更新日: 2024.09.25 年収

扶養内で働いているママ友が、「10月から手取りが減りそう」と言っています。月収は変わらないそうですが、なぜ収入が減るのでしょうか…?

扶養内で働いているママ友が、「10月から手取りが減りそう」と言っています。月収は変わらないそうですが、なぜ収入が減るのでしょうか…?
パートタイムなどで働く人にとって、所得税や住民税・社会保険料の負担対象になってしまう「年収の壁」は気になるところです。扶養の範囲内(年収130万円以下)に抑えて働いている人が「手取りが減りそう」という状況になるのはどんなケースでしょうか。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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10月から、手取りが減りそうな理由は?

扶養の範囲内(年収130万円以下)で働いている人の「手取りが減りそうな理由」は、2024年10月から社会保険の加入要件が改定されることにあります。
 
今まで、会社員の配偶者などの扶養家族としてパートやアルバイトなどで働いている場合に健康保険料と年金の支払いが免除されていたのが、社会保険に加入することで金銭的負担が増えてしまうのです。
 

「年収の壁」を超えたら、いくら天引きされる?

「年収の壁」にはいくつかの段階があり、それぞれの段階を超えると所得税や社会保険、配偶者の税負担が増えてゆきます。
 

(1)93万円から100万円の壁:住民税が差し引かれ始める

自治体によって違いがありますが、単身または扶養家族がいない人の年収が93万円から100万円を超えると住民税の均等割の課税対象になって年間5000円が給与から差し引かれます。
 

(2)103万円の壁:所得税が差し引かれ始める

年収が103万円以上になると、103万円を超えた部分に所得税がかかり始めます。この103万円とは、給与所得控除55万円と基礎控除48万円を合わせた金額です。
 

(3)106万円の壁:社会保険の加入対象になり始める

月収や1週間あたりの勤務時間などの条件を満たす場合、社会保険の加入対象になり始めます。2024年9月末までは年収106万円を超えていても勤務先の従業員101人未満では社会保険の加入条件から外れていましたが、10月からは「従業員が51人以上」の場合には社会保険に加入する必要が出てきます。
 

(4)130万円の壁:配偶者の社会保険での扶養から外れる

配偶者の扶養家族になっていた人が年収130万円を超えると、配偶者の社会保険での扶養ではなくなり、勤務先の社会保険に加入する必要が出てきます。
 

年収106万円で社会保険に加入したら手取り収入はいくら?

それでは、年収106万円で社会保険に加入したら手取り収入はいくらになるのでしょうか。同じ年収でも、年齢が40歳になると介護保険料の支払いが始まるので手取り収入が変化します(試算では、勤務先が「106万円の壁への施策」に対応していない企業とします)。
 

<30代のAさんの場合>

年収106万円-(厚生年金9万6624円+健康保険料5万2694円+雇用保険6360円+住民税5000円)=年間手取り収入見込み約89万9322円(月7万4943円)
 

<40代のBさんの場合>

年収106万円-(厚生年金9万6624円+健康保険料6万1142円+雇用保険6360円+住民税5000円)=年間手取り収入見込み約89万874円(月7万4239円)
 
この試算を見ると「所得税が入っていない」と気づくかもしれません。実は、厚生年金保険料・健康保険料・雇用保険料は所得税を計算するための控除対象で、これらの保険料を収入から差し引くと所得税の課税対象所得は0円になるのです。
 

まとめ

2024年10月から社会保険の加入要件が拡大され、扶養の範囲内(年収130万円以下)で働いている人も社会保険に加入することになり金銭的負担が増えてしまうケースが出てきます。
 
年収106万円で社会保険に加入したときを試算すると手取り収入が月収で約7万円、年間で16万円ほど減ってしまう見込みになりました。どのくらいの年収を目標にして働くべきか、家族や専門家と相談することが望ましいでしょう。
 

出典

厚生労働省 社会保険適用拡大特設サイト
国税庁 No.1410 給与所得控除
国税庁 所得税のしくみ
厚生労働省 社会保険加入のメリットや手取りの額の変化について
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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