「就職直後に妊娠」が判明! 「育休」を「取得」することはできますか?
配信日: 2025.06.13

育休を取得するには条件を満たしている必要があるため、自分の場合は取得できるのかできないのか、不安になる人もいるでしょう。
本記事では、就職直後に妊娠が判明した場合を例に挙げて、育休を取得することが可能なのかどうかをご紹介します。

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育休を取得できる条件
まずは、育休を取得できる条件にどのようなものがあるかを確認していきましょう。
厚生労働省によると、育休を取得できるのは「1歳未満の子どもを養育する男女労働者」となっています。配偶者が専業主婦・専業主夫や育休中であっても取得可能です。
育休を取得するには、労働者が事業主に対して申し出をおこなう必要があります。事業主は、労働者からの申し出があった場合、速やかに育児休業開始予定日と育児休業終了予定日を労働者に通知しなければなりません。
育休は原則として、子どもが生まれてから1歳の誕生日の前日までの間で労働者が申し出た期間に取得できます。ただし、保育所に入れないなどの事情がある場合は、事業主に申し出ることで1歳6ヶ月や2歳まで育休を取得することも可能です。
就職直後でも育休は取得できる?
今回の事例では「就職直後に妊娠が判明したが、育休を取得できるのか? 」ということですが、これについては、会社が労使協定を締結しているかどうかがポイントになります。
「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」によると、基本的に事業主は、労働者から育休の申請があった場合にこれを拒むことはできません。
ただし、労使協定により「その事業主に継続して雇用された期間が1年に満たない労働者」に対しては育休の申請を拒むことができるとされている場合は、育休を取得できない可能性があります。
そのほかにも、育休を申し出た日から1年以内にその会社との雇用関係の終了が決まっている人や、1週間の所定労働日数が2日以下の人も、育休の申請を会社から拒否された場合は取得できません。
雇用保険に加入していれば「育児休業給付金」をもらえる場合もある
会社が労使協定を締結していて入社直後の育休取得を拒んだ場合、その労働者は入社から1年経過するまで欠勤扱いとなり、給料がもらえなくなる可能性があります。
しかし、無収入になるわけではなく、雇用保険の被保険者であれば「休業開始時賃金日額×支給日数×67%」で算出した金額を「育児休業給付金」として受給することが可能です。具体的な受給条件は以下の通りなので確認しておきましょう。
●1歳未満の子どもの養育のために育児休業を取得している
●育児休業の開始日より前の2年間に賃金支払基礎日数が11日以上ある
●支給単位期間中の就業日数が10日以下、または就業した時間数が80時間以下である
上記の条件を満たしていれば、就職直後でも給付を受けることが可能になるでしょう。
入社1年未満の育休取得はできない場合もある
1歳未満の子どもを養育する労働者は、原則として子どもが1歳の誕生日をむかえる前日まで、母親も父親も育休を取得することが可能です。
しかし、会社が労使協定を締結していて「入社1年未満の労働者に対しては育休の申請を拒むことができる」とされている場合もあるため、注意が必要です。
この場合は会社が申請を拒むと育休を取得できないため、欠勤扱いとなり給料をもらえなくなる心配があるかもしれません。しかし、雇用保険から育児休業給付金が支給される可能性があるため、受給対象となる条件を確認してみるとよいでしょう。
出典
厚生労働省 育児・介護休業法のあらまし 07 育児休業制度
e-Gov法令検索 育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(平成三年法律第七十六号)
厚生労働省 Q&A~育児休業等給付~
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー