実際に、我が子に年収を聞かれた場合、答えに困る親も少なくありません。今回は、我が子に年収を聞かれた際の対応について考えてみます。

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正直に答えてもよい
一瞬戸惑ったとしても、特に隠す必要がないと感じたのであれば、自分の年収を子どもに正直に伝えてもよいでしょう。自分の仕事に誇りを持っており、受け取っている給与額にも自信がある人は、堂々と伝えても問題ありません。
ただし、子どもが他の子どもに自分の親の年収を伝え、他の子どもの親たちへと広がってしまう懸念はありますので、その点への注意は必要です。
しかし、子どもの年齢や金銭感覚にもよりますが、自分の親が年収を教えてくれれば、その時点では納得し十分な満足感を得る可能性があります。変にごまかすよりも、親子の信頼関係が強固になるとも考えられ、結果的によい効果が得られるでしょう。
正確に答えられない場合は平均年収を伝えよう
自分の年収を正確に答えるのに抵抗がある人は、まずは、日本人の平均年収を伝えてみましょう。子どもは本当のことを知りたいというよりも、大人の世界に興味を抱いているだけの可能性があります。普通に働いている一般的な大人がいくらの年収を受け取っているかを伝えることで、ある程度納得する子どももいるでしょう。
ちなみに、国税庁による「民間給与実態統計調査」の結果をみると、令和4年の平均年収は458万円です。男性は563万円、女性は314万円となっています。
このように、年収は性別によっても大きく異なり、また、年齢によっても差があります。自分の性別や年齢に照らし合わせて、同じ属性を持つ日本人の平均年収を詳細に伝えるのもひとつの方法です。可能な限り自分の年収を伏せながら、しかし、日本人の年収を細かく伝えれば、ごまかしつつも子どもの疑問にも一応の回答はできます。
さらに、「民間給与実態統計調査」では、業種別の平均年収も公表しているため、それも利用してみましょう。自分の働く業界の平均年収を伝えることで、子どもも親のおおよその年収の把握が可能です。正確ではなくても、ここまで詳細に伝えれば、多くの子どもは取りあえず納得してくれるでしょう。
手取りや税金についても伝えてみよう
年収を聞かれたついでに、手取りの概念や税金についての知識も伝えると、より子どものお金に関するリテラシーを高められます。平均年収は、いわゆる額面金額です。実際に受け取れる金額ではありません。額面金額の8割前後が実際に受け取れるお金であると伝えると、子どもの多くはさらに疑問や興味を抱くでしょう。
税金や保険料について説明し、それが社会でどう使われているのかについて伝えられれば、お金や社会の仕組みへの理解を深められます。自分の年収をどうしても答えたくない場合、このような話題にまで踏み込み、金融教育と称して子どもの興味をそらすのもひとつの方法です。
とはいえ、手取りや税金について触れておくことは、子どもにとっては非常に有益です。子どもの将来にとっても、大いに役立つ可能性があります。
平均年収とともに大人のお金事情について話してみよう
我が子に年収を聞かれた際に、もし答えることに抵抗がなければ、正直に伝えても構いません。特に、仕事に誇りがあり稼いでいる自信があるなら、伝えた方が親としての威厳も保てるでしょう。
正直に答えるのに抵抗がある人は、日本人の平均年収などを伝えるのもひとつの方法です。その際には、手取りの概念や税金にまで言及しておくと、結果的には子どもにとって有益な金融教育へとつながります。
出典
国税庁 令和4年分 民間給与実態統計調査-調査結果報告-
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー