更新日: 2024.02.12 年収

日本で「上位10%」の年収になるには、いくら稼ぐ必要がある? それぞれの分布も解説

日本で「上位10%」の年収になるには、いくら稼ぐ必要がある? それぞれの分布も解説
「周囲よりも高収入でありたい」と考えたことはありませんか? 家族の人数やライフスタイルにもよるため、年収300万円でも余裕ある生活が送れる人もいれば、年収1000万円あっても生活が苦しい家庭もあるかもしれません。
 
しかし、日本で上位10%以内の収入に入るなら、それは高収入といえるでしょう。では、日本で上位10%の年収を得るためには、いくら必要になるのでしょうか。
 
本記事では国税庁の「民間給与実態統計調査」を参考に、給与階級別の割合を見ていきます。

日本の平均年収は458万円

国税庁の「令和4年分 民間給与実態統計調査」によると日本の平均年収は458万円です。給与階級別分布は図表1のようになっており、400万円台の人は全体の15.3%を占めています。
 
図表1

年収 割合
100万円以下 7.8%
100万円超 200万円以下 12.7%
200万円超 300万円以下 14.1%
300万円超 400万円以下 16.5%
400万円超 500万円以下 15.3%
500万円超 600万円以下 10.9%
600万円超 700万円以下 6.9%
700万円超 800万円以下 4.8%
800万円超 900万円以下 3.3%
900万円超 1000万円以下 2.2%
1000万円超 5.4%

国税庁 令和4年分 民間給与実態統計調査を基に筆者作成
 

800万円超の年収で日本の「上位10%」

国税庁の「令和4年分 民間給与実態統計調査」によると年収800万円超の人は上位10%以内であることが分かります。
 
年収800万円は転職市場でハイクラスと言われる基準であるため、世間的にも高収入というイメージが定着しているかもしれません。また、日本の平均年収は458万円であるため、年収800万円の人の場合は、比較的ゆとりのある生活を送ることができそうだと考える人も多いでしょう。
 

年収800万円の人の手取り金額

社会保険料や所得税などの税金が差し引かれた後の手取り金額は、扶養家族の有無など、その人の状況により変化しますが、およそ600万円です。月額に換算した場合は約50万円です。
 
家賃の目安は、収入の30%程度が無理のない金額と言われることが多いです。年収800万円の人の場合は、手取り月額50万円であるため、月15万円が家賃の目安となります。同居家族の人数にもよりますが、都会暮らしでも住居を探すのには問題ない金額だと考えられます。
 

住宅ローンの借入目安は約4000万円

無理なく返済可能かを検討することが前提ですが、年収800万円のケースでは約4000万円までの住宅の購入が選択肢に入ります。
 
住宅ローンの借入金額を決める際に考慮すべき指標として「年収倍率」があります。年収倍率は世帯の年収額を基準に、住宅購入価格を検討するための数値です。
 
住宅金融支援機構が集計している「2022年度 フラット35利用者調査」によると、年収倍率は土地付注文住宅で7.7倍、マンションは7.2倍、建売住宅は6.9倍、中古マンションは5.8倍、中古戸建ては5.7倍という結果です。無理のない余裕ある返済プランを立てるためにはおよそ5倍までが目安と考えるとよいでしょう。
 

年収800万円超は高収入

年収800万円超になると、年収上位10%に入るという結果でした。平均年収の人の生活と比較すると、家族の人数やライフスタイルによるものの、ゆとりある生活を送れると考えられそうです。住宅購入を検討している人であれば、4000万円程度までは住宅ローンも無理なく返済できるでしょう。
 
現在は平均程度だけれど今後年収を上げていきたいと考えている人は、まずは一般的に高収入のイメージが強い年収800万円を目指して、転職活動や副業などに取り組んでみるのはいかがでしょうか。
 

出典

国税庁 令和4年分 民間給与実態統計調査
住宅金融支援機構 2022年度 フラット35利用者調査
 
執筆者:小林裕
FP1級技能士、宅地建物取引士、プライマリー・プライベートバンカー、事業承継・M&Aエキスパート

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