更新日: 2020.05.04 その他

新型コロナで保険料の支払いが難しいときはどうすればいい?もし感染して入院したら入院給付金は?

新型コロナで保険料の支払いが難しいときはどうすればいい?もし感染して入院したら入院給付金は?
生命保険会社では保険料払込猶予期間の延長、契約者貸付の特別金利の適用、保険金・給付金等の簡易迅速な支払い等、新型コロナウイルス感染症により影響を受けられた、契約者への特別取扱いを行っています。
 
各保険会社に共通する特別取扱いを解説します。
 
新美昌也

執筆者:新美昌也(にいみ まさや)

ファイナンシャル・プランナー。

ライフプラン・キャッシュフロー分析に基づいた家計相談を得意とする。法人営業をしていた経験から経営者からの相談が多い。教育資金、住宅購入、年金、資産運用、保険、離婚のお金などをテーマとしたセミナーや個別相談も多数実施している。教育資金をテーマにした講演は延べ800校以上の高校で実施。
また、保険や介護のお金に詳しいファイナンシャル・プランナーとしてテレビや新聞、雑誌の取材にも多数協力している。共著に「これで安心!入院・介護のお金」(技術評論社)がある。
http://fp-trc.com/

契約に関する特別取扱いの内容

●保険料払込猶予期間の延長
保険料の払い込みが遅れて、払込猶予期間が経過すると、解約返戻金の範囲内で保険料の立替が行われる自動振替貸付が適用されるか、あるいは、そのまま契約が失効するのかのいずれかです。
 
失効すると万一の場合、保険金などが受け取れないことになります。
 
払込猶予期間は、月払いでは「払込期月の翌月の1日から末日まで」、半年払い・年払いでは「払込期月の翌月の1日から翌々月の月単位の契約応当日まで」となっています。
 
新型コロナウイルス感染症の影響で保険料の支払いが困難になった場合、多くの保険会社では契約者からの申し出により、保険料払込期間を6ヶ月延長しています。最長の場合、2020年9月30日までなどとなっています。なお、保険料が免除になるわけではありませんので留意しましょう。
 
●契約者貸付の特別金利の適用
契約している生命保険の解約返戻金の一定範囲内で、貸付を受けることができます。これが契約者貸付制度です。一般的に貸付金は、その全部または一部をいつでも返済できます。貸付金の元利金が解約返戻金を超えた場合、そのまま放置しておくと保険契約は失効しますので留意しましょう。
 
貸付を受けた場合、貸付金には所定の利息(複利)がつきます。貸付利率は契約の時期などにより異なりますが、一般的に予定利率が高い契約は貸付利率も高くなります。
 
新型コロナウイルス感染症の影響で一時的に資金が必要な契約者に対して、多くの保険会社では利息免除(年利0.0%)の対応をとっています。
 
特別金利の適用期間は新規貸付日から2020年9月30日まで、受付期間は2020年5月31日までなどとなっています。なお、保険の種類によっては契約者貸付制度を利用できません。
 
●保険金・給付金の請求手続きの簡素化
保険契約者または保険金・給付金受取人からの申し出により、必要書類を一部省略する等により、簡易かつ迅速な取扱いがなされます。
 

保険金・給付金の支払い

●給付金
新型コロナウイルス感染症は、入院給付金の支払対象となる「疾病」に該当します。陽性・陰性にかかわらず、医師の指示で医療機関に入院した場合、支払いの対象です。
 
また、病院と同等とみなされる臨時施設に入所し、医師の治療を受けている場合等も、医師の証明書等を提出することで入院給付金の対象となる場合があります。
 
●保険金
新型コロナウイルス感染症により亡くなられた場合は、「疾病」による死亡保険金の支払いの対象です。
 
なお、災害死亡保険金もしくは災害高度障害保険金の支払い対象として「所定の感染症」がありますが、現時点では、新型コロナウイルスは「所定の感染症」に該当しませんので、災害死亡保険金等の支払い対象となりません(災害による割増の対象となりません)。
 

まとめ

新型コロナウイルスの感染拡大に伴う休業や失業で収入が減少し、保険料の支払いが困難になったとき、保険料の支払いを中止したり、解約返戻金を生活費に充てることを考えるかもしれません。
 
しかし、生命保険は、解約や失効すると保険金・給付金を受け取ることができなくなります。また、健康状態によって、新規に加入したり復活できない場合があります。
 
今回ご案内した特別取扱いをうまく活用しましょう。特別取扱いを受けるには保険会社への申し出が必要です。特別取扱いは保険会社でほぼ同じですが、詳細は加入している保険会社のホームページなどで確認してください。
 
執筆者:新美昌也
ファイナンシャル・プランナー。


 

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