更新日: 2024.02.25 年収
【最新令和5年データ】給料って毎年上がるの?ほかの会社の気になる「昇給率」とは
そこで今回は、企業の賃金における改定額や改定率(昇給率)と、昇給している企業がどの程度あるのかについて解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
日々の生活における、お金にまつわる消費者の疑問や不安に対する解決策や知識、金融業界の最新トレンドを、解りやすく毎日配信しております。お金に関するコンシェルジェを目指し、快適で、より良い生活のアイディアを提供します。
実際に給料は上がっているのか
まずは、賃金改定の実施状況について見てみましょう。厚生労働省の「令和5年賃金引上げ等の実態に関する調査の概況」によると賃金の改定に関するデータは、表1の通りです。
表1
企業規模 | 賃金の改定を実施した または予定している |
賃金の改定を実施しない | 未定 | |
---|---|---|---|---|
1人平均賃金を引き上げた・引き上げる | 1人平均賃金を引き下げた・引き下げる | |||
100〜299人 | 87.4% | 0.2% | 6.7% | 5.7% |
300〜999人 | 93.1% | ― | 2.1% | 4.8% |
1000〜4999人 | 93.3% | 0.5% | 2.8% | 3.4% |
5000人以上 | 97.3% | 0.5% | 1.3% | 1.0% |
平均 | 89.1% | 0.2% | 5.4% | 5.3% |
※厚生労働省「令和5年賃金引上げ等の実態に関する調査の概況」を基に筆者作成
上記から、賃金を引き下げる・賃金を改定しないという企業も合計して5.6%存在していますが、ほぼ9割の企業で、賃金の引き上げを実施していることが分かりました。企業規模が大きくなるほど、賃金の引き上げを実施・検討している割合が高くなっていることが見て取れます。
【企業規模別】賃金の平均昇給率
次に、令和5年における賃金の改定額と改定率を見てみましょう。賃金の改定率は昇給率ともいい、前年や前期と比較して、賃金がどれだけ「上昇したか/下降したか」を示すものです。同調査によると、賃金の改定額と改定率は、表2の通りです。
表2
企業規模 | 1人平均賃金の 改定額(引き上げ) |
1人平均賃金の 改定率(引き上げ) |
---|---|---|
100〜299人 | 7420円 | 2.9% |
300〜999人 | 9227円 | 3.2% |
1000〜4999人 | 9676円 | 3.1% |
5000人以上 | 1万2394円 | 4.0% |
計 | 9437円 | 3.2% |
(うち引き上げ) | 9779円 | 3.4% |
(うち引き下げ) | △4814円 | △0.2% |
※(うち引き上げ)/(うち引き下げ)とは、賃金の改定により1人平均賃金を、それぞれ(引き上げた)/(引き下げた)企業についての平均値
※厚生労働省「令和5年賃金引上げ等の実態に関する調査の概況」を基に筆者作成
改定額は、5000人以上の企業で1万円を超えており、改定率も4.0%と、一番高い数値を示しています。平均は改定額で9437円、改定率は3.2%でした。賃金を引き下げている企業もありますが、改定率は△0.2%のため、低いといえるでしょう。
平均賃金の推移を見てみると、平成11年から令和5年の間では、今回の改定率3.2%が最も高い結果となっています。年によって改定率には多少の変化はあるものの、令和3年からは年々上昇傾向にあります。
物価高騰の影響を受けて昇給率(改定率)は3.2%と上昇傾向
およそ90%の企業で、賃金の引き上げが実施・検討されていることが分かりました。令和5年における改定額は平均9437円、改定率は3.2%でした。平成11年からのデータでは最も高く、平均的に見て賃金は上昇しているといえるでしょう。
しかしそれは、企業規模や産業によっても異なります。なかには賃金を改定しない企業や、引き下げている企業も見られました。スキルの向上や資格取得など、自分の価値を高める努力をすることも、給料アップのためには重要といえるでしょう。
出典
厚生労働省 令和5年賃金引上げ等の実態に関する調査の概況
第1表 企業規模・産業、賃金の改定の実施状況・実施時期別企業割合(4ページ)
第2表 賃金改定区分・企業規模・産業別1人平均賃金の改定額及び改定率(5ページ)
第1図 1人平均賃金の改定額及び改定率の推移(6ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー