「年収1000万円」でも”時給換算”すると思ったより少ない? 実際はいくらになるのでしょうか?

配信日: 2025.06.14

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「年収1000万円」でも”時給換算”すると思ったより少ない? 実際はいくらになるのでしょうか?
「年収1000万円」と聞くと、高収入で裕福な生活を想像する方も多いでしょう。しかし、実際にその年収を時給換算してみると、思ったほど高くないことがあります。
 
本記事では、年収1000万円の時給換算や労働時間、手取り額について解説し、実際の価値を考察します。
FINANCIAL FIELD編集部

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年収1000万円の時給はどれくらい?

「年収1000万円」と聞くと、多くの人が「かなりの高収入」と感じるのではないでしょうか。住宅や車のローンを組むとき、あるいは転職市場でも年収1000万円は一種のステータスとして扱われることがあります。
 
しかし、その年収を“時給”という視点で見直してみると、意外と現実的な数字が見えてきます。
 
一般的な会社員の労働時間を仮定して計算してみましょう。
 
例えば、1日8時間、週5日勤務で年間の労働日数を250日とすると、年間労働時間は「8時間 × 250日 = 2000時間」となります。
 
この労働時間をもとに、年収1000万円を時給換算すると次のようになります。

1000万円 ÷ 2000時間 = 5000円

つまり、年収1000万円でも時給換算すれば5000円です。
 
5000円という数字だけを見れば高額なように思えますが、実際の生活や業務内容を踏まえると、それほど余裕があるわけでもないと感じる人もいるかもしれません。
 

労働時間が長くなると時給は下がる

ここで、注意すべき点があります。それは、「実際の労働時間はもっと長い」というケースが少なくないことです。
 
例えば、管理職や役員クラスでは、残業代が支給されない場合もあり、出勤前後のメール対応や、夜間・休日の急な対応なども労働時間に含まれてくるケースがあります。
 
仮に1日12時間働いているとすれば、年間の労働時間は「12時間 × 250日 = 3000時間」となり、この場合の時給は以下のように低下します。

1000万円 ÷ 3000時間 = 約3333円

つまり、労働時間が長くなるほど時給は下がるということになります。「高年収なのに自由な時間がない」「時給で見ればそこまで高くない」という実感を持つ人が多いのも、こうした背景によるものです。
 

手取りで考えるとさらに現実的な数字に

さらに、年収1000万円はあくまで“額面”の収入です。実際に手元に残る金額、いわゆる“手取り”は、所得税・住民税・社会保険料などを差し引いた金額となります。
 
独身の会社員であれば、手取りはおおよそ700〜800万円前後に収まるとされます。年間労働時間が2000時間の場合、この金額で時給を算出すると以下の通りになります。

700万円 ÷ 2000時間 = 3500円
 
800万円 ÷ 2000時間 = 4000円

また、仮に残業などで年間労働時間が3000時間になると、以下の通りになります。

700万円 ÷ 3000時間 = 約2333円
 
800万円 ÷ 3000時間 = 約2666円

このように、実際の時給という視点で見ると、年収1000万円という金額がそこまで高すぎるとは感じられなくなるかもしれません。特に、毎日長時間働いてプライベートの時間が確保できないのであれば、その年収の対価としては少々物足りなさを感じる人もいるでしょう。
 

年収だけで判断しない働き方の重要性

年収1000万円という数字にはインパクトがありますが、実際には「どれだけの時間を使ってその収入を得ているか」が重要です。
 
時給換算の視点は単に高収入かどうかだけでなく、自分の時間の価値や働き方のバランスを考えるうえで有効な指標になります。例えば、年収500万円でも1日6時間勤務で済む仕事であれば、時給換算では年収1000万円の長時間勤務より効率がよい可能性もあります。
 
また、最近では「ワークライフバランス」や「タイムパフォーマンス(タイパ)」を重視する人も増えており、「収入はそこそこでも、自分の時間を持てる方が幸せ」と考える傾向も強まっています。
 

時給に置き換えて見直すと見えてくるもの

年収1000万円は確かに高収入ではありますが、それを時給換算してみると、働き方や労働時間によって大きく価値が変わることが分かります。
 
1日8時間で週5日の勤務であれば、時給は約5000円です。しかし、1日12時間働いていれば3300円程度まで下がり、手取りベースではさらに低くなります。つまり、年収だけではなく「どれだけ働いたか」「どれだけ時間を使ったか」を含めて、自分の人生設計や働き方を見直すことが大切です。
 
自分の1時間の価値は、今の働き方に見合っているか、まずは自分の時給を知ることから、キャリアや生活の再設計を始めてみましょう。
 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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