「手取り16万円」で正社員として働いています。知り合いは「時給1400円」でアルバイトをしていますが、もしかして正社員よりもアルバイトの方が稼げますか?
配信日: 2025.06.01


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時給1400円のアルバイトの手取り
アルバイトとして週に5日、月に20日間働いていると仮定すると、時給1400円で1日8時間勤務である場合の月収は22万4000円となります。月収に対する手取りの割合は人によって異なりますが、一般的には80%とされています。つまり、手取り額は17万9200円です。
正社員とそれ以外の平均年収
国税庁の「令和5年分民間給与実態統計調査」を参考に、正社員とそれ以外における平均年収を表1にまとめました。なお、調査対象者の平均年齢は47歳であり、年収にはボーナスが含まれています。
表1
正社員 | 正社員以外 | |
---|---|---|
平均年収 | 530万3000円 | 201万9000円 |
出典:国税庁「令和5年分民間給与実態統計調査」を基に筆者作成
年収に対する手取り額の割合が80%だと仮定すると、正社員の手取り額は年間で約424万2000円、月額で約35万3000円となります。
正社員以外の場合、手取り額は年間で約161万5000円、月額で約13万4000円です。正社員とそれ以外では、手取り額の平均に2.5倍以上の差があります。
正社員とアルバイトの違い
ここからは、正社員とアルバイトの違いを項目ごとに解説します。
働き方
正社員は雇用期間が定められていない雇用契約を結ぶことが一般的で、これを「無期雇用」といいます。何らかのトラブルが発生しない限り、基本的には解雇されることがありません。
一方のアルバイトでは、雇用期限が定められている「有期雇用」で労働契約を結ぶことが多いようです。有期雇用の場合は同じ職場で継続して働きたいと考えても、契約の更新がされないことがあります。
そのため、アルバイトは正社員よりも現状の仕事が続かないかもしれないという不安感があるでしょう。
勤務時間
働き方に付随して、正社員とアルバイトでは勤務時間が違うことも少なくありません。正社員の勤務時間は会社によって定められている場合が多く、1日8時間で週5勤務であることが一般的です。
また、休日の日数も決まっており、年末年始やゴールデンウィークなどに長期休暇がある会社も少なくありません。
一方、アルバイトは自分が希望する勤務時間で働けます。1日8時間で週5日働くことも可能ですが、1日6時間で週3日働くこともできます。加えて、シフト制で働く場合は勤務日や休日の希望を提出することも可能です。希望が通るかどうかは状況次第ですが、自身の生活に合わせた働き方がしやすいでしょう。
収入面
正社員の給料は、月給制や年俸制であることが一般的です。残業手当などによる変動はあるものの、基本的な給料は毎月決まっています。安定した収入を得られる点が魅力であり、会社によってはボーナスや退職金が支給されることもあります。
アルバイトの場合、給料は時給制であることがほとんどです。働いた時間分だけ収入を得られるため、勤務時間が少なければ収入も低下します。正社員と比べると、収入面での安定感に欠けるでしょう。会社によるものの、アルバイトの場合はボーナスや退職金が支払われないことも少なくありません。
収入における重要な要素である、昇給においても正社員とアルバイトで違いがあります。正社員の給料は勤続年数に応じて、定期的に昇給されることが一般的です。それとは別に、スキルや実績に応じて昇給することもあります。
一方、アルバイトは時給が上がったとしても数十円程度であることも少なくありません。
ただし、昇給の可能性や程度は会社によって異なります。正社員でもほとんど昇給がなく、逆にアルバイトでも昇給の可能性や頻度が高い会社もあるでしょう。
状況次第ではアルバイトのほうが稼げる
時給1400円でアルバイトをしており、1日8時間労働で週に5日、月に20日間働いている場合の月収は22万4000円です。月収に対する手取りの割合が80%とすると、月の手取り額は17万9200円となります。この場合、手取り16万円の正社員よりも稼げているといえるでしょう。
正社員とアルバイトには、収入面も含めてさまざまな違いがあります。その一つとして、一般的には正社員のほうが昇給の可能性が高いとされています。
そのため、一時的な手取り額の差で「稼げるかどうか」を判断するのは軽率ともいえるでしょう。
出典
国税庁長官官房企画課 令和5年分民間給与実態統計調査-調査結果報告-(15ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー