公開日: 2019.11.21 暮らし

滞納するとどうなる?マンション管理費の恐怖

東京オリンピック・パラリンピック大会が、いよいよあと1年足らずで開催されますね。大会の選手村が建設されるのは、東京都中央区晴海です。選手村は都営地下鉄大江戸線の勝どき駅から徒歩圏にあります。地下鉄大江戸線には築地市場駅もあるので、選手たちはつかの間の休息日においしいお寿司を楽しむかもしれませんね。
 
この選手村は大会終了後に解体され、跡地には分譲タワーマンションが建設される予定です。建設予定のマンションの内覧会について報道されているのを見て、筆者は「このタワーマンションの管理費は高いのだろうな」などと考えてしまいました。
 
ところで、もし分譲マンションの管理費を滞納したらどうなるか、ご存じですか? なんと! 専有部分を競売されてしまうこともあるのです。
 
石井美和

執筆者:

執筆者:石井美和(いしい みわ)

中央大学法学部法律学科卒業。
20年に渡り司法書士・行政書士事務所を経営し、不動産登記・法人登記・民事法務・許認可などに携わる。また、保険代理店を併設。なお、宅建士、マンション管理士など複数の資格を保有。

石井美和

執筆者:

執筆者:石井美和(いしい みわ)

中央大学法学部法律学科卒業。
20年に渡り司法書士・行政書士事務所を経営し、不動産登記・法人登記・民事法務・許認可などに携わる。また、保険代理店を併設。なお、宅建士、マンション管理士など複数の資格を保有。

なぜ分譲マンションの所有者は管理費を払わなければいけないの?

いわゆる分譲マンション(以下、「区分所有建物」という)の所有者が、管理費を支払わなければいけない理由をご存じですか?
 
区分所有建物に関しては、建物の区分所有等に関する法律(以下「区分所有法」という)や民法などに規定されています。
 
この区分所有法によると、区分所有建物は単独所有の対象である専有部分(105号室など、壁で区切られた各世帯)と共用部分に分かれます。共用部分とは、エレベーター・玄関ホール・ゴミ集積室など専有部分の所有者(以下「区分所有者」という)が共同で使用する部分のことです。
 
そして、区分所有者は共用部分の持分を有するので、当然に共用部分の管理費を負担しなければいけません。
 
では、ここでクイズです!次の1と2のどちらが正しいのでしょうか?
1、共用部分の持分は、専有部分の所有者の頭数で決まる
2、共用部分の持分は、専有部分の持分割合による
 
答えは、2です!共用部分の管理費は管理組合が規約で決めます。
 
では、どんな根拠で決めるかというと、100平方メートルの専有部分の所有者が負担する管理費も、50平方メートルの専有部分の所有者が負担する管理費も同様に1万円では不公平ですね? そこで一般的な場合ですが、専有部分の床面積割合で管理費を決めます。
 
「月2万円も管理費を払っているけど、ここはセカンドハウスだから月5000円にしてくれれば良いのに」など、区分所有者の勝手な理屈は通らない、ということです。
 

「管理費滞納」は怖い!

月々3万円の管理費を1年滞らせると36万円になります。もし、滞納を5年続ければ180万円の滞納額ですが、これは区分所有者の債務不履行となります。
 
管理費の債権者である管理組合も、最初は任意の書面で請求するなど緩やかな手段を講じることが多いのですが、滞納が続けば他の区分所有者に不公平ですし、管理に支障をきたす可能性があります。区分所有者の姿勢しだいでは厳しい手段を取らざるをえません。
 
管理組合は支払いを強制する裁判を起こし、強制執行をすることもあるのです。
 
ここでいう強制執行とは、「裁判所の競売手続きにより専有部分と共用部分の持分を強制的に売却する」という意味です。なお、区分所有者が、判決を受けて姿勢を改め、請求に応じれば強制執行にはいたりません。
 
ここで怖いのは、競売価格は一般的に時価よりも低いということです。このような場合ローンを滞納していなくても区分所有者は大損する可能性があります。
 
仮に、360万円の管理費滞納を理由に、ローン残高2000万円(仮に時価が3000万円だったとします)のローンが残っている専有部分が競売されたとしたら、競売価格1000万円で落札されることもあります。このような場合、ローンの大半を残したまま、所有者は専有部分の所有権を失ってしまいます。
 

まとめ ~管理費の負担も忘れずに

いかがでしょうか? 管理費の滞納は非常に怖いですね。今回はお話しませんでしたが、区分所有建物の所有者には、修繕積立金の支払いも課されます。管理費と修繕積立金が、毎月の支出のどの程度をしめているのか、一度、きちんと把握しておくと良いでしょう。
 
執筆者:石井美和
中央大学法学部法律学科卒業。
20年に渡り司法書士・行政書士事務所を経営し、不動産登記・法人登記・民事法務・許認可などに携わる。また、保険代理店を併設。なお、宅建士、マンション管理士など複数の資格を保有。

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