更新日: 2024.09.18 年収

夫の年収が「1200万円」超えのため、児童手当の“対象外”です。10月からはわが家も対象なのですが、「手当の話で年収がバレる」と聞きました。ママ友との会話で気を付けることはあるでしょうか…?

夫の年収が「1200万円」超えのため、児童手当の“対象外”です。10月からはわが家も対象なのですが、「手当の話で年収がバレる」と聞きました。ママ友との会話で気を付けることはあるでしょうか…?
令和6年10月から制度の改正が行われる児童手当。ママ友とのふとした会話の中で、児童手当の話題を振られた経験はありませんか? 今回の改正によって所得制限が撤廃され、これまでは対象外だった年収の世帯にも、今後支給がスタートします。
 
本記事では、児童手当制度の改正のポイントと、児童手当の額で世帯年収がバレてしまうリスク、コミュニケーションの中で気をつけたほうがいいことについて解説します。

改正で児童手当制度はどう変わるか

児童手当とは対象年齢の子を育てる人に支給される手当です。一定の条件を満たした状態で、子どもが生まれた15日以内に各市町村へ「認定請求書」を提出して申請し、認定されると受給を開始できます。
現在の制度概要は以下の通りです。

●3歳未満:一律1万5000円
●3歳~小学生:1万円(第3子以降は1万5000円)
●中学生:1万円
●所得制限:あり
●支払い月:年3回(6、12、2月)

10月以降の制度概要は以下の通りです。

●3歳未満:1万5000円(第3子以降は3万円)
●3歳~高校生年代:1万円(第3子以降は3万円)
●所得制限:なし
●支払い月:年6回(4、6、8、10、12、2月)

※高校生年代は18歳に到達後の最初の年度末まで

令和6年10月の制度改正により、対象が「中学生まで」から「高校生年代まで」と支給期間が長くなり、第3子以降は3万円と支給金額が増額、所得制限が撤廃されます。また、支給回数が年3回から6回に増えます。
 

所得制限とは?

現在の児童手当には所得制限・上限があります。以下は扶養親族等が3人(児童2人と年収103万円以下の配偶者など)の場合の所得目安です。

●所得が736万円以上972万円未満(推定年収960万~1200万円)の場合:月額一律5000円
●所得が972万円以上(推定年収1200万円以上)の場合:支給対象外

これまで児童手当を受け取れなかったのは、4人家族で年収1200万円以上の世帯です。今回の制度改正では、所得制限が撤廃され、これまで対象外であった人も受け取れます。
 
「改正で、児童手当が受け取れるようになる!」といった話を何気なくママ友に話した場合、「これまではもらえていなかった」、つまり4人家族の場合「世帯年収が1200万円以上であろう世帯」ということが暗に分かってしまう可能性があります。
 
制度改正はタイムリーな話題のため話題に上がる機会もあるかと思いますが、年収が推定できる「支給対象だったかどうか」の話をすることは避けたほうがいいでしょう。
 

意外な切り口で年収がバレてしまう可能性も

児童手当の他にも、次のような話題でうっかり世帯年収がバレてしまう危険があります。
 
・健康保険料や厚生年金保険料
→健康保険料や厚生年金保険料は収入に応じて額が上がっていく仕組みであるため、「保険料が〇万円」などで収入が想像できることもあります。
 
・生命保険料控除
→控除枠の上限は所得税が4万、住民税が2万8000円と一律で決まっていますが、所得金額に応じて軽減される所得税が異なるため、世帯年収によって得られる節税効果も異なります。詳しく説明できる人は少ないかもしれませんが、話題に挙げる際には注意が必要です。
 
・ふるさと納税
→年収によってふるさと納税の控除上限額は異なります。「〇〇市と〇〇村の返礼品を頼んで、残りは〇〇区でこの品もらう予定」などの発言は控えましょう。
 
・高額療養費制度
→高額療養費でカバーできる金額は年収によって異なります。入院・治療の話題になった際にうっかり話してしまわないよう気をつけましょう。
 
・確定申告
→会社員でも年収2000万円を超える際は確定申告が必要です。自営業ではないのに「今年も確定申告が大変な時期だね」などと話すと、暗に年収が分かってしまうかもしれません。
 

まとめ

2024年10月に児童手当制度が改正されます。制度改正によって、これまで所得制限・上限により対象外だった高収入世帯や、高校生の児童を持つ世帯も支給対象になります。
 
制度改正や申請時期など、保護者同士で話題に上がりやすい制度です。世帯年収がバレてしまう可能性があり、児童手当などの話題が出た際には、支給対象か否かの話や、具体的な数字を上げての話は避けたほうが無難でしょう。
 

出典

こども家庭庁 児童手当制度のご案内
 
執筆者:田中美有
2級ファイナンシャル・プランニング技能士

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