地方公務員の兄が「年収800万円」と話していました。公務員の給料ってそんなに高いのでしょうか?
配信日: 2025.06.07


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地方公務員の平均年収はどれくらい?
地方公務員といっても、都道府県、市区町村、職種によって収入は異なります。総務省の「令和6年地方公務員給与実態調査結果」によると、令和5年度の地方公務員(一般行政職)の平均月給は35万8824円です。この月給に年2回の期末・勤勉手当が追加されます。
たとえば、さいたま市の令和6年6月期の期末・勤勉手当の平均支給額は85万4819円、12月期の平均支給額は88万2238円です。これらの金額から年収を算出すると約605万円になります。ただし、職種や区分、勤務地によってこの金額は前後します。東京都の平均給与は45万8519円、山形県では36万1061円と約10万円もの差があります。
年収800万円は高い? 到達できる人の特徴
では、年収800万円はどのくらいの位置づけなのでしょうか。年収800万円は、地方公務員全体の中でも上位の水準と考えられます。
特に、勤続20年以上(40代後半~50代)、課長級以上の管理職、都市部勤務、時間外労働手当や特殊勤務手当の加算がある場合に、年収800万円に到達しやすくなります。
市役所で課長職を務める50代の地方公務員は、都市部や大規模自治体であれば年収800万円に達することも珍しくありません。なお、定期昇給制度があるため、一般職でも勤続年数が長ければ700万円近くになるケースもありますが、800万円となるとやはり「役職+経験+地域」の三拍子がそろった人が多い印象です。
民間企業と比べると、年収800万円はどんな位置づけ?
次に、民間企業と比べてみましょう。国税庁の「民間給与実態統計調査」によれば、日本人全体の平均年収は460万円です。年収800万円は、日本人全体の平均や中央値を大きく上回る高水準ということが分かります。
年収800万円に安定的に到達できる職業は限られており、地方公務員の課長級や都市部の管理職で到達するのは、昇給や安定性、退職金の面からも恵まれた例といえるでしょう。もちろん、民間でも大手企業の管理職であれば年収1000万円を超える人もいますが、その分プレッシャーや業績評価の厳しさもあります。
一方、公務員は成果よりも「年功的な制度」によって昇給する仕組みのため、安定して収入を伸ばしやすいのが特徴です。
年収800万円は努力と責任の証し
地方公務員で年収800万円は高水準ですが、長年の経験と昇進、都市部や大規模自治体での勤務条件がそろえば十分に到達可能なラインです。「公務員=年収が低い」というイメージはもう古く、安定性と将来性を兼ね備えた職業として見直されています。
もしあなた自身が地方公務員を目指すなら、昇進や配属地域によって、将来的に高収入を目指すことも可能です。
また、すでに地方公務員の方であれば、年収800万円は一つのキャリアの節目ともいえるでしょう。お兄さまがそのラインに到達しているというのは、まさに努力の積み重ねと責任あるポジションの証拠。素直に「すごいね」と称賛して良いレベルです。
出典
総務省 令和6年地方公務員給与実態調査結果
さいたま市 令和6年6月期の期末・勤勉手当の支給について
さいたま市 令和6年12月期の期末・勤勉手当の支給について
東京都 「都職員の給与の状況」(第44回)の概要について
山形県 職員の給与等に関する報告及び勧告
国税庁 民間給与実態統計調査
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー