銀行員の息子は「年収600万円」ほどだそうです。一般企業よりも高いイメージですが、どのくらいの差がありますか?
配信日: 2025.06.13

高収入を稼げる職業はさまざまありますが、「銀行員」はそのうちのひとつというイメージを持つ人がいるかもしれません。
今回のケースでは、年収600万円を稼いでいる銀行員の息子が登場します。本記事では、この額と一般企業との年収を比較しつつ、相対的に高収入といえるかどうかを解説します。また銀行員全体の平均収入もご紹介します。

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年収600万円は一般企業の年収より高め
国税庁が発表した「令和5年分 民間給与実態統計調査」によると、1年を通じて勤務した給与所得者5076万人の平均給与は460万円でした。男性は569万円で、女性は316万円です。
男女合計の平均で見た場合、年収600万円は高いといえます。一方男性平均と比較した場合、その差は31万円まで縮まります。いずれにしても、600万円は全体から見て相対的に高年収といえるでしょう。
銀行員の平均収入はいくら?
では、年収600万円は銀行員全体の中で高いか低いかというと、一概にはいえません。
銀行員と一口でいっても、その業務や役職は多岐にわたります。例えば、支店長なのか窓口事務員なのか渉外担当なのかなど、立場によって年収に大きな差が出る可能性があります。そこで例として、銀行での立場・担当別の平均年収を比較してみましょう。
支店長の平均年収
まず銀行支店長を含む「管理的職業従事者」の平均年収は、厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、約885万3000円です。
支店長は、各支店において業務の指揮を執る役割を果たします。銀行が行う業務のひとつは、企業への融資です。対象となる企業にお金を貸し付けるかどうか、支店長は最終的な決裁を行います。
さらに人事労務の管理や、取引先との関係構築、目標の進捗状況を見守ることなど、支店全体の活動を統括する重要なポジションを担います。
窓口事務員の平均年収
銀行等窓口事務員を含む「会計事務従事者」の平均年収は、約484万6000円です。窓口事務員は、銀行に訪れる顧客への対応を行います。入出金や送金のほか、各種金融商品に関する相談業務などをカバーします。
ほかにも、税金支払いや口座開設・解約作業など、多種多様な作業を行わなければなりません。日本円だけでなく、外貨を扱う支店の場合は、為替や海外金融機関とのやりとりなど、より多くのスキルが求められるケースもあるようです。
最近ではNISAやiDeCoへの関心が高まっていますが、資産形成に関連した商品があれば、その販売や相談に応じる場合もあります。多岐にわたる業務を遂行するうえで、専門知識や経験が求められます。
渉外担当の平均年収
銀行・信用金庫渉外担当にあたる「金融営業職業従事者」の平均年収は、約711万3000円です。
渉外担当は、銀行の取引先(法人、個人事業主、個人顧客など)と交渉して金融サービスを提供する役割を担います。預金や貸金、為替、投資信託、債券、各種保険など、あらゆる金融商品に関して顧客へ提案や販売を行うため、金融知識を幅広く持っていなければなりません。
企業に対しては、海外進出に関するアドバイスをしたり、サポートしたりするケースもあります。また、事業承継を手伝うケースもあるようです。
個人に対しては、不動産投資や各種ローン商品の紹介など、ケース・バイ・ケースで相談に乗ります。
年収600万円は一般企業より高く銀行間では平均的
今回のケースに登場する銀行員の息子の年収600万円は、一般企業と比較すると高い傾向にあります。ただし男性の平均年収で比較した場合、極端に大きな差はないようです。
一方銀行員の中で比較した場合、年収600万円は平均的といえるかもしれません。渉外担当の平均年収と比較すると100万円以上低く、窓口事務員と比較すると100万円以上高いです。
いずれにしても、銀行員の年収は、職種や勤務先、年齢、経験、実績などさまざまな要素で変わる可能性があり、比較対象によって相対的に高いのか低いのかが分かれるでしょう。
出典
国税庁 令和5年分 民間給与実態統計調査
e-Stat政府統計の総合窓口 厚生労働省 令和5年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種 表番号1 職種(小分類)別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー