更新日: 2020.03.14 その他
コロナウイルスの影響で、私たちの暮らしはどうなるの?
執筆者:下中英恵(したなかはなえ)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者
“東京都出身。2008年慶應義塾大学商学部卒業後、三菱UFJメリルリンチPB証券株式会社に入社。
富裕層向け資産運用業務に従事した後、米国ボストンにおいて、ファイナンシャルプランナーとして活動。現在は日本東京において、資産運用・保険・税制等、多様なテーマについて、金融記事の執筆活動を行っています
http://fp.shitanaka.com/”
コロナウイルスが経済に与える影響とは?
2020年になってから、中国を中心に、世界中に広がりつつあるコロナウイルスは、肺炎などの健康被害をもたらし、最悪の場合、感染者が死亡してしまいます。コロナウイルスの話題は、毎日のようにニュースをにぎわせており、不安に感じている方も多いのではないでしょうか。
実際のところ、コロナウイルスのような、強い感染力を持つ病気が世界的に流行してしまうと、経済にも大きな影響を与えます。
例えば、これ以上の感染を防ぐために、中国を中心に、多くの企業や工場が一時的に閉鎖され、営業ができない状態が続いています。中国に工場があったり、中国が生産している部品を使って商品を生産している日本企業では、一部休業しているところも出てきています。
日本国内では、感染拡大を防ぐために、リモートワークに切り替えるなど対応している企業もありますが、業務内容が制限されてしまうので、売り上げに影響を与えてしまうことも考えられます。
さらに、たくさんの人が集まる観光地や温泉宿もダメージを受けています。人混みを避けるために、レジャーに出かけない人も増えており、今後も観光事業の業績悪化が予想されています。
東京商工リサーチが行った上場企業の「新型コロナウイルス影響調査」(2月28日現在)(※)によると、「決算短信」や「業績予想の修正」、「お知らせ」など、新型コロナウイルス関連の影響や対応について情報開示した上場企業は337社となっています。
そして、従業員の新型コロナウイルス感染が判明した上場企業は、2月末時点で6社(国内での従業員感染が5社、国外での現地法人従業員感染が1社)となっており、従業員に感染者が出た場合、会社の消毒や、濃厚接触者の自宅待機など、会社はさまざまな対応をしなければなりません。
コロナウイルス 治療費はかかる?
経済だけではなく、万が一コロナウイルスに感染してしまった場合、その治療費について気になっている方もいるかもしれません。コロナウイルスは、ウイルスが体からいなくなるまで根治する必要がありますが、状態によっては、入院期間が2週間以上など、長期化する可能性があります。
厚生労働省では、「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」に基づき、コロナウイルスの感染者などの入院措置や、それに伴う医療費は、原則として、公費で負担してくれることとなっています。
コロナウイルスに感染していたり、感染の疑いがある場合は、家族や周りの人に被害を広げないようにするために、一定期間の隔離が必要です。
隔離措置や入院などをしなければならない方は、精神的な不安が大きいとは思いますが、公費なので、経済的な心配は軽減されますね。まずは、しっかりと自分の体を治すことに集中することが大切です。
突然現れたコロナウイルスは、健康被害だけではなく、世界経済や私たちの働き方に大きな影響を与えています。このような非常事態に備えて、普段からきちんと貯金をして、会社が休業してしまい業績が悪化した場合や、働けなくなってしまった場合に備えておくことは大切です。
引き続き、不安な毎日を送っている方も多いと思いますが、まずは国や医療機関が発表する内容や、経済ニュースにアンテナをはり、正しい最新情報をチェックするようしていきましょう。
[出典](※)株式会社東京商工リサーチ 上場企業「新型コロナウィルス影響」調査(2月28日現在)
執筆者:下中英恵
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者