片づけの美学32 「捨てるのがもったいない」とたまっていくモノをいかす、使って減らす暮らしのスタイル
配信日: 2018.11.10 更新日: 2019.01.10
とりあえず家に置いておくけれど、使う機会もなく気づけばすごい量になっている。よく片づけの悩みで耳にすることです。捨てづらいモノは、消費することで減らしていきましょう。使って減らす暮らしのスタイルをお伝えします。
Text:奥野愉加子(おくの ゆかこ)
美学のある暮らし 代表
整理収納アドバイザー認定講師。(photo:キャラバンサライ)
奈良生まれ。大学では生活環境学部にて建築やインテリアを学び、英国インターンや建築設計会社勤務を経て、2011年より愛知県で結婚生活をスタート。長男出産後、夫の赴任で2年間のドイツ生活を経験。帰国後の現在は建築家デザインの家で暮らす、5歳と2歳の男児の母。子育てがひと段落したら、建築や暮らしに関連するような仕事をしたいと考え、「一般社団法人ハウスキーピング協会」の整理収納アドバイザーの資格を取得。認定講師として資格取得のための講座を定期的に主催している。
<美学のある暮らし>
増やさない努力も大切
減らす暮らしを始める前にやるべきことがあります。それは、これ以上増やさないことです。増やさないことを習慣にしなくてはなりません。方法はとても簡単で、ただ断ればいいのです。レジ袋や紙袋をもらう代わりにエコバッグを持ち歩きましょう。
増やさない努力をしてから、消費する努力を始めましょう。
増えていくモノを知る
どんどん使っていく暮らしのスタイルのために、ご自分の傾向を知ることは大切です。
あなたの増えていくモノは何でしょうか。コンビニでよく買い物をする方はレジ袋でしょうし、お洋服をよく買う方やデパートを使う方は紙袋が貯まるでしょう。自分がどんなものを貯めがちで、どんなものを捨てられないと思っているかをよく観察しましょう。
増えていくモノは1ヶ所での管理が鉄則
モノの保管で大切なことは1ヶ所にまとめることです。それは大切なモノであっても、なんとなくたまっていくレジ袋なんかであっても同じことです。バラバラに置いていては全体でどれくらいの量があるのか分からなくなります。
保管場所を決める時に、自分が持てる最大量もいっしょに決めておくと増えすぎて困ることがなくなります。「この大きさのケースに入る分だけ」のように決めてしまいましょう。この場所決めやサイズは、暫定としましょう。とりあえず使ってみて、不便だったり、足りなかったりしたら、その都度修正してくださいね。
レジ袋の収納方法と消費の仕方
レジ袋が家の中であふれている場合、収納方法でずいぶんコンパクトにすることができます。一旦使ったレジ袋は膨らんでいて場所を取ります。収納するときは空気を抜いて小さくしましょう。余裕のある方は三角の形に折りたたんだりしていますね。
そこまでできなくても、なんどか折りたたんだり、ゆるく結んだりするだけでもずいぶん省スペースになります。収納場所はできればボックスではなく、中身の量で融通が利く布袋がおすすめです。上から入れて、下から抜き出せるレジ袋用の便利グッズも売られていますよ。
レジ袋の消費は、ゴミ出しに使うのがぴったりです。燃やすゴミの指定ゴミ袋は、半透明なことが一般的です。一軒家でゴミを自宅前に出すルールの地域では、個人が特定されることもあり、ゴミの中身の見え方に気を使うことが多いと思います。そんな時、白色など中身が透けないレジ袋はとても役立ちます。ちょっと恥ずかしいゴミも個人情報だって外から見える心配がありません。
ゴミをまとめる時にしっかり結べばゴミの臭いが漏れにくくなるので、指定ゴミ袋に直接ゴミを入れるよりも臭いに関する不快感を減らすことができます。ゴミ出しの時にレジ袋を数枚ずつ使っていけば、いつのまにかストックは減っていくはずです。
紙袋の収納方法と消費の仕方
紙袋が多い場合、収納場所をコンパクトにしましょう。できれば、膨れあがる余裕のない場所、例えば家具と壁の隙間のようなところが理想です。その隙間に入る分だけと決めると量は増えません。入らなくなれば、どれかを処分するというルールを徹底させましょう。
消費方法は、アイデア次第です。おすすめはモノの分類に使うことです。中身がわかるようにメモを書いておくと便利です。私は押入れの整理や衣替えの小分けに使っています。どこに使おうかと考えてみると、楽しい作業になるかもしれません。
紙袋を活用する工夫や考えることを面倒に感じる場合は、割り切って処分しましょう。または、ゴミ袋として使い消費するのもいいと思います。
まとめ
もったいなくて捨てづらいモノを、積極的に使い減らしていくと、家がスッキリするだけでなく、自然と気持ちまで晴ればれしてきます。
モノを使い切ったという感覚がそうさせるのかもしれません。
使って減らす暮らしで、気分まで変えていきましょう。小さな変化が、生活を大きく変えるきっかけになるかもしれません。
Text:奥野 愉加子(おくの ゆかこ)
美学のある暮らし 代表