奨学金っていつ振り込まれるの？ スケジュールをおさらい

奨学金の振込日や振り込みの確認方法についてきちんと把握できていますか？
 
奨学金のスケジュールは、奨学金の貸与を受けながら学ぶ学生にとって重要なことです。あらためて奨学金のスケジュールについて把握しておきましょう。
 
なお、特に記載のない限り、日本学生支援機構（JASSO）の奨学金制度の奨学金についての解説となります。

奨学金はどこで申し込むの？

奨学金は現在在籍している学校を通じて申し込むことが原則です。申し込みの方法には、進学する前に申し込む「予約採用」と在学中に申し込む「在学採用」があります（※1）。

第一種と第二種の線引きはどこにあるの？

奨学金には第一種と第二種とがあります。
 
第一種は無利息となる反面、選考基準が厳しく設定されています。具体的には、学生として優れており、かつ経済的理由により著しく修学が困難であることが要件とされています。
 
第二種は第一種に比べて緩やかな要件となりますが、一定以上の学力と家計の収入状況の基準をクリアすることが要件になります。貸与額は学校の区分や通学形態によって変化し、上限額は一種よりも二種のほうが高くなっています（※2）。

奨学金はいつ振り込まれるの？

奨学金の振り込みは、原則として毎月11日に行われます（例外として4月は21日、5月は16日）。振込日が金融機関の休業日にあたる土日祝日などの場合は、その前営業日に振り込まれることになります。
 
参考までに2020年度の奨学金の振込日をカレンダーにしてまとめました【表1】。
 
【表1】

出典：日本学生支援機構「令和2年度 奨学金振込予定日」（※3）
 
なお、初回の振り込みやその他の状況次第で数ヶ月分がまとめて支払われることもあります。詳細については在学中の学校を通じてご確認ください。

いくら借りているのかを確認する方法

奨学金の貸与期間中、自分が毎月いくら借りていて、総額でいくらになるのかといったことは、スカラネット・パーソナル（通称スカラネットSP）というシステム上で24時間いつでも確認することができます（※4・5）。
 
スカラネットSPで確認できる事項は次の通りです。
 
・貸与・給付期間
・月額の貸与額
・返還の総額
・振込口座
・各種証明書の発行申請
 
スカラネットSPは、奨学金の返還が開始した後も継続して利用するため、できるだけ早い段階で使い方に慣れておくとよいでしょう。

奨学金に関するQ＆A

ここでは奨学金についてよくある質問にお答えします。

生計が苦しいので奨学金の返済を待ってもらうことはできますか？

A　奨学金には返還期限猶予という制度があり、災害、傷病、経済困難、失業などの返還困難な事情が生じた場合には、本人からの申出に基づき、返還が一定期間猶予される制度があります。これはあくまで猶予であるため、返済すべき奨学金が免除されるものではないことに注意してください。
 
なお、返還期限猶予以外にも毎月の返済額を減らし、返済期間を延長する減額返済制度もあり、無理なく返済できるようになっています。

奨学金は返さないとどうなりますか？

A　貸与型の奨学金は、返済することを前提に貸与されています。そのため、奨学金の返済が遅れてしまうと、本人や保証人に振替不能（期限までに支払われないこと)の通知が送られます。
 
また、2回目以降の振替不能には延滞金も発生し、3回目以降は個人信用情報機関にその旨が登録されてしまいます。さらに、4回続けて振替不能の状態に陥ると、回収委託会社からの督促も行われます。

まとめ

奨学金の振込日や総返済額、その他奨学金に関する情報は、スカラネットSP上で確認することができます。貸与型の奨学金は将来返還しなければならないものです。貸与期間中からその自覚をもって利用するようにしてください。
 
［出典］
※1　独立行政法人日本学生支援機構「奨学金の申込方法」
※2　独立行政法人日本学生支援機構「奨学金の額」
※3　独立行政法人日本学生支援機構「令和2年度 奨学金振込予定日」
※4　独立行政法人日本学生支援機構「スカラネット・パーソナル」
※5　独立行政法人日本学生支援機構「スカラネット・パーソナルでできること」
 
執筆者：柘植輝
行政書士