更新日: 2019.08.29 その他
こんな会社はご用心!一度でも給与の支払いが遅れたら警戒
本来はあってはならない給料の遅配ですが、万が一あった場合どう考え、自分の家計を守ればいいでしょうか。
執筆者:塚越菜々子(つかごし ななこ)
CFP(R)認定者
1級ファイナンシャル・プランニング技能士
お金の不安を賢く手放す!/働くママのお金の教養講座/『ママスマ・マネープログラム』主催
お金を貯める努力をするのではなく『お金が貯まる仕組み』づくりのサポート。保険や金融商品の販売を一切せず、働くママの家計に特化した相談業務を行っている。「お金だけを理由に、ママが自分の夢をあきらめることのない社会」の実現に向け、難しい知識ではなく、身近なお金のことをわかりやすく解説。税理士事務所出身の経験を活かし、ママ起業家の税務や経理についても支援している。
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給料の遅配は倒産へのカウントダウン
大きな会社に勤めている方は想像がつかないことが多いかもしれませんが、小さい会社で社長の顔が見えたり、お給料を直接社長からもらうような小さな規模の会社の場合、「1週間待ってくれないか」など言われ給料が遅配するということは意外に少なくありません。
しかし、給料の遅配というのは会社の経営が黄色信号から限りなく赤信号に近づいている証拠です。
払うべき給料を支払うお金がなく遅らせるということは、自転車操業状態になっているのです。取引先からの売り上げが入らなくなり、支払いができなくなれば直ちに倒産。それを従業員への支払いを遅らせることで何とか保っているのかもしれません。
一度でも遅配したら早めに退職を検討
給料の遅配が始まると、倒産が近づいています。すぐにでも転職をおすすめします。しかしそこで家計に貯金がまったくなかったり、転職するときに有利となる経験や資格がないと、「転職するより遅れ遅れでも給料がもらえていれば・・・」と思ってしまいがちです。
また、支払いが苦しいことは社員から見てもわかるし、社長も苦心しているのが分かる。頭を下げられたら「わかりました」と言わざるを得ない。そんな状況が続いていくと、もらっている側も「1週間後にはもらえるからいいか」と感覚がマヒしていくということがあります。
ですが、先に述べたように、給料の遅配は会社の倒産へのカウントダウン。倒産してしまえばたちまち無職になってしまいます。
手遅れになる前に事実の把握と家計にゆとりを作っておくこと
給料の遅配に関しては、お近くの労働基準監督署や労働センターにあらかじめ問い合わせ、どういった対策をしておけばいいのか聞いておきましょう。
また、家計側としては「給料の遅配は当たり前ではない」と認識し、自分で身を守るためにもすぐ使える現金預金のゆとりを持たせておくこと。給料の遅配があったからローンが払えません、では大変です。
万が一スムーズに転職が進まなかった場合、焦りのあまり条件の悪いところでやむを得ず働くことにならないように、余裕をもって進められる準備をしましょう。
知識を得て自分と家族を守りましょう
給料は遅れているけど倒産しているわけではない。長く働いてきた恩義もある。そんなことから、何もできないまま倒産を待つということの無いように、先に知識を身につけておくべきです。
法令違反は許さない。正当な権利として働いた対価としての給与は請求しなければいけません。
いますぐに未払い請求をすることが難しくても、知識を得るという準備はいつからでもできます。自分と家族を守るために、賢い労働者でいられるといいですね。
Text:塚越 菜々子(つかごし ななこ)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者
お金の不安を賢く手放す!/働くママのお金の教養講座/『ママスマ・マネープログラム』主催