年収450万円です。65歳の定年までどのくらいの「社会保険料」を払うことになるのでしょうか?
配信日: 2025.06.18

この記事では年収450万円の方を例に挙げ、65歳で定年退職するまでどのくらいの社会保険料を支払うことになるのか解説します。

日々の生活における、お金にまつわる消費者の疑問や不安に対する解決策や知識、金融業界の最新トレンドを、解りやすく毎日配信しております。お金に関するコンシェルジェを目指し、快適で、より良い生活のアイディアを提供します。
43年間働いたら、社会保険料はいくら払うのか
大学卒業後に22歳から65歳まで43年間、会社員として働いたとしましょう。今回は計算の便宜上、月給のみで賞与は考慮せず、43年間年収は450万円で変わらないとします。また、東京都在住で、全国健康保険協会に加入しているとします。
このケースでは、いくらの社会保険料を払うことになるのでしょうか。
まず、全国健康保険協会が発表している「令和7年3月分(4月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表」をもとに、健康保険料および介護保険料を試算してみます。
年収450万円の報酬月額:450万円÷12ヶ月=37万5000円
報酬月額37万5000円のときの標準報酬月額:38万円(26等級)
標準報酬月額38万円(26等級)の健康保険料:労使折半で月額1万8829円
年間の支払保険料:1万8829円×12ヶ月=22万5948円
40歳までの18年間で支払う健康保険料:22万5948円×18年間=406万7064円
年収450万円の報酬月額:450万円÷12ヶ月=37万5000円
報酬月額37万5000円のときの標準報酬月額:38万円(26等級)
標準報酬月額38万円(26等級)の健康保険料(介護保険料含む):労使折半で月額2万1850円
年間の支払保険料:2万1850円×12ヶ月=26万2200円
40~65歳までの25年間で支払う健康保険料(介護保険料含む):26万2200円×25年間=655万5000円
会社勤めする期間で毎月支払う健康保険は、合計すると1062万2064円となり、かなり高額の保険料を納めていることが分かります。
また、会社員は健康保険に加え、厚生年金保険料も支払わなくてはなりません。今回は厚生年金保険料においても、全国健康保険協会が発表している「令和7年3月分(4月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表」をもとに、試算してみます。
年収450万円の報酬月額:450万円÷12ヶ月=37万5000円
報酬月額37万5000円のときの標準報酬月額:38万円(23等級)
標準報酬月額38万円(23等級)の厚生年金保険料:労使折半で月額3万4770円
年間の支払保険料:3万4770円×12ヶ月=41万7240円
65歳までの43年間で支払う厚生年金保険料:41万7240円×43年間=1794万1320円
43年間の会社員生活の中で、1700万円以上の厚生年金保険料を支払うことになります。
さらに会社員は、雇用保険料の支払いも必要です。厚生労働省によれば、令和7年度の雇用保険料率は一般の事業で労働者負担が1000分の5.5(0.55%)です。これをもとに試算すると以下の通りです。
年間雇用保険料:450万円×0.55%=2万4750円
65歳までの43年間で支払う雇用保険料:2万4750円×43年間=106万4250円
上記のようになりました。支払うべき社会保険料を全て合計すると2962万7634円で、3000万円近い社会保険料が必要となることが分かります。
ただし、このシミュレーションはあくまで22歳から65歳まで43年間年収が450万円で一定だった場合の試算となります。収入が変わると支払う社会保険料も変動するため、あくまで目安としてください。
年収450万円で43年間働き続けた場合、3000万円近い社会保険料を支払う可能性あり
今回の試算では、22歳から65歳まで43年間、会社員として年収450万円で働き続けた場合、3000万円近い社会保険料が必要となる可能性があることが分かりました。ただし、収入が変わると支払う社会保険料も変動するため、あくまで目安としてください。
自身が支払う社会保険料の金額が気になる場合は、その年の社会保険料率を確認し、自身の収入に合わせて試算してみることをおすすめします。
出典
全国健康保険協会
厚生労働省 令和7(2025)年度 雇用保険料率のご案内
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー