更新日: 2019.09.11 その他相続

忘れていませんか?相続時における自動車の名義変更

執筆者 : 長崎元

忘れていませんか?相続時における自動車の名義変更
皆さんは相続の手続きといえば何を想像しますか? 多くの方は、まず、家や土地の名義変更、銀行の口座解約が思い浮かぶのではないでしょうか?
 
実は、車も家や土地と同じように、名義変更の手続きが必要です。車の所有者や使用者(※1)が、被相続人(亡くなられた方)だった場合、その車は相続の対象です。車を相続した方の名義へ変更しましょう。
 
※1 車検証には、所有者欄と使用者欄があります。所有者は「車の持ち主」を指します。使用者は、例えば車のローンが残っていたり、リース契約をしていたりする場合に使われます。実際に、車を利用される人の情報が記載されます。
 

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長崎元

執筆者:長崎元(ながさき はじめ)

行政書士/特定行政書士
長崎元行政書士事務所 代表

学校を卒業後、IT企業に就職。約15年勤めた後、行政書士として開業。前職で培ったITの技術と知識を活かし、効率的で、お客様にストレスのかからないサービスを提供している。主な取扱業務は、「許可の取得」や「補助金の申請」。

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車の名義変更の必要性

車の名義の変更とは、“車検証の書き換え”です。車検証には、車のナンバー等の情報と一緒に、所有者・使用者の名前や住所も記載されているので、この部分を相続人の情報に書き換えます。
 
もし、名義変更を行わなかった場合、自動車税の通知が届かず、知らず知らずのうちに税金を滞納してしまう、また、万が一事故を起こしてしまった時に、保険給付が支払われないといったことが考えられます。
 
現在、誰の名義になっているかは、車検証を見てみましょう。車検証をご覧になったことがない方は、この機会に確認してみてください。車のダッシュボードに置いてあることが多いものです。
 
今回は、
・相続人が複数名いる
・亡くなられた方と同居していた相続人が、車を単独で相続する
・車は普通自動車

という事例にそって手続きを整理してみましょう。
 

Step1:必要書類を集める

相続時の名義変更では、以下の書類が必要になります。
 
【自動車名義変更 必要書類】
(1)亡くなられた方の戸籍謄本
(2)相続人全員の戸籍謄本
(3)車検証
(4)遺産分割協議書、または遺言書
(5)車を相続する方の印鑑証明書
(6)車を相続する方の実印

 
(1)と(2)の戸籍謄本は、法務局で交付される「法定相続情報一覧図」(※2)でも代用が可能です。「法定相続情報一覧図」を利用される場合は、(1)と(2)の戸籍謄本を持参する必要はありません。
 
※2 法務局で交付される書類。相続手続きを行う際に、戸籍謄本の代わりに使用できます。無料で必要な通数を交付できるため、相続手続きの際に戸籍謄本を提出し、原本が還付されるまで、次の手続きが進められない、といったケースの解消に役立つとされています。
 
なお、遺産分割協議書や遺言については注意が必要です。どの車を誰が相続するのか、明確に記載されている必要があります。遺産分割協議書や遺言には、車の特定ができていないと困りますので、書類の中に車のナンバーを書いておくと良いでしょう。
 

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Step2:手続きを行う

必要な書類がそろったら、手続きに行きましょう。場所は運輸支局です。地域ごとに管轄が決まっています。例えば、神奈川県横浜市にお住まいの方は“神奈川運輸支局”、東京都千代田区にお住まいの方は“東京運輸支局”で手続きを行います。
 
手続きには申請書が必要ですが、書類は運輸支局に用意されています。記入する内容は、車の情報の他にも、亡くなられた方と車を相続する方の情報が必要ですので、あらかじめ書く内容を確認しておくと良いでしょう。
 
上記(1)から(6)の書類を見ながら、記入してみましょう。車検証の名義変更にかかる費用は500円です。500円の“収入印紙”で支払います。収入印紙は運輸支局内で購入できます。
 
なお、手続きは平日のみ受け付けています。また、混雑することも多いので時間に余裕を持って行きましょう。特に、月末は混雑する傾向にあります。
 

Step3:車検証の交付

新しい車検証が交付されたら、下の図を参考に記載された内容に誤りがないのかを確認してください。これで手続きは完了となります。
 

図1 車検証の確認点
 

最後に

名義変更の手続きは、それほど複雑ではありません。手続きが遅れるほど、トラブルが起こる可能性は高まります。なるべく早めに手続きすることをお勧めします。
 
また今回は、先述のとおり、普通自動車で、亡くなられた方と相続人が同居している、という条件で説明しましたが、もし同居でない場合は他の書類、例えば「自動車保管場所証明書」という書類が必要です。さらに、運輸支局の管轄まで異なる場合は、ナンバープレートの交付も必要です。
 
また、車が軽自動車だった場合には、手続きを行う場所は“軽自動車検査協会”ですので、場所を間違えないよう事前にしましょう。
 
執筆者:長崎元
行政書士/特定行政書士
長崎元行政書士事務所 代表