更新日: 2024.02.17 年収
日本の平均年収は「458万円」だけど、実は半分が「年収400万円」以下って本当? 年収ごとの分布を解説
ただ、実は平均年収の金額よりも1割以上年収が少ない人が半数以上という実態があります。詳しく見ていきましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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給与所得者の平均年収は458万円
国税庁の「令和4年分民間給与実態統計調査」によると、給与所得者の平均年収は458万円です。この458万円という金額は、いろいろな年代や職業の人をひっくるめた平均ですが、この金額よりも多くもらっている人が半数、もらっていない人が半数という単純な話ではありません。
給与所得者の年収分布
「令和4年分民間給与実態統計調査」では、給与階級別の割合も提示しています。各給与階級別の割合は次のとおりです。
●100万円以下:7.8%
●100万円超200万円以下:12.7%
●200万円超300万円以下:14.1%
●300万円超400万円以下:16.5%
●400万円超500万円以下:15.3%
●500万円超600万円以下:10.9%
●600万円超700万円以下:6.9%
●700万円超800万円以下:4.8%
●800万円超900万円以下:3.3%
●900万円超1000万円以下:2.2%
●1000万円超1500万円以下:4.0%
●1500万円超2000万円以下:0.8%
●2000万円超2500万円以下:0.3%
●2500万円超:0.3%
この資料によると、年収が400万円以下の人の割合は全体の51.1%です。年収が400万円以下というと、平均年収の458万円よりも50万円以上少ない金額なので、意外に感じる人もいるのではないでしょうか。
これは、「平均」が特に年収の大きい人の影響を受けてしまいがちなためです。例えば、年収が100万円、200万円、500万円、2000万円の4人がいるとします。この4人の平均年収は、全員の年収を合計した2800万円を4等分した700万円ですが、実際700万円に達しているのは1人しかいません。
今回のデータでも同じようなことが起こるため、平均年収458万円をもらっている人は、実際のところ半数もいないというのが実態です。
年収を増やすコツ
周りの人が思ったよりも年収が高くないとしても、自分の年収を増やしたいという人は少なくないでしょう。ここでは年収を増やす代表例として、「昇進や出世をする」「副業をする」「転職をする」の3つを紹介していきます。
昇進や出世をする
今いる会社で年収を上げるには、会社での評価や実績を高め、昇進や出世をすることがまず挙げられます。一般的に、社内での階級が上がったり、役職がついたりすると、それ以前よりも多くの給料がもらえます。
ただ、その分仕事が大変になる、責任が増えるといったことは覚悟しなければなりません。年功序列の会社では、昇進に時間がかかる場合もあるでしょう。とはいえ、昇進は会社を辞めるといったリスクを抱えずに年収を上げられる有効な手段です。
副業をする
一昔前までは副業が禁止という会社は少なくありませんでした。しかし、現在は政府の後押しもあり、多くの会社で副業が認められています。
副業といってもさまざまなものがありますが、自分のスキルを活かしてお金をたくさん稼げたり、ちょっとした隙間時間でポイントを貯められたりするものがあります。また、副業が軌道に乗り、本業を超えるような収入が見込めれば、独立して副業に専念して年収を上げられるかもしれません。
ただ、副業を会社が禁止している場合もあります。副業をする場合は、就業規則などをよく確認しておきましょう。
転職をする
昇進や出世には時間がかかり、また副業も難しいものの、すぐに年収を上げたい場合、転職も選択肢に入ります。
国税庁の「令和4年分民間給与実態統計調査」では業種別の平均年収も公開しています。業種によって平均年収の差はかなりあり、例えば最も平均年収が高い「電気・ガス・熱供給・水道業」では747万円ですが、最も低い「宿泊業・飲食サービス業」では268万円です。
現在年収が低い業種で働いている場合、高い業種に転職することで、年収を増やせる可能性は十分あるでしょう。
まとめ
給与所得者の平均年収は458万円ですが、実際に458万円をもらっている人は半数以下です。そのため、年収が400万円だとしても、「他の人よりもかなり少ない」と落ち込む必要はありません。今よりも年収を上げたい場合は、出世や副業、転職などを検討してみましょう。
出典
国税庁 令和4年分民間給与実態統計調査-調査結果報告-
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー