海外で豊かに暮らそう」という趣旨の「シルバーコロンビア計画“92“」を提唱したことに遡ります。

その後1992年に財団法人ロングステイ財団(以降「財団」)が設立され、「生活の源泉を日本に置きながら海外の1か所に比較的長く(2週間以上)滞在し、その国の文化や生活に触れ、現地社会への貢献を通じて国際親善に寄与する海外滞在スタイル」を総称してロングステイと名づけられました。

財団は現在、海外のみならず、国内ロングステイ(1週間以上の滞在)の普及活動にも取り組んでいます。

ここでは、海外のロングステイについて、最近の事情を解説します。
岩永真理

Text:

Text:岩永真理(いわなが まり)

一級ファイナンシャル・プランニング技能士

CFP®
ロングステイ・アドバイザー、住宅ローンアドバイザー、一般財団法人女性労働協会 認定講師。IFPコンフォート代表
横浜市出身、早稲田大学卒業。大手金融機関に入行後、ルクセンブルグ赴任等を含め10年超勤務。結婚後は夫の転勤に伴い、ロンドン・上海・ニューヨーク・シンガポールに通算15年以上在住。ロンドンでは、現地の小学生に日本文化を伝えるボランティア活動を展開。
CFP®として独立後は、個別相談・セミナー講師・執筆などを行う。
幅広い世代のライフプランに基づく資産運用、リタイアメントプラン、国際結婚のカップルの相談など多数。グローバルな視点からの柔軟な提案を心掛けている。
3キン(金融・年金・税金)の知識の有無が人生の岐路を左右すると考え、学校教育でこれらの知識が身につく社会になることを提唱している。
ホームページ:http://www.iwanaga-mari-fp.jp/

詳細はこちら
岩永真理

執筆者:

Text:岩永真理(いわなが まり)

一級ファイナンシャル・プランニング技能士

CFP®
ロングステイ・アドバイザー、住宅ローンアドバイザー、一般財団法人女性労働協会 認定講師。IFPコンフォート代表
横浜市出身、早稲田大学卒業。大手金融機関に入行後、ルクセンブルグ赴任等を含め10年超勤務。結婚後は夫の転勤に伴い、ロンドン・上海・ニューヨーク・シンガポールに通算15年以上在住。ロンドンでは、現地の小学生に日本文化を伝えるボランティア活動を展開。
CFP®として独立後は、個別相談・セミナー講師・執筆などを行う。
幅広い世代のライフプランに基づく資産運用、リタイアメントプラン、国際結婚のカップルの相談など多数。グローバルな視点からの柔軟な提案を心掛けている。
3キン(金融・年金・税金)の知識の有無が人生の岐路を左右すると考え、学校教育でこれらの知識が身につく社会になることを提唱している。
ホームページ:http://www.iwanaga-mari-fp.jp/

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人気NO.1は11年連続でマレーシア

 
2016年の財団の調査によると、テロなどによる世情不安や為替の変動にもかかわらず、堅調に推移していて全体の渡航者の約一割(157万人)まで拡大しているようです。

年代別には、40代、50代、65歳以上が活発とされています。
2016年の人気渡航先は、依然として11年連続で第1位はマレーシアです。

その後2位タイ、3位ハワイ、4位は近年急浮上の台湾、5位フィリピンとかなりアジア勢が優勢です。

マレーシアやタイでは、その人気の理由として長期滞在者用ビザがとりやすいことも挙げられます。

 

ロングステイは夢か現実か?

 
一時マスコミでも話題になった「物価が安く温かいアジアで、年金生活者の悠々自適なロングステイライフ」は今でも謳歌できるのでしょうか。

同じ国でもどの都市に滞在するかで多少の変動はありますが、人気国のマレーシアやタイでは物価が上昇していることに加えて、2011年~2012年と比べると円が弱くなっているので、実際に現地での割安感は一時に比べたらかなり少なくなっているといえます。

加えて日本の厚生年金も段階的に受給年齢が引き上げられています。

現地の人と同じような所に住み、同様の食事をすれば、確かに安いかもしれません。

しかし、現地の生活を例えるならば数十年前の日本と同程度となる感覚ですので、いきなり現代日本からそのような生活ができるかというと難しいのではないでしょうか。現代日本と同じような環境や食生活を求めれば、マレーシアやタイでは得られないわけではないですが、それなりに高価です。ましてや、ロングステイは移住と違い、日本にも生活拠点を残したままなので、こちらの維持管理費もかかります。

こうした現状を鑑みると、残念ながら年金だけでは、アジアといえど悠々自適に広々とした家に住むのは現実的ではありません。

では、なぜマレーシアやタイが依然として人気を集め、ロングステイヤーが堅調に推移しているのでしょうか。これまでのロングステイヤーが築いてきた日本人に適した環境や情報があり、新しいロングステイヤーにとって安心で居心地が良いなどという理由が考えられます。逆に悠々自適ではなく、現地の人と同様のライフスタイルでロングステイによる節約を目指すなら、それは可能かもしれません。

 

ロングステイの目的は?

 
ロングステイの在り方も時代と共に変化します。

2000年では、ロングステイの人気渡航先はベスト10のうち10位のマレーシアを除き、すべてが欧米でした。
当時はまだ、ロングステイという言葉がでてきて10年程度ですので、一般にはあまり認知されておらず、特別の人のためのものだったのかもしれません。

グローバル化が進み、ネット社会の昨今では、わざわざ現地へ行かなくても、情報は簡単に手に入ります。

では、ロングステイの目的は何でしょうか。そこでなければ得られない体験です。

避暑避寒、趣味・スポーツ、異文化体験、観光、ボランティア、語学学習、習い事などに加えて、近年では子供の語学習得のための母子留学、病気の転地療養目的、介護施設利用目的などもあるようです。

 

これからの日本人と海外旅行

 
これまで日本人は、海外旅行といえば観光に徹してきました。

折角海外に行ったからには、余すことなく見ようという向学心と、少ない休暇で遠くへ行くため時間的余裕がないことが原因ですが、海外に一度も行ったことのない日本人は、もはや少なくなりました。

物理的に豊かになった現代では、今後は心を充足させる豊かな実体験を求めて、海外へ出向く時代かもしれません。
海外でもゆっくりお茶を飲み、読書をし、現地ならではの観劇やスポーツなど楽しんで、住まうように旅するロングステイの醍醐味は、多くの人に受け入れられるはずです。



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