40代で出世できなかった場合、今後の「年収」ってもう伸びないもの?40代で「役職」に就いた場合の年収も解説
配信日: 2025.06.15

このような状況の中、40代で出世が期待できるのか、年収面も気になるところです。この記事では、役職に就いた場合の収入や、40代から年収を上げる方法について解説します。

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管理職に就く年齢・収入
表1は、厚生労働省の「令和6年賃金構造基本統計調査」から、役職者の平均年齢と収入をまとめたものです。
表1
男女計 | 男性 | 女性 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
賃金(月給) | 年齢 | 賃金(月給) | 年齢 | 賃金(月給) | 年齢 | |
部長級 | 62万7200円 | 53.0歳 | 63万6400円 | 53.0歳 | 54万9900円 | 52.7歳 |
課長級 | 51万2000円 | 49.3歳 | 52万2400円 | 49.3歳 | 45万8100円 | 49.3歳 |
係長級 | 38万5900円 | 45.6歳 | 39万6300円 | 45.4歳 | 35万4000円 | 46.0歳 |
出典:厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査の概況」より筆者作成
一般的な役職者は40代半ばから後半であることが分かります。そのため、40代でも役職に就く機会は十分にあるといえるでしょう。
次に、役職別の収入をみてみましょう。責任の重さや仕事内容も変わるので、役職が上がるにつれて収入も増加します。ただし、同じ役職でも、企業の規模や業界によって金額は変わります。
例えば総務省統計局が公表している上記調査の詳細を見ると、1000人規模の企業において部長級の平均年収は1317万4900円で、100人未満の企業では740万1400円で500万円以上の差があることが分かります。
40代で役職に就いた場合の年収
では、40代で役職に就いた場合、年収はどれくらい変わるのでしょうか。表2は、同調査結果から部長級、課長級、係長級、非役職ごとに示したものです。
表2
部長級 | 課長級 | 係長級 | 非役職 | |
---|---|---|---|---|
40~44歳 | 918万6500円 | 839万6000円 | 664万2500円 | 522万3900円 |
45~49歳 | 993万4200円 | 840万5100円 | 667万400円 | 534万800円 |
出典:総務省統計局「厚生労働省 令和6年賃金構造基本統計調査」より筆者作成
役職に就いた場合と役職に就いていない場合では、40~44歳で最大約396万2600円、45~49歳で最大約459万3400円の差が生じています。
40代から収入を上げる方法
ここまでは、やはり役職に就けば収入が上がるということをお伝えしてきました。しかし近年では、働き方改革や雇用形態の変化、年功序列制度の見直しによって、40代は役職に就きにくくなっているといわれています。
このような状況の中で収入を上げるためには、まず、自分の持つスキルや実績などの棚卸しを行い、現状を正しく把握することが重要です。
現状把握ができたら以下の方法を取り入れてみてください。
●スキルアップ
●転職
●副業・起業
3点についてそれぞれ解説します。
スキルアップ
現職や業務に関するスキルアップをおすすめします。資格取得など成果や実績につながることから、コミュニケーション力、リーダーシップ力など上司として必要な学びを取り入れましょう。
スキルを高めて業務に積極的に関わり、業績を上げて昇給や昇格のチャンスをものにできれば、収入アップが期待できます。また、こうしたスキルは、転職や副業にも生かすことができます。
転職
同業他社へ転職するのであれば、今までのキャリアや実績を生かせるため、収入アップにつながるでしょう。また、業界は違っても成長企業や大企業への転職も、活躍が期待されていれば収入アップが期待できます。
転職によって収入を減らさないように、専門知識を持ったキャリアコンサルタントや転職エージェントなどを利用して情報を集め、業界のニーズを知り、アピールできる強みなどを準備しましょう。
副業・起業
簡単に仕事を変えることが難しい場合もあります。そのようなときは、現職を続けたまま副業を始めることをおすすめします。もし副業が軌道に乗ったら、起業を考えて準備を始めてもいいでしょう。いずれにせよ、収入源を増やすことは、全体の収入アップにつながります。
短時間のアルバイトや現職の経験を生かせるような副業であれば、取り組みやすく、収入の目処も立てやすいでしょう。政府も副業を推進している今は、すぐにできそうなことや、やってみたかった仕事を始めるチャンスでもあるのです。
40代から役職に就く以外でも収入は伸ばせる
40代で役職に就いて高収入を得ている人もいますが、収入を上げる方法は出世する以外にもあることを解説してきました。40代から役職に就くことを諦めないのはもちろん、視野を広く持って情報を集め、持っているスキルやキャリア見直すことで今後の収入アップにつなげてください。
出典
厚生労働省 令和6年賃金構造基本統計調査の概況(15ページ)
政府統計の総合窓口(e-Stat) 賃金構造基本統計調査/令和6年賃金構造基本統計調査 一般労働者 役職 表番号1
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー