更新日: 2020.04.07 葬儀
もし親が亡くなったら?事前に確認しておけばよかった葬儀と死後の手続きの基本とは
が、実際のところ突然亡くなります。ドラマを見ているようでした。亡くなると、あれよあれよという間に病院を追い出されます。
執筆者:内宮慶之(うちみや よしゆき)
内宮慶之FP事務所代表
CFP認定者(日本FP協会所属)、ファイナンシャルプランニング
CFP認定者(日本FP協会所属)、ファイナンシャルプランニング技能士1級
会計事務所では、税務会計コンサルティングの他、資産税や相続事業承継の経験も豊富。
現在、相続及びライフプラン全般における相談業務、講演、執筆、非常勤講師などの業務を中心に活動している。高等学校での講演も多く金融経済教育にも尽力している。
平成30年度日本FP協会『くらしとお金の相談室』相談員、大阪市立住まい情報センター専門家相談員、修学支援アドバイザー(大阪府教育委員会)にも就任している。
葬儀の手配
まずは葬儀会社を決めなければなりません。病院が提携している葬儀会社もあるようです。ただ、仲介料を病院に支払わなければならず、相場より高い値段をとられるといったケースも多いようです。
私の場合は叔父がお世話になった葬儀会社を利用しました。やはり、ある程度身近で良心的な業者に依頼すると安心です。母の葬儀は、身内とごく親しい友人のみの「家族葬」というカテゴリーでしたが、100万円は優に超えました。葬儀費用の全国平均は195万7000円(※)となっています。
死亡届の提出時期
「火葬許可証」を取得するには、死亡届を役所に提出しなければなりません。つまり死亡届は、葬儀の前に役所に提出する必要があります。
死亡届の提出期限は死後7日以内と定められています。この死亡届は、医師の死亡診断書と一枚つづりになっています。役所に提出する前に、死亡診断書はコピーをとっておいてください。年金の受給停止手続きなどで必要になってきます。
お寺へのお布施
「火葬許可証」を取得する際には、事前に火葬場を決めなければいけません。そのため、すぐに通夜、葬儀の日取りを調整する必要があります。
決まったお寺がなければ、葬儀会社がすべて対応してくれます。火葬場に隣接した葬儀場もありますが、先祖代々の菩提寺があれば、そこへ連絡してください。
ここで困ってしまうのが「お布施」です。これには定価がありませんので、いくら包めばいいのかわからないものです。読教料と戒名料の合計は全国平均で47万3000円(※)という報告もありますが、首都圏では3万円から10万円が相場となっているようです。
この他、お車代として1万円程度が必要です。このお通夜、葬儀のお布施は一括で渡すのがマナーとなっているようです。
四十九日の段取り
葬儀には基本的に親戚一同(縁遠くない)がそろっていることですから、四十九日法要の日取りや出席者の把握、会場手配の段取り等は、葬儀の時点である程度済ませておくべきです。
相続する財産がある場合には、四十九日をめどに遺産分割協議を行うことが理想的です。その際、相続する人全員の「戸籍謄本」と「印鑑証明書」を準備しておいてもらうようにしましょう。
死後の主な手続き
※青色申告承認申請書の提出等、事業承継がある場合については、必ず期限内に所轄税務署に相談するようにしてください。書類の期限内提出を失念した場合、大きな不利益を被る場合があります。
まとめ
親が亡くなった後の、葬儀~四十九日あたりのことを時系列に解説しました。親が亡くなるという経験は何度もあるものではありませんので、初めての時はほんとうに慌てます。何から手をつけて良いのかほんとうにわかりません。
まずは、翌日以降(落ち着くまで)の仕事の調整から始まり、葬儀~各種手続きはほぼ初めての経験となります。ある程度、予習しておけば良かったなー、という私の経験談です。
出典
※一般財団法人 日本消費者協会「第11回 葬儀についてのアンケート調査」(2017年)
執筆者:内宮慶之
内宮慶之FP事務所代表
CFP認定者(日本FP協会所属)、ファイナンシャルプランニング