公開日: 2019.12.19 暮らし

2020年4月から始まる大学無償化。不足が見込まれる場合に、利用できる奨学金制度とは?

教育無償化の一つである大学無償化(高等教育の修学支援新制度)が2020年4月からスタートします。この制度は、学生の生計維持者である親の所得によって、支援を受けられる金額が変わるという特徴があります。そのため、前年の所得によっては想定していた奨学金を受け取れないこともあり得ます。
 
そこで、今回は予定していた金額の支援を受けられず、不足が見込まれる場合に利用できる奨学金制度について解説します。
 
横山琢哉

執筆者:

執筆者:横山琢哉(よこやま たくや)

ファイナンシャルプランナー(日本FP協会 AFP認定者)
フリーランスライター

保険を得意ジャンルとするFP・フリーライター。
代理店時代、医療保険不要論に悩まされた結果、1本も保険を売らずに1年で辞めた経験を持つ。
FPとして、中立公正な立場から保険選びをサポートしています。

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横山琢哉

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執筆者:横山琢哉(よこやま たくや)

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支援対象者にあたるかどうかの判断基準

大学無償化の対象となるのは「住民税非課税世帯およびそれに準ずる世帯の学生」です。申込資格と「学力基準」・「家計基準(収入基準と資産基準)」の両方を満たしていることが必要となります。
 
支援を受けられる金額に影響するのはこのうちの「収入基準」で、第1区分から第3区分まであります。各区分の支援額と該当する基準は以下のとおりです。
 
第1区分(満額):学生本人と生計維持者(原則父母2名)の市町村民税所得割が非課税であること
第2区分(満額の3分の2):生計維持者の支給額算定基準額の合計が100円以上2万5600円未満であること
第3区分(満額の3分の1):生計維持者の支給額算定基準額の合計が2万5600円以上5万1300円未満であること
 
「支給額算定基準額」とは「市町村民税の所得割の課税標準額×6%-(調整控除の額+税額調整額)」という算式で求めますが、この説明だけで理解できる方はほとんどいないでしょう。
 
そこで、奨学金の受付を行う日本学生支援機構(JASSO)のウェブサイトでは年収の目安を掲載しています。それを抜粋したものが以下の表です(申込者が高校生等で、親の所得が給与所得のみの場合)。
 

日本学生支援機構のウェブサイトに掲載されているデータを元に筆者作成
 
なお、年収の目安は住宅ローン控除を受けているかどうかや障がい者の有無など、他の条件によっても異なります。あくまで目安としてご利用ください。
 
どの区分に該当するかは、日本学生支援機構のホームページに用意されている「進学資金シミュレーター」でも大まかに調べることができます。それでもはっきりしない場合は日本学生支援機構に問い合わせて確認しましょう。
 

支援を受けても足りない場合、不足分はどう準備する?

授業料・入学金の減免や給付型奨学金を利用しても進学費用が足りない場合は、他の奨学金制度を併用することもできます。奨学金制度は数多くありますが、ここではそのうち代表的なものを紹介します。

日本学生支援機構の貸与型奨学金

日本学生支援機構の奨学金は「給付型」と「貸与型」の2種類があります。給付型は以上で解説してきたものですが、貸与型も併用することができます。貸与型奨学金は、無利子の第一種奨学金と有利子の第二種奨学金がありますが、第一種奨学金を給付型奨学金と併用する場合は月額が制限されます。

国の教育ローン

日本政策金融公庫が取り扱う教育一般貸付(国の教育ローン)は、日本学生支援機構の奨学金と併用することができます。受験前でも申込みが可能で、世帯年収が200万円(事業所得者の場合は122万円)以内等、家庭の状況に応じて金利や返済期間などの優遇を受けることができます。

大学の奨学金

各大学は独自の奨学金制度を設けていることが多いです。給付・貸与の別、支給基準や奨学金の金額など内容はそれぞれ違うので、詳細は各大学のウェブサイトを参照したり、問い合わせたりして確認してください。
 
なお、日本学生支援機構のウェブサイトからも検索することができます。サイト内のメニューにある「JASSO以外の奨学金情報」のページでは詳細な条件を入力して絞り込むことができて便利なので、他の奨学金を検討する場合はこちらを利用するのもおすすめです。

その他の奨学金

以上のほか、自治体や民間団体が設けている奨学金制度もあります。こちらも日本学生支援機構のウェブサイトから探すのが便利です(2019年7月19日現在で955団体が掲載されています)。ただし、これらは他の奨学金との併用を認めていないことがあるので注意してください。
 

まとめ

日本学生支援機構が行った「平成29年度 奨学金の返還者に関する属性調査結果」によると、3ヶ月以上の延滞をした人のうち合計49.1%が、申し込み前に返還義務のあることを知らなかったとのことです。
 
そのため、貸与型の奨学金を利用する場合はくれぐれも、卒業後に返済が必要であることをきちんと本人に確認しましょう。また、数年後の利用を予定している場合は想定どおりの金額を受け取れないことも考え、少しでも貯蓄をして、なるべく他の奨学金に頼らないようにすることも大事です。
 
出典
【高校生等対象】申込資格・選考基準(独立行政法人日本学生支援機構)
平成29年度 奨学金の返還者に関する属性調査結果【概要】(独立行政法人日本学生支援機構)
 
執筆者:横山琢哉
ファイナンシャルプランナー(日本FP協会 AFP認定者)
フリーランスライター

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