日本の平均年収は「460万円」だけど、達成の難易度はどれくらい? 中央値から見る“年収の実態”についても解説

配信日: 2025.06.05

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日本の平均年収は「460万円」だけど、達成の難易度はどれくらい? 中央値から見る“年収の実態”についても解説
自分の年収は平均と比べて高いのか低いのか、気になる人もいるのではないでしょうか。自分の勤める会社の給料水準はある程度理解していても、全国平均の年収は知らない人もいるかもしれません。本記事では国税庁の発表しているデータをもとに、年収の平均値および中央値を紹介します。

平均年収「460万円」の難易度

国税庁の「令和5年分 民間給与実態統計調査」によると、1年を通じて勤務した給与所得者の平均給与は460万円(男性569万円、女性316万円)です。給与階級別分布は図表1のとおりです。
 
図表1

年収 割合
100万円以下 8.1%
100万円超 200万円以下 12.3%
200万円超 300万円以下 14.0%
300万円超 400万円以下 16.3%
400万円超 500万円以下 15.4%
500万円超 600万円以下 10.8%
600万円超 700万円以下 7.1%
700万円超 800万円以下 4.9%
800万円超 900万円以下 3.2%
900万円超 1000万円以下 2.3%
1000万円超 5.5%

国税庁 令和5年分 民間給与実態統計調査 を基に筆者作成
 
上記図表を参照すると、年収460万円の人は年収「400万円超 500万円以下」の区分に該当します。全体で見ると、少なくとも上位49.2%以内に位置しています。
 
実態としては半数以上の人が平均年収未満の給料水準であるため、平均年収を稼ぐ難易度は簡単とはいえないでしょう。また、同データからは、主に1000万円超の高年収の人が年収の平均値を押し上げていると推察されます。
 

年収の中央値

前項では年収の平均値について紹介しましたが、平均値は一部の高年収者が数値を押し上げてしまう関係上、実態と異なる数値となりやすいです。そのため、本項では「中央値」という別の観点から年収の実態をみていきます。
 
厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査の概況」と国税庁の「令和5年分 民間給与実態統計調査」を参照すると、月収中央値は27万9800円、賞与平均値は71万4000円であるため、年収の中央値は「約407万円」と考えられます。
 
前項で紹介した年収平均値「460万円」と比較すると、年収中央値「407万円」は53万円低い結果となりました。こちらの中央値のほうがより実態に近い数値といえるかもしれません。
 

まとめ

本記事では「令和5年分 民間給与実態統計調査」の調査結果をもとに、平均年収「460万円」の難易度や、より実態に近い中央値について触れました。周囲がどれくらいの年収をもらっているのか知っておくことは、労働市場において自分を安売りしない点において重要です。
 
自分の年収が低いと感じている人は、転職活動をするのも1つの手でしょう。転職活動においてさまざまな企業から年収提示を受ける中で、もし理想の金額が提示されるのであれば転職すればよいですし、理想の金額が提示されないのであれば今の企業で継続して勤めればよいだけです。まずは一歩踏み出してみるのも良いかもしれません。
 
もちろん、年収以外に重視する要素は人それぞれであり、年収が全てではないため、本記事は1つの参考程度にしてください。
 

出典

国税庁 令和5年分 民間給与実態統計調査-調査結果報告-
厚生労働省 令和5年賃金構造基本統計調査の概況
 
執筆者:小林裕
FP1級技能士、宅地建物取引士、プライマリー・プライベートバンカー、事業承継・M&Aエキスパート

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