「やった! ボーナス50万円アップ!」と喜んでいたら、来年の住民税アップで「手取り」が減少!? 仕組みや増税額について解説

配信日: 2023.12.30

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「やった! ボーナス50万円アップ!」と喜んでいたら、来年の住民税アップで「手取り」が減少!? 仕組みや増税額について解説
2023年は長らく続いたコロナ禍からの脱却が進んだ1年間でした。経済活動も正常化していき、景気も緩やかな回復傾向にあります。業界によっては、ボーナスがアップした人もいるのではないでしょうか。
 
ただし喜びの反面、年収が増えたのであれば来年の住民税も増えるので注意が必要です。なぜなら、人によっては給与の手取りが大幅に減る可能性があるからです。
 
本記事では、住民税の仕組みと、ボーナスアップによる増税額について解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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住民税の天引きには時差がある

ボーナスアップによって住民税を気にしなければならない理由は、給与から天引きされるタイミングに時差があるからです。今の給与から引かれているのは前年分の所得に対する住民税なので、2023年12月の給与から天引きされているのは2022年分の住民税ということになります。
 
そして、住民税が新年度分に更新されるのは毎年6月です。2023年分に対する住民税は2024年6月分の天引きからスタートするので、2023年冬のボーナスアップによる増税の影響を感じるまでには、半年ほどの期間があります。この過程を知らないと、突然の手取り減にびっくりするかもしれません。
 
これに対して所得税はその年の分がその年に源泉所得税として天引きされ、年末調整で精算されています。増えたボーナスに対する所得税も、源泉所得税としてリアルタイムに引かれているのです。住民税と所得税は、給与から天引きされている同じ税金ではありますが、課税対象となっている年が異なっている点に注意しなければなりません。
 

年収50万円アップに対する住民税

本記事では、2022年の年収は400万円、2023年は450万円だった場合で計算してみましょう。年収400万円に対する住民税はおおよそ18万円、450万円では21万円なので、年収50万円アップに対する住民税は3万円程度になります。
 
3万円は年税額なので、毎月の給与から天引きされる住民税は12ヶ月で按分した2500円となります。2024年度の昇給があまりなかった場合には、2024年5月と6月で手取りが2500円変わるので、ギリギリの生活を送っている人には打撃になるかもしれません。
 
ちなみに、住民税の税率は所得に関係なく一律10%となっています。よって、年収500万円が550万円になろうと、700万円が750万円になろうと住民税の増額分は3万円程度で変わりません(年収800万円超になってくると、給与所得控除の関係で住民税も少しずつ増えていきます)。
 
つまり、年収が低いほど年収に対する住民税の割合は大きくなるという点に注意しましょう。同じ3万円の住民税であっても、年収450万円に対する割合は約0.66%ですが、年収750万円であれば0.4%だからです。年収の低い人ほどボーナスアップに財布のひもを緩めず、来年の住民税が増える点にも目を向けておくとよいでしょう。
 

まとめ

50万円ものボーナスアップはうれしいですが、翌年の住民税もアップしてしまう点に注意しておきましょう。今給与から天引きされている住民税は前年分の所得に対するものであり、ボーナスが増えた今年分が天引きされ始めるのは来年の6月以降だからです。
 
年収が50万円増えた場合、日本の平均給与458万円ほどの人であれば住民税は年間約3万円増えると考えられます。1ヶ月当たりの天引き額にすると2500円程度ではありますが、生計維持がぎりぎりという人は、増えたボーナスのうち住民税の増加分に当たる金額を補填用として手をつけずに置いておくと安心ですね。
 

出典

東京都主税局 個人住民税
国税庁 令和4年分民間給与実態統計調査
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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