更新日: 2024.09.10 年収
「うちって貧乏なの?」娘からのひと言…40代共働きで年収420万円は、世間と比べて低いのでしょうか?
客観的なデータを基に自分の現状を分析したいという方は、ぜひご覧ください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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「世帯主が40代の世帯」の平均年収
総務省の家計調査「家計収支編」(2022年)によれば「二人以上の世帯のうち勤労者世帯」において、世帯主が40~44歳の平均実収入は月64万5765円、45~49歳で月67万4468円です。
平均実収入の12ヶ月分を年収とすると、40~44歳は774万9180円、45~49歳は809万3616円になります。したがって、モデルケースである「年収420万円」は平均を約355万円から約389万円下回る計算です。
ただし、平均値は極端な値に影響されやすいため注意が必要です。特に40代は係長以上の役職に就く人もいるため、世代内の年収差が大きいと推測できるでしょう。
共働き世帯の平均年収
2022年の総務省の家計調査「家計収支編」によると、共働き世帯(世帯主が60歳未満)の平均月実収入は72万3263円です。12倍した値を年収とすると、867万9156円になります。モデルケース「年収420万円」の2倍以上です。
また、総務省「令和4年就業構造基本調査」によれば、共働きの夫婦と子どもがいる年収1000万円未満の世帯で最も多いのは、「世帯年収600~699万円」で95万9500世帯です。モデルケースが該当する「400~499万円」は56万7600世帯となっています。600~699万円は全体の約12%なのに対し、400~499万円は約7%にとどまります。
以上のことから、世帯年収420万円は子どもがいる共働き世帯の平均額の約半分で、2000万円未満の年収世帯のうちの1割にも満たないと推測できるでしょう。
支出額と主な支出項目
経済的に余裕かどうかは、収入だけでなく支出によっても異なります。収入が平均以下だったとしても、支出をおさえれば貯金を増やすことが可能です。
2022年の総務省の家計調査「家計収支編」によると、世帯主が40~44歳の世帯の平均実支出額は43万402円、世帯主が45~49歳の場合は47万1988円です。
また「世帯主が40~44歳の世帯」の実支出のうち、生活費の主な内訳は次のようになっています。
●食料:8万3293円
●住居(家賃、設備修繕など):1万8687円
●光熱・水道:2万3241円
●家具・家事用品:1万2654円
●被服及び履物:1万2410円
●保健医療:1万2051円
●交通・通信:4万9163円
●教育:1万8705円
●教育娯楽(書籍など):3万3419円
●その他の消費支出(こづかいなど):4万5207円
今回のケースの場合、年収の低さだけで貧しいかどうかを判断するのは適切ではないでしょう。家計の状況を正確に把握するには、収入だけでなく支出も考慮する必要があります。
支出の現状を上記で示した平均額と比較するなどし、分析をすることが重要です。
「世帯主が40代の世帯」の平均年収は約775~809万円|支出では食費が最多
世帯主が40〜44歳の世帯の予想年収は約775万円、45〜49歳では約809万円です。また、共働き世帯の予想年収は868万円であり、年収別の世帯数分布では600〜699万円が最多になります。したがって、今回のモデルケースである「年収420万円」はいずれの数字も下回ることになります。
一方、貯蓄を増やすためには支出の分析も重要です。世帯主が40~44歳の世帯の平均実支出月額は43万402円ですが、食費が大きな割合を占めています。その中でも外食費は食費の21%にあたります。
家計が貧しいかどうかは、収入と支出のバランスを総合的に考えて判断しましょう。貯金が増やせているかどうかもチェックし、問題がある場合は家計の見直しを検討することをおすすめします。
出典
総務省統計局 政府統計の総合窓口(e-Stat)
家計調査/2022年/家計支出編 二人以上の世帯 詳細結果表 第3-2、3-11
就業構造基本調査/令和4年就業構造基本調査/地域編(全国、都道府県、政令指定都市、県庁所在都市、人口30万以上の市)世帯単位で見た統計表 表番号14000 DB 表示項目累計・6歳未満子有無「夫婦と子供から成る世帯」
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー