更新日: 2019.08.13 その他

不当な取引の被害にあってしまったけど弁護士費用を考えると……泣き寝入りしかないの?

不当な取引の被害にあってしまったけど弁護士費用を考えると……泣き寝入りしかないの?
途中解約したのに帰ってくるはずのお金が返ってこない、不当な取引で損をしてしまった、訴えたいけれど弁護士費用のほうが高くなってしまう……こういった場合、泣き寝入りしないといけないのでしょうか?
 
ちょっと待ってください。同様の被害を受けている方がいるかもしれませんよ。内閣総理大臣が認定した消費者団体が、消費者に代わって事業者に対して訴訟等をできる制度「消費者団体訴訟制度」があります。
 
林智慮

執筆者:林智慮(はやし ちりよ)

CFP(R)認定者

相続診断士 
終活カウンセラー 
確定拠出年金相談ねっと認定FP
大学(工学部)卒業後、橋梁設計の会社で設計業務に携わる。結婚で専業主婦となるが夫の独立を機に経理・総務に転身。事業と家庭のファイナンシャル・プランナーとなる。コーチング資格も習得し、金銭面だけでなく心の面からも「幸せに生きる」サポートをしている。4人の子の母。保険や金融商品を売らない独立系ファイナンシャル・プランナー。

消費者団体訴訟制度は「差止請求」と「被害回復」の2つ

消費者被害にあってしまった時、個人で対応するのは難しい場合があります。
 
消費者団体訴訟制度とは、内閣総理大臣が認定した消費者団体が、消費者に代わって訴訟等をすることで、後を絶たない不当な勧誘や契約による消費者トラブルを未然に防いだり、拡大を防いだり、被害を回復する制度です。
 
(1)消費者個人と事業者では、情報の質や量、そして交渉力に格差があること。
(2)訴訟には時間や費用、労力がかかり、少額の被害の場合はそれらの負担の方が大きくなってしまうこと。
(3)個別でトラブルを解決しても、同様のトラブルがなくなるわけではないこと。

などの理由から、定められた制度です。
 
この制度には「差止請求」と「被害回復」があります。
 

おすすめ関連記事

【PR】おすすめの住宅ローン

auじぶん銀行

au-bank
おすすめポイント

・がん診断保障に全疾病保障を追加
・住宅ローン人気ランキングNo.1!

変動
0.179 %

※住宅ローン金利優遇割最大適用後の変動金利(全期間引き下げプラン)
※新規借入れ
当初10年固定
%

※当初期間引下げプラン
当初20年固定
%

※当初期間引下げプラン
詳しくはこちら

【auじぶん銀行の注意事項】
※金利プランは「当初期間引下げプラン」「全期間引下げプラン」の2種類からお選びいただけます。
ただし、審査の結果保証会社をご利用いただく場合は「保証付金利プラン」となり、金利タイプをご選択いただけません。

※固定金利特約は2年、3年、5年、10年、15年、20年、30年、35年からお選びいただけます(保証付金利プランとなる場合は、3年、5年、10年に限定されます)。
金利タイプを組合わせてお借入れいただくことができるミックス(金利タイプ数2本)もご用意しています。 お申込みの際にご決定いただきます。

※ただし、審査の結果金利プランが保証付金利プランとなる場合、ミックスはご利用いただけません。

※審査の結果によっては保証付金利プランとなる場合があり、この場合には上記の金利とは異なる金利となります。金利プランが保証付金利プランとなる場合は、固定金利特約が3年、5年、10年に限定されます

・変動金利について
※2024年7月現在・本金利プランに住宅ローン金利優遇割を最大適用した金利です。
※J:COM NET優遇割・J:COM TV優遇割は戸建のみ対象
※ J:COM NET優遇割、J:COM TV優遇割、コミュファ光優遇割は適用条件充足後、3ヶ月後から適用開始となります。

「差止請求」って何?どんな時が対象になる?

「差止請求」とは、内閣総理大臣が認定した適格消費団体が事業者の不当な行為に対し、不特定多数の消費者の利益を守るために、差し止めを求めることができる制度です。
 
適格消費者団体とは、内閣総理大臣が差し止め請求を行うのに必要な適格性を有するとして認定した消費者団体です(2019年7月15日現在 全国に21カ所)。
 
認定を受けるには、
・特定非営利活動法人、一般社団法人、一般財団法人であること。
・不特定多数の消費者の利益も庇護を図るための活動を主たる目的として、現にその活動を相当期間にわたり継続して適正に行っていること。
・差し止め請求のための組織体制や業務規定を適切に整備していること。
・消費生活及び法律の専門家を確保していること。
・経理的基盤を有すること。

などの要件を満たしている必要があります。
 
差止請求は、事業者が不特定多数の消費者に対して、ウソを言うなどの不当な勧誘、キャンセルできない等とする不当な契約条項、実際より優れているかのような不当な表示など、「消費者契約法」・「景品表示法」・「特定商取引法」・「食品表示法」に違反する不当な行為を行っている、または、行う恐れがある場合が対象になります。
 
個別に解決したけれど同様のトラブルを防ぎたい場合、不当な表示を見つけた場合は、適格消費者団体に相談しましょう。
 

おすすめ関連記事

「被害回復」って何? どんな時が対象になる?

「被害回復」とは、内閣総理大臣が認定した特定適格消費団体が、多数の消費者が受けた財産的被害を、訴訟を通じて集団的被害の回復を求めることができる制度です。
 
特定適格消費者団体とは、内閣総理大臣が、被害回復手続きを行うのに必要な適格性を有するとして認定した消費者団体です。適格消費団体の要件を満たし、さらに以下の要件を満たしていることが必要です(2019年7月15日現在 全国で3ヶ所)。
 
・差止請求関係業務を相当期間にわたり継続して適正に行っていること。
・被害回復のための組織体制や業務規程を適切に整備していること。
・理事に弁護士を専任していること。

など。
 
消費者と事業者との契約で、被害を受けた消費者から事業者に対して一定の金額の支払い請求権が生じるものが対象です(慰謝料や治療費は対象外)。
 
例えば、未公開株で詐欺にあってしまった、マンションの耐震偽装が発覚したのに業者が取り合ってくれない、英会話教室を中途解約したのに返金されない等、被害を受けた消費者に代わって、特定適格消費団体が被害回復裁判手続きを行い、事業者から被害金額を取り戻します(被害回復には、裁判費用や特定適格消費者団体に報酬を支払う必要があります)。
 
消費者から被害回復の相談があり、同様の消費者被害が多数発生している場合は、特定適格消費者団体が訴訟の提起をして「事業者の金銭支払い義務の確認」をします。
 
確認ができたら、被害にあった消費者へ裁判手続きの参加を呼びかけます。すでに特定適格消費者団体に相談済みの場合は、団体から通知があります。
 
団体に相談していない場合は通知が来ませんが、インターネット等で同じ被害を受けた消費者に参加を促しますので、団体に連絡することで手続きに参加できます。参加者が決まると「被害を受けた消費者の債権額の確定」をします。誰にいくら払うのか確定され、その後消費者へ支払われます。
 
被害にあったら、まず、消費者ホットライン188へ。消費者センターに相談したけれど私1人では動けない……そんな時は、特定適格消費者団体に相談してみましょう。
 
<引用>
消費者庁「守ります。あなたの財産 消費者団体訴訟制度」
 
<参照>
消費者庁「消費者団体訴訟制度とは」
消費者庁「適格消費者団体」
消費者庁「特定適格消費者団体」
 
執筆者:林智慮
CFP(R)認定者
 

ライターさん募集