初任給「30万円」の新社会人です。初めてのボーナスはいくら支給されるのでしょうか?
配信日: 2025.06.06

一般的に、ボーナスは月給の2ヶ月分が目安とされています。そのため、初任給が30万円であれば、ボーナスも60万円くらいもらえると期待している方もいるでしょう。しかし、ボーナスの支給額は半期の査定期間をもとに決められているため、入社初年度の夏のボーナスは満額支給されない場合が少なくありません。
本記事では、2024~2025年の初任給の調査結果をもとに、新入社員が初めてもらえるボーナスの相場や実情を解説します。

日々の生活における、お金にまつわる消費者の疑問や不安に対する解決策や知識、金融業界の最新トレンドを、解りやすく毎日配信しております。お金に関するコンシェルジェを目指し、快適で、より良い生活のアイディアを提供します。
初めての夏のボーナスは10万円前後が平均
株式会社産労総合研究所(東京都千代田区)が実施した「2024年度 決定初任給調査」(調査時期:2024年4~5月、回答:369社)によると、2024年における大学卒の初任給は22万5457円、夏季賞与の額は9万4112円でした。初めての夏のボーナスが初任給の0.5ヶ月分弱と仮定すると、初任給が30万円の場合でも10~15万円程度の支給になると見込まれます。
ボーナスの支給額には法律による定めがなく、企業ごとに決められています。多くの企業では、半年間の査定期間をもとに支給額を決めており、夏と冬の年2回支給されるのが一般的です。1年目で初めての支給される夏のボーナスは査定期間が足りないため、寸志程度となる10万円前後の支給となっているようです。
ただし、一般財団法人労務行政研究所が実施した「2025年度新入社員の初任給調査」によると、大学卒で全産業の初任給は平均で25万5115円と、2024年度の初任給よりも1万5000円程度増加しています。
ボーナス額の算出は基本給が基準となるため、初任給の上昇に伴って初めての夏のボーナス額が2024年の平均よりも上昇する可能性はあります。
冬のボーナスは月給の2ヶ月程度が目安
一般的に、冬のボーナスは月給の2ヶ月分前後が目安とされています。
ボーナスの支給額は、基本給をもとに計算されるのが一般的です。近年は初任給が全国的に引き上げられている傾向があり、それに伴ってボーナス額も上昇する可能性があります。例えば、初任給が月給30万円の場合、冬のボーナスは60万円前後になることも期待できるでしょう。
ただし、ボーナスの支給は法的に義務付けられているわけではありません。また、企業の業績や査定結果によって、支給の有無や支給額が左右される点には注意が必要です。
ボーナスの手取り額は?
給与と同様にボーナスからも税金や社会保険料が差し引かれるため、支給額と手取り額が異なります。主に、次のような税金や社会保険料が控除されます。
●所得税(源泉徴収)
●健康保険料
●厚生年金保険料
●雇用保険料
控除額は、ボーナスの支給額に加えて、標準報酬月額や扶養の有無、年齢、自治体によって変動します。月収30万円の場合、目安として支給額の20%程度が控除額の目安です。
ボーナスで買い物をする予定がある場合は、実際に手元に残る手取り額を基準に考えるようにしましょう。
業種別のボーナス平均金額
ボーナスの額に不満がある場合、業種を変えることを検討するのも一つの方法です。
厚生労働省「令和6年 賃金構造基本統計調査」によると、産業別の従業員1000人以上、20~24歳の年間賞与額の平均は図表1のとおりです。
【図表1】
産業計 | 46万1700円 |
鉱業,採石業,砂利採取業 | 125万1000円 |
建設業 | 63万9400円 |
製造業 | 69万4700円 |
電気・ガス・熱供給・水道業 | 57万7100円 |
情報通信業 | 52万2200円 |
運輸業,郵便業 | 47万3200円 |
卸売業,小売業 | 35万7500円 |
金融業,保険業 | 40万1000円 |
不動産業,物品賃貸業 | 48万2000円 |
学術研究,専門・技術サービス業 | 52万900円 |
宿泊業,飲食サービス業 | 24万3800円 |
生活関連サービス業,娯楽業 | 15万4600円 |
教育,学習支援業 | 55万44000円 |
医療,福祉 | 44万9300円 |
複合サービス事業 | 57万5000円 |
サービス業(他に分類されないもの) | 25万6000円 |
厚生労働省「令和6年 賃金構造基本統計調査」1 学歴、年齢階級別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額 (産業計・産業別)より筆者作成
産業計での年間賞与額の平均額は、46万1700円でした。それよりも年間のボーナス支給額が少ない場合は、転職を視野に入れるのもよいでしょう。
新卒初めてのボーナスは10万円前後が相場。計画的に使おう
新卒で初めてもらえる夏のボーナスは寸志程度で、10万円前後になることが一般的です。ボーナスの支給額は法によって定められておらず、企業によって異なりますが、冬のボーナスからは月給の2ヶ月分程度の支給が期待できます。
また、ボーナスは基本給を基準に支給額が決定されます。近年では初任給が上昇傾向にあるため、ボーナスの額も上昇する可能性があると考えてよいでしょう。
ただし、ボーナスからも税金や保険料が控除されるため、手取り額がいくらになるかを確認しておくことが重要です。
出典
株式会社産労総合研究所 2024年度 決定初任給調査
一般財団法人労務行政研究所 2025年度新入社員の初任給調査
厚生労働省 令和6年 賃金構造基本統計調査 1 学歴、年齢階級別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額 (産業計・産業別)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー