年収450万円の友人から「会社でやることがなくてつらい」と相談が。給与に不満がないのに転職するのは“もったいない”と感じるのですが、定時で帰れるなら残るべきですよね?
配信日: 2025.06.16

しかし、仕事における「充実感」や「意義」を見失ってしまうと、心のバランスを崩してしまうこともあります。
本記事では、仕事がなくてつらくても会社に残ったほうがいいのか、転職を検討すべきかどうかを考える際のポイントを整理して解説します。

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目次
年収450万円は高い? 低い?
国税庁の令和5年分民間給与実態統計調査によると、日本人の給与所得者の平均年収は460万円となっています。性別や年齢、地域によって差はありますが、年収450万円は統計上、ほぼ平均的な水準と言えるでしょう。
友人の年収は450万円と決して低いわけではありません。独身かどうかや家族構成にもよりますが、「生活が苦しい」といった水準ではなく、ぜいたくはできなくても堅実な生活は可能ではないでしょうか。家賃や食費を抑えることで、毎月の貯金や趣味にもある程度お金を回せるでしょう。
「給与に不満はないが、仕事がない」は転職理由になるのか?
人は働くことによって、社会とのつながりや役割意識を得ることができます。特に、日々の業務を通じて「誰かの役に立っている」という実感を得ることは、自己肯定感の向上につながります。
しかし、仕事がつまらなく、毎日ただ座って時間をつぶすような状況が続けば、次第に「自分は必要とされていないのでは」といった孤独感や虚無感に陥ることもあります。
一見すると「仕事が楽=良いこと」のように思えるかもしれません。しかし、何もすることがない状態が長く続くと、退屈で無力感を感じ、心に悪影響を及ぼすことがあります。「暇疲れ」とも呼ばれるように、やることがない時間を無理に埋めようとすること自体がストレスとなり、結果として精神的に不安定になるケースも少なくありません。
仕事が少ない今の職場、それでも残るメリットは?
業務量が少ないということは、言い換えれば「自分の時間を確保しやすい」ということでもあります。定時退社が可能であれば、家族との時間や趣味、副業、資格取得など、プライベートを充実させるチャンスです。時間の余裕がある環境でこそ、将来に向けた自己投資がしやすくなるのも利点と言えるでしょう。
また、年収450万円という安定した収入を得られている時点で、生活の基盤はある程度保証されています。転職によって年収が下がる可能性もある中、現状の給与水準に満足しているのであれば、安易に動くのはリスクにもなります。安定を確保しながら次のステップをじっくり考える、という選択肢も1つの戦略です。
転職を考える際に押さえておくべきポイント
転職を検討する際は、まず「何のために転職したいのか」を明確にする必要があります。単に「今がつらい」というネガティブな理由だけで環境を変えても、根本的な解決にならないこともあります。
例えば、「もっと社会に貢献したい」「スキルを生かせる職場で働きたい」といった、具体的で前向きな目的があるかどうかを見つめ直すことが重要です。
転職しても、仕事内容が想像と違う、同僚とそりが合わない、給与や労働時間が前より悪化した、といったリスクも考えられます。現状のメリットと転職後に得られるだろうメリットを冷静に比較し、長期的な視点で判断することが必要です。
なお、「転職すればきっと楽しくなるはず」といった漠然とした期待感だけで判断すると、かえって後悔につながる恐れもあります。
転職はあくまで「手段」であり、「目的」は自身のキャリアアップや生活の充実にあります。一時の感情だけで行動するのではなく、現状の職場で改善できることはないか、社内での異動など別の選択肢はないかを検討することも大切です。
まとめ
「やることがなくてつらい」という悩みは、想像以上に精神的な負担を伴うものです。たとえ給与に満足していても、心の充実感を得られない状態が続けば、いずれ限界がくることもあるかもしれません。
とはいえ、年収450万円という水準は日本の給与所得者の平均値とほぼ同じであり、安定した生活を送れる金額でもあります。安易な転職が必ずしも良い結果を生むとは限らないことを理解したうえで、今の職場での過ごし方や、自分が本当に求めている働き方について改めて考えることが重要です。
仕事とプライベートのバランスを考えつつ、現状のままでいくか転職するかを冷静に評価して、未来につながる選択をするといいでしょう。
出典
国税庁 令和5年分民間給与実態統計調査-調査結果報告-
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー