【入院にかかる費用】差額ベッド代や食事代ってどのくらい?
配信日: 2020.02.13
実は、入院する際には、手術代だけではなく、さまざまな費用が発生します。いざという時に慌てないために、医療費の相場をチェックしておきましょう。最新の医療費に関わるニュースについてもご紹介します。
執筆者:下中英恵(したなかはなえ)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者
“東京都出身。2008年慶應義塾大学商学部卒業後、三菱UFJメリルリンチPB証券株式会社に入社。
富裕層向け資産運用業務に従事した後、米国ボストンにおいて、ファイナンシャルプランナーとして活動。現在は日本東京において、資産運用・保険・税制等、多様なテーマについて、金融記事の執筆活動を行っています
http://fp.shitanaka.com/”
入院にかかるのは治療費や入院費だけじゃない?
病気やけがで入院した場合、手術費用や、点滴・投薬などの医療行為に対して、医療費がかかります。さらに、忘れがちなお金として、差額ベッド代や食事代が発生します。どのようなことにお金がかかるのか確認しておきましょう。
<差額ベッド代>
患者さんの希望により、個室の病室などを利用する場合、差額ベッド代というものが発生します。差額ベッドの要件は以下の通りです(※1)。
1. 病室の病床数は4床以下であること。
2. 病室の面積は一人当たり6.4平方メートル以上であること。
3. 病床のプライバシーを確保するための設備があること。
4. 少なくとも「個人用の私物の収納設備」、「個人用の照明」、「小机等及び椅子」の設備があること。
差額ベッド代は、一般的に1日につき5000円から1万円くらいかかるのが相場となっています。病院は、患者さんに対して、差額ベッド室の設備、構造、料金などについて説明し、患者さんの同意を確認することがルールとなっています。入院する際には、ベッドにかかる費用について、必ず確認するようにしましょう。
<入院中の食事代>
全国健康保険協会によると、入院時食事療養費としてかかるお金は、一般的な所得の方の場合、1食につき460円となっています(※2)。毎日3食食べ、10日間入院すると、1万3800円かかることになります。
<交通費>
けがをしている場合や、入院の荷物が多い場合、自宅から病院までタクシーなどで移動する方も多いでしょう。
タクシーなど、患者さん本人の、病院と自宅との往復にかかる交通費は、医療費控除の対象となります。入院費用と合わせて確定申告をすることで、税金の優遇措置を受けることができるので、ぜひ申請するようにしましょう。
<身の回りの日用品>
入院する場合は、タオルやパジャマ、スリッパなどの日用品が必要となります。普段自宅で使用しているものでも、もちろん問題ないのですが、急な入院だったり、入院期間が長引いたりすると、病院の売店などで購入することもあるでしょう。
意外と忘れがちな出費ですが、入院する際には、お財布に1万円くらい余裕を持って入れておくと安心です。
チェックしておきたい医療費の話題
現在の医療制度では、医療費の自己負担は、70歳未満が3割、70~74歳が原則2割、75歳以上は原則1割となっています(ただし、70歳以上でも、現役並みの所得年収約370万円以上あれば3割負担となっています)。
そして、2022年から、75歳以上の後期高齢者医療費の窓口負担について、一定の所得がある人は、2割に引き上げられることが検討されています。どのくらいの所得があれば2割負担となるのかなど、具体的なことはこれから決定する予定ですが、特に高齢者の方は気になるニュースですね。今後の動向にぜひ注目してみましょう。
いかがだったでしょうか。入院は、患者さん本人や家族にとって、精神的に不安になる大きな出来事ですね。万が一の時に備えて、お金の心配をしなくても良いように、準備をしておくことが大切です。今回ご紹介した入院にかかる費用や、最新の医療費のニュースをぜひ頭に入れておくようにしましょう。
出典
(※1)埼玉県 差額ベッド(特別療養環境室について)
(※2)全国健康保険協会 入院時食事療養費
執筆者:下中英恵
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者