更新日: 2020.02.22 その他
いよいよ7月から始まるレジ袋有料化。マイバッグは普及するのか?
執筆者:上野慎一(うえのしんいち)
AFP認定者,宅地建物取引士
不動産コンサルティングマスター,再開発プランナー
横浜市出身。1981年早稲田大学政治経済学部卒業後、大手不動産会社に勤務。2015年早期退職。自身の経験をベースにしながら、資産運用・リタイアメント・セカンドライフなどのテーマに取り組んでいます。「人生は片道きっぷの旅のようなもの」をモットーに、折々に出掛けるお城巡りや居酒屋巡りの旅が楽しみです。
レジ袋有料化のポイントとは?
レジ袋有料化について、当初は今年4月からともいわれましたが、切り替えの諸準備や周知期間などに配慮する一方、東京オリンピック・パラリンピックで諸外国から多くの来訪者を迎え、世界の注目も集まる時期には間に合わせるという、苦肉の実施タイミングになったようです。
気になる義務化の内容について、ポイントは次のとおりです。
小売業者にとって、例外となるレジ袋や紙袋などへの切り替えとその調達、有料化したことにはならないサービス内容の見直し、従業員研修やレジ改修などの手間は、時間との戦いといえそうです。消費者から見ても、レジ袋対応内容によっては利用するお店を見直すかどうかなどの事態も予想されます。
有料化の目指すもの、そしてマイバッグに対する意識
処分に手間やコストが多くかかり、また河川や海を経由して深刻な海洋汚染を引き起こすプラスチックごみですが、レジ袋だけではなく、ストローなども問題視する声があがっています。ごみの総量を減らし、環境への悪影響を抑制する観点からは、気軽に使っていたものを有料化して“ブレーキをかける”ことには、一定の意味があるのでしょう。
しかし、もっと素直に考えると、買い物の度にレジ袋を使わないで済めばさらに効果的でしょう。それはつまり「マイバッグ」を持参して買い物にいくということです。
楽天インサイト株式会社が実施した「マイバッグに関する調査」(2019年7月5日~8日実施。登録モニター約220万人の中から、全国の20代から60代の男女1000人を対象)の公表結果(※2)によると、普段買い物をする際のレジ袋/マイバッグの利用率は店の種類によってもまちまちです。
[レジ袋利用] [マイバッグ利用]
<レジ袋利用の上位>
・コンビニエンスストア 85.5% 10.9%
・衣料品店 81.3% 7.0%
<マイバッグ利用の上位>
・スーパー 44.7% 71.5%
・ドラッグストア 77.4% 22.8%
また、マイバッグを使う人/使わない人の各理由の上位は次のとおりでした。
<使う人>
・レジ袋が有料だから 63.9%
・環境にやさしいから 37.2%
・値引きされるから 31.0%
・ポイントがもらえるから 28.6%
<使わない人>
・レジ袋を無料でもらえるから 63.8%
・レジ袋は、家庭等で有効活用しているから 33.9%
(男女別では、男性27.5%、女性40.3%)
・マイバッグの持参が面倒だから 32.4%
(男女別では、男性42.7%、女性21.9%)
マイバッグを使わない人の一番の理由は「レジ袋を無料でもらえるから」です。その次の理由が、女性は「レジ袋は、家庭等で有効活用しているから」、男性は「マイバッグの持参が面倒だから」と、男女ではっきりと分かれている点が目につく結果でした。
まとめ
レジ袋の有料化によって、マイバッグをこれまで使っていない人の最大の理由(動機)がなくなります。とはいえ、すでにかなりの店で先行導入されている有料価格の多くは1枚数円程度です。
レジ袋をわざわざ買ってまで「家庭等で有効活用すること」はやめてマイバッグに切り替えるケース、そしてレジ袋が有料になるのであれば「面倒でもマイバッグを持参する」ケースは、どのくらい増えていくのでしょうか。
プラスチックごみの増大に歯止めをかけて環境汚染を抑制するためには、マイバッグを持ち歩くのが当たりまえのような社会になるのが大きな流れなのかもしれませんね。
出典:(※1)経済産業省「来年7月から全国一律でプラスチック製買物袋の有料化がスタートします」(2019年12月27日)
(※2)楽天インサイト株式会社「マイバッグに関する調査」
執筆者:上野慎一
AFP認定者,宅地建物取引士