「住民税非課税世帯」なら大学無償化の対象になるけど、世帯年収「800万円」のわが家は対象外? 要件や進学のために必要な費用も解説

配信日: 2023.12.09

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「住民税非課税世帯」なら大学無償化の対象になるけど、世帯年収「800万円」のわが家は対象外? 要件や進学のために必要な費用も解説
大学無償化制度は給付奨学金や授業料の免除・減額を受けられる制度です。大学無償化制度は世帯年収の基準が設けられているので、場合によっては制度を受けることができません。
 
どのような世帯が大学無償化の制度が受けられるのか気になるところです。また、大学無償化制度を受けられない場合に大学費用はいくら必要なのかも気になります。
 
そこで本記事では、大学無償化の対象となるのがどのような世帯なのか、また世帯年収800万円の場合は対象となるのかを解説していきます。
FINANCIAL FIELD編集部

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大学無償化制度とは?

大学無償化制度は高等教育の修学支援新制度の通称で、給付奨学金や授業料の免除・減額を受けられる制度です。給付奨学金は返済が不要の奨学金で、受けられる免除・減額は、入学金で最大約28万円、授業料は最大約70万円となります。
 
しかし、この制度を受けるためには世帯収入や資産などの要件を満たすことと、学ぶ意欲のある学生であることが必要です。このうち親世代に関わりがあるのが世帯収入や資産の要件で、住民税非課税世帯や住民税非課税世帯に準ずる世帯であることが必要です。
 

住民税非課税世帯の要件

住民税非課税世帯は個人住民税が非課税である世帯を指します。個人住民税には所得割と均等割りがあり、その両方が非課税の世帯が住民税非課税世帯です。住民税非課税世帯の要件は、次の3つです。
 

●生活保護を受けている
●障害者や未成年者、寡婦又はひとり親で、前年の合計所得金額が135万円以下であること(給与所得者の場合は、年収204万4000円未満であること)
●前年の合計所得金額が一定額未満であること(自治体によって基準が異なる)

 
これらの要件を考えると、世帯年収が800万円の場合は住民税非課税世帯、またはそれに準ずる世帯ではないので大学無償化制度を受けられないことになります。
 

大学で必要な金額は約680万円!

日本政策金融公庫が2021年に実施した調査によると、大学に4年間通った場合にかかる在学費用の平均は680万7000円です。各年の費用は149万9000円ですが、大学1年目は入学金がかかるので231万円の支出になります。これは国公立大学進学の場合も含めた全体の平均額なので、私立大学に進学するとさらに教育費が必要になるケースもあります。
 
また、下宿をする場合は仕送り費用などもかかります。令和3年度の仕送り費用の平均は年間で95万8000円です。4年間だと約380万円になります。
 

大学無償化制度の対象外でも利用できる制度

住民税非課税世帯やそれに準ずる世帯でなければ現状は大学無償化制度を利用できません。しかし、そのような世帯でも利用できる制度があります。その制度の1つが貸与奨学金です。貸与奨学金は返済が必要な奨学金制度で、無利子の第一種奨学金と有利子の第二種奨学金があります。
 
第一種奨学金と第二種奨学金にもそれぞれ世帯収入の基準があり、世帯構成によって給与収入の目安が異なります。世帯構成が「本人、両親、中学生の子、小学生の子の5人家族」の場合は、第一種奨学金だと世帯の給与収入の金額が905万円まで、第二種奨学金だと1334万円までが対象です。
 
世帯年収が800万円の場合でも前述のような家族構成であれば貸与奨学金を利用できるでしょう。
 

今後は世帯年収600万円の世帯まで拡大する可能性も

大学無償化制度は住民税非課税世帯を対象にした制度ですが、今後は一定の条件に当てはまる世帯年収600万円の世帯まで対象が拡大します。世帯年収が800万円の場合は利用できませんが、今後拡大することも考えられるので注視しておきましょう。
 

出典

文部科学省 高等教育の修学支援新制度

東京都主税局 個人住民税

日本学生支援機構 進学前(予約採用)の第一種奨学金の家計基準

日本政策金融公庫 令和3年度「教育費負担の実態調査結果」

 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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