エンジニアのような「専門職」もキャリアが長い方が高収入になる?20代~70代の年収はどのくらい違う?
配信日: 2025.06.20

本記事では、エンジニアのような専門職の年代別の年収や年収アップにつながる要因、年収アップするための方法を解説します。

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目次
エンジニアのような専門職の年代別の年収
厚生労働省の「令和6年賃金構造基本統計調査」によると、エンジニアが該当する「ソフトウエア作成者」の年代別の年収は、表1の通りでした。
表1
年齢 | 年収 (きまって支給する現金給与額×12+年間賞与その他特別給与額) |
---|---|
20~24歳 | 347万7800円 |
25~29歳 | 469万6000円 |
30~34歳 | 541万1400円 |
35~39歳 | 631万3500円 |
40~44歳 | 650万5200円 |
45~49歳 | 737万9800円 |
50~54歳 | 695万4300円 |
55~59歳 | 730万7600円 |
60~64歳 | 557万600円 |
65~69歳 | 607万6800円 |
70歳~ | 354万4000円 |
出典:厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」を基に筆者作成
このデータから、エンジニアのような専門職の年収は45~49歳までは増加し、それ以降は減少傾向にあることが分かります。キャリアを積み重ねれば必ずしも高収入になるとは限らないといえそうです。
専門職は経験を積めば年収が高くなる?
キャリアを重ねることで年収が高くなるのは一般的な考え方ですが、エンジニアのような専門職は、単に経験年数が長いだけでは年収が必ずしも増えるわけではありません。年収を引き上げるためには、スキルの向上と市場で求められる能力の習得が不可欠です。
厚生労働省の「IT・デジタル人材の労働市場に関する研究調査事業」によると、ITスキルレベルが高くなると、賃金水準も高くなる傾向にあるようです。ITスキルレベルが高いほど、プロジェクト管理や企画立案などの高度な役割を担当でき、その結果として年収が増加するといえるでしょう。
また、経験を積むだけでなく、プロジェクトマネジメントやチームリーダーとしてのスキルも求められます。特に、課題解決能力や進行管理ができる人材は高い評価を受け、これらのスキルが年収に反映されるケースが増えているようです。
エンジニアが年収アップする方法
年収アップには、大きく分けて2つの方法があります。
1つ目は、経験を積んでスキルアップする方法です。システム設計や要件定義など上流工程を経験し、開発全体の流れを理解しましょう。また、ビッグデータやAIなどの希少性の高い分野のスキルを身につけるのも効果的です。さらに、クラウド、セキュリティーなどの専門スキルを磨くのもよいでしょう。
技術スキルだけでなく、マネジメントスキルや課題解決能力も向上させると、リーダー職への昇進と年収アップにつながる可能性があります。常に学び続け、スキルを磨くことが年収を高める鍵です。
2つ目は、評価基準がしっかりしている企業を選ぶことです。職能給や職務給などの評価の基準が明確で、成果が直接年収に反映される仕組みが整っている企業を選ぶとよいでしょう。
さらに、IT人材の育成に力を入れている企業や、社員のキャリア成長を支援する企業も年収アップが期待できます。採用や研修に投資している企業は、社員を大切にし、会社の成長と共に年収を増やすチャンスが高まります。キャリアパスや昇進の機会が明確に用意されている企業では、長期的に安定した年収アップが見込めるでしょう。
企業選びの際には、面接で等級制度やキャリアプランを確認し、どのような成長機会があるかを把握しておくことが重要です。
エンジニアのような専門職はキャリアだけでなくスキルも年収に関係すると考えられる
エンジニアの年収を年代別に見ると、45~49歳が最も年収が高くなるようです。そのため、単に経験を積むだけでは年収は増えないかもしれません。年収アップには、スキルアップと市場で求められる能力の習得が不可欠です。
エンジニアが年収を上げるためには、まず上流工程の経験や専門的なスキルを身につけることが重要です。また、技術スキルに加えて、マネジメントスキルや課題解決能力を高めるのも大きなポイントです。エンジニアとして年収を高めるためには、常にスキルを磨き、評価制度がしっかりと整った企業でキャリアを築いていきましょう。
出典
e-Stat政府統計の総合窓口 厚生労働省 令和6年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種 表番号5 職種(小分類)、年齢階級別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)
厚生労働省 「IT・デジタル人材の労働市場に関する研究調査事業」調査報告書(17、19ページ)
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー