更新日: 2020.03.02 子育て

「とるだけ育休」にしないで! 男性の育休取得のコツって?

「とるだけ育休」にしないで! 男性の育休取得のコツって?
この頃、男性の育児休暇の話題を耳にすることが増えた気がしませんか。
 
記憶に新しいところでは、小泉進次郎環境大臣の日本の現職閣僚として初めてとなる育休取得でしょうか。
 
制度化の議論も進み、「育児休暇は女性だけがとるもの」という社会の意識は変わりつつあるのかもしれません。
 
しかし、ある調査によると、せっかく夫が育児休暇をとっても、あまり育児をしてくれない、いわゆる「とるだけ育休」がかなりの割合を占めていたり、「収入が減るくらいならとらないでほしい」といった妻側の声もあったりするようです。
 
そこで今回は、家計の不安を解消し、夫婦どちらにも有意義な男性の育児休暇取得のコツをお伝えしたいと思います。
 
藤丸史果

執筆者:藤丸史果(ふじまる あやか)

ファイナンシャルプランナー

相続、投資信託など、身近なファイナンスを中心に活動している。

男性の育休が「とるだけ育休」になっている?

厚生労働省の「平成30年度雇用均等基本調査」では、男性の育児休暇取得率が6.16%と過去最高になり、男性が育児休暇を取得することのハードルは少しずつ下がっていると言えるかもしれません。
 
ところがママ向けアプリ「ママリ」を提供しているコネヒト株式会社が、夫が育休を取得した女性508名に調査した結果によると、育休を取得した男性のうち約3人に1人が、1日あたりの家事育児時間が2時間以下という、いわゆる「とるだけ育休」の実態が明らかになりました(引用:【男性の「とるだけ育休」を防ぐための提言(「変えよう、ママリと」)】より)。
 
中には、「自分が遊びに行くことに使った」などという声も。これでは何のために育休をとったのか分かりませんよね。
 

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妻の不満と不安

さらに同調査では「今後、夫(パートナー)に育休を取得してほしいと思いますか」との質問に、「あまりそう思わない」「まったくそう思わない」と答えた女性が47.5%という結果となり、半数ほどが「夫に育休取得をしてほしいとは思わない」と回答しています。
 
夫が育休を育児にあてずに自分の遊びを優先するようでは、むしろ妻の負担が増えてしまうこともあるでしょう。
 
また別の「男性の育休取得義務化」をテーマにしたアンケート(しゅふJOB総合研究所調べ)では、「4週間だけ夫が育休を取ってくれたが、あまり役に立たなかった。というより、負担が増えた」と短期間の育休への疑問や妻の負担増を嘆く声、「育休をとって会社の復帰後前の様に働けるの?」「復帰した時に降格とかしたり、これ以上給料が減るのは困る」という不安の声もありました。
 
こうした妻側の思いが、「夫に育休取得をしてほしいとは思わない」という結果につながっているのかもしれません。
 

どうすればいい?

では、「とるだけ育休」にならず、収入面でも妻の不安を解消する方法はあるのでしょうか。
 

家計管理を夫が主導してみる

家計管理については、主に妻が担っている家庭が多く、利用できる制度やお金について事前にしっかり勉強されている方もいらっしゃるでしょう。
 
しかし、女性は特に出産後、肉体の痛みやホルモンの急激な変化で心身ともに疲れ切っています。しかも頻繁な授乳などで慢性的な睡眠不足、人によっては数ヶ月間、体力が回復しないこともあります。
 
まずは妻のそういった状況を夫が事前に知っていれば、妻にお金のことで負担をかけず、自分にできることは何か、どのようにサポートすれば効率的かを夫が主体的に考えられるのではないでしょうか。
 
そのうえで、出産前に家計の状況や、将来に備えるお金について共有し、どのタイミングで育休を取得するのが妻にとっても家計にとってもベストなのか、夫婦でよく話し合ってみてはいかがでしょうか。
 
しばらくは妻に代わって夫が主導して家計をやりくりする、くらいの気持ちで取り組んでみてもいいかもしれません。その経験は今後の家庭生活できっと役に立つはずです。
 

使える制度を知っておく

妊娠、出産、育児期間中にもらえるお金や利用できる制度には次のようなものがあり、きちんと知っておくだけでも将来のお金の計画が立てやすくなります。
 

出産育児一時金や出産手当金

出産育児一時金として、妊娠4ヶ月以上で出産をするすべての健康保険加入者または配偶者の健康保険の被扶養者に42万円が支給されるほか、出産のために会社を休む場合、出産日以前42日(双子以上の多胎であれば出産日以前98日)から出産の翌日以後56日までの範囲で、標準報酬日額の3分の2に相当する金額が支給されます。
 

産前産後休業(産休)と育児休業給付

就労する女性が取得する「産前産後休業(産休)」としては、休業前賃金の約67%の出産手当金が支給され、そのまま育児休業を取得する場合には、支給開始後6ヶ月間は休業前賃金の67%、6ヶ月経過後は1歳(一定条件で最大2歳)まで50%が「育児休業給付」として支給されます。
 
男性も雇用保険に加入していれば同様に「育児休業給付」を申請することができ、出産日の当日から取得が可能(女性は産休終了後、つまり出産日の翌日から)で、1日だけでも取得することができます。
 

児童手当

子どもが生まれてすぐ受け取ることができる「児童手当」は、3歳未満が1万5000円、3歳から小学校修了までは第1子、第2子が1万円、第3子以降は1万5000円、中学生は一律1万円です。なお、所得制限限度額が設定されており、基準額を超えると児童1人あたり月額一律5000円となります。
 

収入が減らない育休のタイミングもある

育休期間は「育児休業基本給付金」がもらえることを知っている人は多いですが、実際に男性が取得する場合、申請手続きの煩雑さを考えると、数日間であれば育休ではなく年次有給休暇を使うことがほとんどではないでしょうか。
 
ところが、育休と年休では社会保険の取り扱いが異なり、育休を使えばタイミングによってはさほど手取りが減らずに済むばかりか、増えるということも起こり得ます。
 
育児休業を取得すると、「育児休業等を開始した日が含まれる月から、終了した日の翌日が含まれる月の前月までの期間」が、原則として健康保険料(40歳以上は介護保険料も含む)、厚生年金保険料といった社会保険料が免除されると定められており、これは本人だけでなく、折半している会社負担も免除になります。
 
そのため、短期間の育休を取得する場合は、月末に育児休業をとるかどうかで社会保険料が免除されるかどうかが変わります。
 
たとえば、3月1日から3月7日まで育休を取得すると、取得した日は3月1日なので、3月分から社会保険料の免除開始となりますが、終了した日の翌日は3月8日で、免除終了は前月の2月分までなので免除されません。
 
それに対し、月末に取得した場合は、終了日の翌日が次の月ならば、前月分の保険料は免除されることになります(月末が日曜日など休日の場合は該当せず)。
 
しかも、ボーナスが支給される月に育児休業を取得すれば、ボーナスにかかる社会保険料も併せて免除になり、人によってはかなりの額でしょう。
 
なお、社会保険料の免除期間は将来の年金額には反映されず、受け取る年金額が減るということもありません。
 
もちろん、お金のことだけ考えて育休をとるのは本末転倒ですが、日数やタイミングによっては、収入が減らないばかりか、むしろ手取り額が増えるということもあり得ることを知っておいてもいいと思います。
 

今後は「育児休業給付金」給付率が80%になるかも?

また2020年2月8日には、政府が「育児休業給付金」の給付率を休業前賃金の80%に引き上げる方向で検討していると報道されました。
 
もし実現されれば、給付金は非課税で社会保険料や雇用保険料が免除されるため、実質的に育休前の手取り月収とほぼ同額が支給されることになります。
 
今回は、男性の育児休業について考えてみましたがいかがでしょうか。
 
「男性が育休をとることで給与が減ってしまう」と必要以上に不安に思わず、まずはしっかりと情報収集をしてみましょう。最近はシミュレーションサイトなどもありますので、実際の金額を把握してから今後の計画を立てることもできます。
 
せっかく忙しい仕事を調整して休みを取るのですから、妻としっかり話し合いながら、男性側が主体的に考えてみてはいかがでしょうか。そしてこれを機会に、将来に向けて今後も夫婦でお金の計画を立てていくことができるといいですね。
 
[引用・参考]
厚生労働省「育児・介護休業法について」
厚生労働省「平成 30 年度雇用均等基本調査」の結果概要
コネヒト株式会社「夫が育休を取得した508名のママ調査から見えた「とるだけ育休」の実態と育休の「7つの法則」―男性育休義務化の流れの中、「育休の質」に焦点―」
しゅふJOB総合研究所「【働く主婦は、男性の育休義務化をどう思っているのか?】「義務化すべき」52.3%、「義務化すべきと思わない」27.7%。一方、年代や家庭収入に関わる立場の違いで傾向に差」
厚生労働省「Q&A~育児休業給付~」
厚生労働省「育児休業や介護休業をする方を経済的に支援します」
 
[参考]
産経新聞2020.2.8 「育休給付金、給与の80%へ引き上げ 男性取得推進へ検討」
 
執筆者:藤丸史果
ファイナンシャルプランナー
 


 

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