1年半で「400万円超」!? 退職後も「傷病手当金」を受給できるって本当?
配信日: 2023.04.25
退職後も受け取れたはずの傷病手当金を逃してしまうと、数百万円の機会を損失してしまう恐れがあります。病気やけがはいつ誰に起こるか分かりません。
本記事で、退職後も傷病手当金を受け取れる要件を確認し、いざというときにスムーズに手続きできるようにしておきましょう。



執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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傷病手当金とは
傷病手当金は、病気休業中に会社からじゅうぶんな報酬を受けられない場合に、健康保険から支給される手当金です。病気やけがでやむを得ず働けない場合でも、会社を休むことで収入がなくなってしまうと、本人はもちろんのこと、家族の生活まで立ち行かなくなってしまいます。傷病手当金は、被保険者と家族の生活を保障するために設けられた制度です。
傷病手当金の支給条件
傷病手当金は、以下の4つの条件をすべて満たす場合に支給されます。
●業務外での病気やけがによる休業であること
●仕事に就けない状態であること
●連続する3日間(待機)を含み4日以上休業したこと
●休業期間に給与の支払いがないこと
傷病手当金の支給期間
傷病手当金は、支給開始から通算して1年6ヶ月間受給できます。「通算」であるため、休業と出勤を繰り返した場合には、休業期間中のみをカウントして1年6ヶ月間です。ただし、支給開始日が2020年7月1日以前の場合には、出勤した期間も含めて1年6ヶ月間となっている点に注意しましょう。
図表1
全国健康保険協会 病気やケガで会社を休んだとき
傷病手当金の支給金額
傷病手当金の支給額は、以下の算式で計算されます。
支給開始日以前1年間の標準報酬月額の平均÷30日×2/3
例えば、支給開始日以前1年間の標準報酬月額が36万円の人が、30日間休業した場合の傷病手当金の支給金額は、36万円÷30日×2/3×(30日-3日)=21万6000円になります。ちなみに、2022年4月1日から1年6ヶ月受給した場合の傷病手当金の総額は、36万円÷30日×2/3×(548日-3日)=436万円です。
退職後も傷病手当金を受給できる
病気の治療が長期にわたるなど、会社を退職せざるを得なくなるときもあるでしょう。しかし、以下の2つの条件に該当する場合には、退職後も傷病手当金を受給し続けられます。
●退職日までに継続して1年以上の被保険者期間があること
●退職日に傷病手当金を受給していること、または傷病手当金の支給条件を満たしていること
全国健康保険協会 傷病手当金についてを基に作成
傷病手当金を受給している中で退職する人であれば、ほとんどが該当するのではないでしょうか。しかし、退職後の傷病手当金は、再び仕事に復帰した時点で終了します。復帰後にまた休業したとしても、傷病手当金は支給されない点に注意しましょう。
図表2
全国健康保険協会 病気やケガで会社を休んだとき
まとめ
会社員は給与から毎月健康保険料を支払っており、傷病手当金はその代わりに与えられている権利です。条件に該当する場合には、退職後も必要であれば、しっかりと受給し続けることができます。
出典
全国健康保険協会 病気やケガで会社を休んだとき
全国健康保険協会 傷病手当金について
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー