更新日: 2024.06.02 年収

娘が「国家公務員」と結婚することになりました。年収が高いと聞いたことがあるのですが、都内で「余裕のある暮らし」はできるでしょうか? できれば苦労してほしくないと思っています

安定して高収入がもらえるイメージのある国家公務員。娘や息子が国家公務員と結婚することになるなどして、「国家公務員の年収は一体どれくらい?」「会社員と比べて年収は高いの?」と気になる人もいるでしょう。
 
本記事では、国家公務員の年収はどのくらいなのか、民間企業との年収差にも触れながら、解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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国家公務員の年収はどのくらい?

国家公務員の年収がどれくらいなのか、人事院給与局のデータを用いて見ていきましょう。国家公務員は職種や学歴などによって年収が変わりますが、今回は大卒で「行政職」として働いていると仮定します。またボーナスは2023年実績の4.5ヶ月分が支給されるとして計算した結果をまとめたものが図表1です。
 
図表1

年齢 平均給与月額 平均年収
20代
(24歳以上28歳未満)
25万252円 約412万円
30代
(32歳以上36歳未満)
33万7639円 約544万円
40代
(44歳以上48歳未満)
46万9593円 約759万円
50代
(56歳以上60歳未満)
52万8965円 約858万円

人事院給与局 令和5年国家公務員給与等実態調査報告書より筆者作成
 
20代でも400万円以上の年収となっており、年齢が上がるにつれて年収が上がっていき、定年が近い60歳近くになると年収は900万円近くになります。
 

会社員の平均年収と比較してどのくらい高いの?

続いて民間企業の平均年収と比較して、国家公務員はどのくらい年収が高いのかを見てみましょう。国税庁のデータによると民間企業の平均年収は図表2の通りです。
 
図表2

年齢 平均年収
20代
(25歳~29歳)
389万円
30代
(35歳~39歳)
462万円
40代
(45歳~49歳)
521万円
50代
(55歳~59歳)
546万円

国税庁 令和4年分 民間給与実態統計調査より筆者作成
 
図表1と比較すると、民間企業の方が年収は低く、年齢が上がるにつれて年収差が開いていることが分かります。具体的に年収差を比較すると20代で約20万円、30代で約80万円、40代で約230万円もの差があります。さらに50代の年収を比較すると、国家公務員は民間企業よりも約310万円多く給与をもらっています。民間企業に比べて国家公務員は年収が高いといえるでしょう。
 

国家公務員であれば都内で余裕のある暮らしを送れるの?

夫が国家公務員で、夫の収入だけで都内で暮らせるのかについて見ていきましょう。「余裕のある生活」の定義は難しいですが、都心で利便性の高いエリアに住み、平均的な消費・支出ができる生活と想定します。
 
例として、都内の人気エリアの高円寺で賃貸2LDKの住宅で暮らす場合で計算します。SUUMOで「高円寺駅から1~5分」「築年数0~5年」「建物種別はアパート」という条件で検索した結果、2LDKの家賃相場は「約17万6000円」となっています(2024年5月時点)。
 
また総務省の「家計調査報告〔 家計収支編〕 2023年(令和5年)平均結果の概要」によると、二人以上世帯(平均世帯人員2.90人)の平均的な支出は毎月29万3997円です。住居費用1万8013円が含まれていますが、この住居費用を除いても支出額は27万5984円となります。
 
前記の通り、高円寺の2LDKの家賃17万6000円と総務省のデータ(住居費用を除く)27万5984円を合わせると、1ヶ月で約45万円かかることがわかります。つまり最低でも手取りで45万円をもらわなければ都内2LDKの住居で生活できないことになります。
 
額面給与の8割を手取りと仮定すると、手取りで45万円もらうためには、額面で約56万円の給与をもらわなければいけません。額面56万円を12ヶ月もらうとすると年収は672万円となり、図表1より、国家公務員の場合でも40代以降にならなければ、この生活は送れないことが分かります。
 

国家公務員は民間企業よりも年収が高い。しかし国家公務員1人の収入だけでは都内で余裕のある暮らしを送れない可能性もある

国家公務員の年収は職種や学歴などでも異なりますが、大卒行政職の場合は20代でも平均年収は約400万円になっており、50代では900万円近くまで年収が上がっていくことを解説しました。
 
ただし、都心は住居費を筆頭に、生活費用が高い傾向にあります。国家公務員1人だけの収入で都内に住むことを考えると、40歳以降にならなければ余裕のある暮らしを送れない可能性があります。共働きを検討したり、住む場所を考慮したりする必要があるでしょう。
 

出典

人事院給与局 令和5年 人事院勧告・報告について
人事院給与局 令和5年 国家公務員給与等実態調査 報告書
国税庁 令和4年分 民間給与実態統計調査-調査結果報告-
総務省統計局 家計調査報告〔家計収支編〕 2023年(令和5年)平均結果の概要
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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