更新日: 2019.08.30 その他

奥さんの相談【旦那が家にいる=ストレス】だから、離婚したい…こんな理由で離婚は成立するの?しないの?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部 / 監修 : 石垣美帆

奥さんの相談【旦那が家にいる=ストレス】だから、離婚したい…こんな理由で離婚は成立するの?しないの?
厚生労働省によると、2017年の婚姻件数の推計は60万7000件。離婚件数は21万2000件となっています。その理由はさまざまですが、「旦那が家にいることがストレスで離婚したい」というケースも。
中には夫が家にいるだけで、妻が心や体に不調をきたしてしまうほどストレスを感じることもあるようです。
 
Aさんの事例をもとに、このような理由で離婚が成立するかどうかを確かめてみましょう。
 
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

日々の生活における、お金にまつわる消費者の疑問や不安に対する解決策や知識、金融業界の最新トレンドを、解りやすく毎日配信しております。お金に関するコンシェルジェを目指し、快適で、より良い生活のアイディアを提供します。

石垣美帆

監修:石垣美帆(いしがき みほ)

弁護士

中央大学法科大学院卒業後、弁護士登録。原子力損害賠償紛争解決センターでの勤務経験を持つ。「幸せになるお手伝いをする」をモットーに日々邁進中。お客様のご相談を受けるに際し、「共感力」を大切にしています。

「何もしないのに家事に口を出す夫がストレス…」主婦のAさんの場合

専業主婦のAさんは結婚して5年目。小さな子どもが2人います。
 
Aさんの旦那さんは大手企業に勤めており、帰りも遅いため、家事はすべてAさんが担っていました。育児と家事で毎日てんてこ舞いですが、子どもと過ごす時間は楽しいといいます。
 
ある日、旦那さんが長期休みで一日中家にいることになりました。Aさんは普段通り家事を進めますが、旦那さんがいちいち口を出してきます。
 
「~~はこうしたら?」「なんで、これを先にやらないの?」
 
自分は何もしないのに口を挟む旦那さんに、Aさんはイライラしました。Aさんはこの時から旦那さんにストレスを感じるようになったそうです。
 
普段は22時過ぎに帰ってくる旦那さんが20時に帰ってくると憂鬱な気持ちになり、帰宅後ソファーに座りながら、家事に口を出すことに腹を立てました。気が付けば、Aさんは「旦那が家にいる=ストレス」になったといいます。Aさんは旦那さんが定年退職した後、毎日家にいることを想像すると寒気がしました。
 
Aさんは日々の積み重ねで、「離婚しよう」と決心しました。旦那さんにそれを伝えると、旦那さんは突然のことにひどく動揺したそうです。旦那さんは「浮気やDVをしたわけでもないのに…!」と、離婚に応じない姿勢です。
 
*物語はフィクションです

「旦那が家にいることがストレス」という理由で離婚することは可能なのでしょうか。東京桜橋法律事務所の石垣美帆弁護士にお伺いしました。

上記の程度の理由では、離婚できないと思います。
 
離婚事由には「不貞行為」「悪意の遺棄」「精神障害」「生死3年不明」「婚姻を継続し難い重大な事由」の5つがあります。
 
今回のケースでは、「婚姻を継続し難い重大な事由」にあたるかがポイントになりますが、この「重大な事由」は暴言やDV、金銭トラブルなど、第三者から見ても「重大」と判断されるものでないと難しいと考えられます。
 
Aさん夫婦の場合は夫に特に問題がないため、「婚姻を継続し難い重大な事由」とは言い難いのではないでしょうか。
 
今回のケースでは、まずは別居するのが妥当です。別居のまま数年経ち、お互い結婚生活に戻るのが難しいとなれば、「婚姻関係の破綻」として離婚することが可能になります。
 
ちなみに、不貞行為を除くと、ほとんどがこの「婚姻を継続し難い重大な事由」によって離婚しています。※悪意の遺棄、精神障害、生死3年不明などは当てはまることがほぼないため。
 

「旦那が家にいることがストレス」という理由で離婚することは難しい。夫婦でカウンセリングもおすすめ

「旦那が家にいることがストレス」という理由で、離婚することは難しいということがわかりました。ただし、別居をするなど、段階を踏むことで離婚が可能になることもあるようです。
 
夫が定年退職し、一日中家にいるようになると、妻はストレスを感じることが多いと聞きます。特に、それまで仕事一筋だったり、無趣味な夫は、妻を束縛する傾向があります。
 
小さなことでもあれこれと指摘したり、要望が多いと相手はストレスに感じます。男性は、その点を理解する必要がありますね。また、夫が昼間、外で自分だけの活動を見つけることが最終的な解決策になることもあるでしょう。
 
夫が妻の言葉にまるで耳を貸すことがない場合、カウンセリングを夫婦共に受診し、専門家からのアドバイスを受けるのも良いと思います。
 
出典: 厚生労働省「平成 29 年(2017)人口動態統計の年間推計」
 
Text:FINANCIAL FIELD編集部
 
監修:石垣 美帆(いしがき みほ)
弁護士
中央大学法科大学院卒業後、弁護士登録。原子力損害賠償紛争解決センターでの勤務経験を持つ。「幸せになるお手伝いをする」をモットーに日々邁進中。お客様のご相談を受けるに際し、「共感力」を大切にしています。
 


 

ライターさん募集