更新日: 2020.06.08 その他

在宅勤務の通信・光熱費は会社負担になる? 通勤手当は?

在宅勤務の通信・光熱費は会社負担になる? 通勤手当は?
新型コロナウイルスの影響で、在宅勤務を余儀なくされている方も多いと思います。今後、働き方改革や東京五輪開催にともない、在宅勤務がさらに推奨されていくでしょう。
 
ここで気になるのが、「在宅勤務中の光熱費や通信費は会社負担になるか」。気になる通勤手当、残業手当の支給についても併せて確認していきましょう。
松木優子

執筆者:松木優子(まつき ゆうこ)

2級ファイナンシャル・プランニング技能士。フリーライター。

来店型保険ショップ元コンサルタント。首都圏郊外の地域密着店や、都市部の富裕層が多い店舗で、年間約150組のお客様のコンサルタントを担当。

まずは就業規則などを確認!

在宅勤務にともない発生する水道光熱費や通信費を、会社と従業員のどちらが負担するかは、法律で一律に定められているわけではありません。各会社の就業規則や労使協定、労働条件通知書により異なります。
 
ただし労働基準法では、労働者に作業費などの負担をさせる場合は、その労働条件を明示しなければいけないとされています。
 
例えば常時10人以上の労働者を有する会社は就業規則の作成義務があり、費用の負担などの定めがあれば就業規則に記載されているので、該当する方はチェックしてみると良いでしょう。

通信費や光熱費負担は、会社によってまちまち

では、在宅勤務により発生する費用の種類と、それぞれの費用負担に対する考え方について見てみましょう。

1.水道・電気・ガスの費用

在宅勤務の場合、自宅にいる時間が長くなるため、そのぶん水道光熱費の負担が生じます。ただ、私的利用分と業務利用分との区別が難しいため、「在宅勤務手当」などの支給がある場合は、その一部として支払われるケースもあります。

2.インターネット通信の費用

日頃から外回りの仕事が多く、業務用のパソコンや携帯電話を会社から与えられている場合は、通信費用も会社負担になっているケースが多いでしょう。
 
しかし、そうではない場合、自宅に通信機器を設置する工事費や基本料金、通信費用などの負担が生じます。自宅でのインターネット通信費用は水道光熱費と同様、私的利用分と業務利用分の区別が難しいため、会社によって規則が異なります。
 
例えば「工事費は会社負担、基本料金や通信費は従業員負担」「工事費は従業員負担、基本料金と通信費は一定額を『在宅勤務手当』の一部として会社負担にする」などとしている場合があります。

3.パソコンや携帯電話、スマートフォンなど通信機器の購入費用

個人が所有するパソコンなどを使うこともありますが、セキュリティの問題から、会社から貸し出すパソコンを使う場合が多いです。その場合、機器の購入費用は全額会社負担と定めているところが多く見られます。

4.文房具や備品、宅配便や切手の費用

文房具などの消耗品は、会社が費用を負担するケースがほとんどでしょう。もし従業員が購入した場合は、後日スムーズに精算できるよう、会社の規則を確認しておくと良いでしょう。
 
宅配便や切手の費用についても、基本的に会社負担とするところが多いでしょう。あらかじめ会社から切手をもらっておく、会社宛の宅配便は着払いにする、などの方法で対応できます。こちらも従業員が費用を立て替えた場合は、後日精算できるよう規則を確認しておきましょう。

通勤手当はもらえなくなる!?

逆に在宅勤務により発生しなくなる費用として「通勤手当」があります。
 
こちらも会社によって規則が異なります。週に1回から2回の在宅勤務であれば、毎日出社する場合と同じように定期代が支払われ、在宅勤務が週3回以上の場合は、実際に出社した日数分だけ交通費が実費支給される、といったケースもあります。

残業手当や時間外手当はどうなる?

在宅勤務で労働時間の算定が難しい場合でも、一定の条件を満たせば「事業場外みなし労働時間制」となり、既定の就業規則が適用されます。
 
やむを得ず法定労働時間を超えて残業した場合は「残業手当」が、深夜・休日に働いた場合は「深夜・休日手当」が、就業規則にのっとって支払われます。
 
在宅勤務だからといって、残業手当や深夜・休日手当が支払われない、というわけではないので、まずは勤務先の就業規則を確認してみましょう。
 
今後ますます増えると予測される在宅勤務。負担する費用や各種手当について、あらかじめしっかり確認しておくことで、より気持ちよく働くことができるでしょう。
 
[出典]
厚生労働省「テレワーク導入のための労務管理等Q&A集」
一般社団法人 日本テレワーク協会「テレワークに関するQ&A」
厚生労働省「就業規則を作成しましょう」
一般社団法人日本テレワーク協会「テレワーク勤務規定作成の手引き」
厚生労働省「自宅でのテレワークという働き方」
 
執筆者:松木優子
2級ファイナンシャル・プランニング技能士。フリーライター。


 

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