最終更新日: 2019.09.03 公開日: 2018.10.25
暮らし

NPOや国連など人を助ける仕事のお給料事情を覗いてみたら想像以上だった!

執筆者 : 黒岩揺光

難民支援に携わっていた経験から、よく、「貧しい人を助ける仕事って食べていけるの?」と聞かれることが多々あります。
 
結論から言うと、食べていけるどころか、場合によってはメイドさんを雇ってプール付きのマンションに住むこともできます。
 
 
黒岩揺光

執筆者:

執筆者:黒岩揺光(くろいわようこう)

フリーライター

17年で9カ国滞在後、故郷の新潟県南魚沼市に戻り、空き寺で民宿営業中。元国連職員。元毎日新聞記者。

黒岩揺光

執筆者:

執筆者:黒岩揺光(くろいわようこう)

フリーライター

17年で9カ国滞在後、故郷の新潟県南魚沼市に戻り、空き寺で民宿営業中。元国連職員。元毎日新聞記者。

離職率は高い?

確かに、日本のNPOでは、無給でやっている方も多くいますし、給料を頂いていたとしても、手取りで月10万円から15万円のところがほとんどです。中にはバイリンガルで欧米の大学院を出た方が、そういった給料で働いているわけですから、驚きです。
 
ですので、離職率が高いところが多く、長く続けられる方の場合は、実家で暮らしているから家賃がかからなかったり、配偶者が高給取りだったりする場合が多いです。
 
しかし、日本のNPOで経験を積むと、国連で働ける可能性が高くなり、もし国連で就職口を得られれば、給料は一気に上がります。
 

雇用形態は?

国連にはさまざまな雇用形態があり、一番待遇が悪いのが「国連ボランティア」です。ボランティアだから無給だと思われるかもしれませんが、そんなことはありません。手当として、毎月15万円から25万円頂けますし、勤務開始した際にも赴任手当として40万円ほどもらえます。
 
私もアフリカのケニアで国連ボランティアを1年やりましたが、危険地手当が含まれたので、手取りで月30万円近く頂いていました。家賃と食費合わせても月3万円ほどですみましたので、貯蓄できる額は、大手新聞社で働いていたころよりも上でした。
 
国連のHPを見ると、給料が詳細に書かれています。正規職員になると、P2という一番下のランクで基本給が年俸約500万円です(実際はP1というランクが一番下なのですが、そこに属する職員はほとんどいません)。
 
係長・課長クラスだと、700~800万円。部長以上の幹部クラスだと1000万円以上になります。
 

聞き覚えないがない「地域調整給」とは

さらに、これに「地域調整給」が上乗せされます。物価の高いスイスとかだと2倍近く上乗せされ、物価の比較的安いケニアやタイなどでも、1.4倍ほど上乗せされます。住居手当や配偶者手当なども加算されます。
 
国連職員は国際公務員ですので、税金を支払いません。そのため、国連の年金や健康保険料のみ引かれます。私の場合、スイスでP2 で働き、月80万円くらい頂いておりました。
 
ケニアでは死別した前妻がP2でしたので月50万円ほど頂き、私が国連ボランティアで月30万円ほど頂いていたので、プール付きのマンションに暮らし、メイドさんを1日600円で雇えるので週3回来てもらっていました。
 
さらに驚くべき手当があります。教育補助金です。子どもが小学1年生から大学を卒業するまで、勤務地ごとに定められた上限額の75%まで支給されます。
 

国連職員になれるの?

国連職員と聞くと、海外で働くイメージがあるかもしれませんが、日本にもたくさんいます。東京だと地域調整給が約1.7倍なので、係長クラスで月100万円、課長以上で130~140万円というところでしょうか。
 
これに上乗せして、住宅補助が出ます。これは家賃によって支給額が異なりますが、最高で月20~30万円は出ます。私の知り合いの国連職員は六本木ヒルズに暮らしています。
  
「国連職員なんて、そう簡単になれるものではないのではないか?」と思う人もいるかもしれません。しかし今は昔ほど、日本人が国連で働くことが難しいわけではありません。
 
国連内でも中国の存在感が増してきているため、日本政府も対抗意識を燃やして、近年、日本の若者を国連機関へ派遣する「JPO」という事業に力を入れています。
 
外務省のホームページによると、2004年度は、この事業に1012人が受験し、35人だけが合格できましたが、2017年度は363人が受験し59人が合格しました。35歳以下で日本国籍、修士号と関連業務経験が2年以上あり、英語が操れれば、誰でも受験できます。
 

まとめ

日本では「貧しい人を助ける」=「ボランティア」というイメージが強いですが、欧米では知識と経験を要する専門的な仕事という考えが定着しています。
 
欧米の大きなNPOでは、国連ほどではないにしても、日本の倍以上の給料を出すところは珍しくありません。
 
日本にも早くそういう考え方が定着し、貧しい人を救う専門家をたくさん輩出できるといいですね。
 
出典
外務省 国際機関人事センタートップページ>国際機関のしごと>勤務条件・待遇
外務省 国際機関人事センター「JPO派遣制度」
 
Text:黒岩 揺光(くろいわようこう)
フリーライター

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