更新日: 2019.01.10 医療保険

先進医療の今。毎月150円以下で入れる先進医療保険!いつのまにか先進医療の対象から外れている治療があるかも。

執筆者 : 大泉稔

先進医療の今。毎月150円以下で入れる先進医療保険!いつのまにか先進医療の対象から外れている治療があるかも。
5年くらい前でしょうか?(民間の)医療保険のCMと言えば、「先進医療も1000万円まで保障!」というフレーズが定番だったように思います。
 
では、その先進医療とは、今、どうなったのでしょうか?

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大泉稔

Text:大泉稔(おおいずみ みのる)

株式会社fpANSWER代表取締役

専門学校東京スクールオブビジネス非常勤講師
明星大学卒業、放送大学大学院在学。
刑務所職員、電鉄系タクシー会社事故係、社会保険庁ねんきん電話相談員、独立系FP会社役員、保険代理店役員を経て現在に至っています。講師や執筆者として広く情報発信する機会もありますが、最近では個別にご相談を頂く機会が増えてきました。ご相談を頂く属性と内容は、65歳以上のリタイアメント層と30〜50歳代の独身女性からは、生命保険や投資、それに不動産。また20〜30歳代の若年経営者からは、生命保険や損害保険、それにリーガル関連。趣味はスポーツジム、箱根の温泉巡り、そして株式投資。最近はアメリカ株にはまっています。

そもそも先進医療とは?

厚生労働省のWEBサイトによれば『将来的な保険導入のための評価を行うものとして、未だ保険診療の対象に至らない先進的な医療技術等と保険診療との併用を認めたもの』とあります。
 
つまり、現在は健康保険の対象にならない、「自費診療の医療技術(=先進医療の技術料は100%自己負担)」であり、「(将来)健康保険の対象になるか否かを検討する医療技術」ということです。
 
なお、厚生労働省からの引用には『保険診療との併用を認めた』とありますが、これは、どういうことでしょうか?
 
先進医療そのものは健康保険の対象にはなりませんが、先進医療を受けるための診察・検査・投薬・入院料等は健康保険の対象になる、と言う意味です。
 

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先進医療とは(現在は)健康保険のきかない治療技術、果たして、そのお値段は?

筆者は放射線医学総合研究所(以下、放医研・千葉市稲毛区)の近くの高等学校に通っていました。その放医研の中にあるHIMAC(重粒子線がん治療装置)は2003年10月に先進医療に承認されました。
 
HIMACで先進医療による放射線治療を受ける場合の技術料は314万円、この全額が自己負担になります(なお、回数に関係ありません。また海外から受療される場合の自己負担額は異なります)。
 
同じく首都圏の横浜市旭区にある神奈川県立がんセンター 重粒子線治療施設 i-ROCKで先進医療による放射線治療を受ける場合の技術料は350万円、この全額が自己負担になりますが、こちらも回数に関係ありません。
 
先進医療に該当する医療技術であっても、病院(医療施設)ごとに、厚生労働省から先進医療と認められます。なので、同じ重粒子線治療でも先述のように放医研と神奈川県立がんセンターでは技術料が異なります。
 
健康保険の対象になっている治療なら、「同じ治療なら病院によって治療費が異なる」ということはないと思います。だからこそ、健康保険の対象になっている治療を「標準治療」とも言うのです。
 

300万円を超えるステータスすら感じてしまう医療技術?

(民間の)医療保険の先進医療特約は先ほど例に挙げた、放医研の重粒子線治療の技術料314万円や神奈川県立がんセンターの重粒子線治療の技術料350万円の「全額を保障する」ことを目的にした特約です。
 
そして、その保障額の上限が(先のCMの例では)1000万円、ということでした。
 
「健康保険の対象にならない治療」というところに「別格」なイメージを抱き、先進医療という、そのネーミングゆえ「新しい治療が受けられる」という感覚をお持ちなった方もいらっしゃるのではないでしょうか?
 
まして、技術料が300万円を超える治療ともなるとステータスの高い治療を受けることができる。そんな期待を秘めて(民間の)医療保険やがん保険に先進医療特約を付けて契約された読者も多いと思います。
 
さてさて、皆さまの期待を一身に背負った先進医療の一つである重粒子線治療、その今は?
 

ステータスの高い治療も健康保険の「対象」の時代に!

重粒子線治療の一部ではありますが、「健康保険の対象」の治療になりました。
 
以下、神奈川県立がんセンターのサイトからの引用です。
 
公的医療保険適用になる疾患
237万5千円※
   頭頸部悪性腫瘍(口腔・咽喉頭の扁平上皮癌を除く)
   手術による根治的な治療法が困難である限局性の骨軟部腫瘍
  160万円※
   限局性及び局所進行性前立腺癌
  ※自己負担割合は0~3割 高額療養費制度利用可
 
出典:神奈川県立がんセンター 重粒子線治療施設 i-ROCK
http://kcch.kanagawa-pho.jp/i-rock/examination/expenses.html
 
これまで350万円もの治療費が掛かるということで、受療を諦めていた方もいらっしゃるかも知れませんが、今後は治療の選択肢の一つになり得そうですね。
 
なお、ここに挙げていない部位のがんについては、引き続き健康保険の対象の治療とはならず、先進医療の対象になっているようです。
 

まとめに代えて

(民間の)医療保険やがん保険に先進医療特約を付けて、ご契約なさった方は「先進医療特約の保険料って、何で、こんなに安いんだろう」と疑問をお持ちだった方が多いはすです。
 
先進医療特約の特約保険料は(終身払いの場合)数十円から150円を超えることはありませんので。しかし、先の例でお気づきいただけたでしょうか?
 
技術料300万円を超える先進医療が「健康保険の対象になった」ということは、先進医療の対象から外れた、つまり、「高額な技術料の先進医療が先進医療特約の特約から外れた」という意味なのです。
 
もちろん、今後も、より高額な先進医療が登場する可能性だって否めません。
 
しかし、そもそも、先進医療とは「将来、健康保険の対象になるか否か」を検討するための制度であって、決して、ステータスやセレブのための治療ではないのです。
 
ついでに、先進医療は新しい治療かもしれませんが、「最先端の治療」や「最新の治療」とも限りません。先述の放医研では15年ほど前に先進医療として認められていますから。
 
Text:大泉稔(おおいずみ みのる)
株式会社fpANSWER代表取締役 専門学校東京スクールオブビジネス非常勤講師

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