最大「120万円」支給! 営舎内に居住する「自衛官」へ支給される「指定場所生活調整金」とは?

配信日: 2025.06.13

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最大「120万円」支給! 営舎内に居住する「自衛官」へ支給される「指定場所生活調整金」とは?
自衛官候補生や一般曹候補生として採用された自衛官は、官舎内での共同生活など慣れない環境で生活を送ります。こうした特殊な生活環境に配慮し、経済的な支援を目的として令和7年4月から「指定場所生活調整金」の支給が開始されます。
 
この記事では、指定場所生活調整金の概要や金額などを詳しく解説します。自衛官としてこれから勤務を始める方、または保護者の方はぜひ参考にしてください。
FINANCIAL FIELD編集部

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指定場所生活調整金の目的

指定場所生活調整金は、営舎と呼ばれる自衛隊施設内の宿舎に居住する入隊直後の自衛官に対して支給される手当です。集団生活による制限や不自由さに配慮し、モチベーションの維持や向上を目的として令和7年4月より支給が始まる制度になっています。
 

支給期間や金額について

指定場所生活調整金の対象となるのは、自衛官候補生、一般曹候補生および令和8年度以降の新たな任期制士として採用された自衛官で、採用日から6年が経過するまでの期間中に毎年支給されます。20万円ずつ6年に分けて、合計120万円を支給される仕組みです。
 
指定場所生活調整金が支給されるためには、次の条件を満たしている必要があります。
 
なお、指定場所生活調整金は、採用されたらすぐに支給されるわけではなく、採用後に官舎での生活が1年経過するごとに20万円(最大120万円)が支給されます。仮に、1年の途中で退職した場合や官舎以外に住み始めた場合には、その年の分は支給されません。
 

指定場所生活調整金以外の処遇改善策とは?

指定場所生活調整金以外にも、自衛官の生活環境や働く環境の改善として、おもに次のような取り組みがされているようです。以下の表1にまとめました。
 
表1

WiFi環境の整備 官舎内で環境整備が進んでおり、自室はもちろん共用スペース、駐屯地・基地内の売店にあるくつろぎスペースなどにも拡大が予定されている
船での通信 令和9年をめどに、船上でも衛星通信網を使ったインターネット環境の整備が進められている
個室生活 相部屋だった官舎の個室化が進んでおり、個人のスペースが確保されることでプライバシーに配慮した環境が保たれやすくなっている

※筆者作成
 
このほかにも、官舎内のトイレや浴室などの水回り、エアコンなどの設備や、寝具・日用品などの充実など、生活環境と勤務環境の双方からの改善が進められています。
 
防衛省・自衛隊の資料によると、隊舎・庁舎等の整備に充てられる予算も、令和4年から令和5年で約3倍、令和4年から令和6年で約7倍に推移しているようなので、環境改善につながっているといえるでしょう。
 

「指定場所生活調整金」は慣れない生活環境に住む入隊直後の自衛官のモチベーション維持と向上のために始まる制度

「指定場所生活調整金」は、営舎という慣れない生活環境に住む入隊直後の自衛官への経済的な支援を目的として、令和7年4月から新しく始まる制度です。自衛官候補生・一般曹候補生などとして採用されてから6年間、最大で120万円が支給されることが基本的な仕組みとなっています。
 
このほかにも、官舎の老朽化対策として立て替えや改修、官舎内の個室化、女性区画の整備など、自衛官の生活環境・勤務環境の改善のためにさまざま取り組みがされています。今後、自衛官を目指す方やその保護者の方にとっても、制度の仕組みや処遇改善について正しく理解しておくことで、安心して自衛隊生活をスタートできるでしょう。
 

出典

防衛省・自衛隊 生活環境勤務環境改善します
 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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