スマホ代がプラン変更で「月8500→5000円」になると聞いたけど、Wi-Fiや電気もまとめると“抜け出せなくなる”って本当ですか? 月3000円安くなる代わりの「落とし穴」とは
配信日: 2025.06.13

毎月のスマホ代は、契約会社やプランによってさまざまですが、例えば月8500円ほどの通信費が、生活インフラを集約させることによって月5000円程度まで下がると聞けば、節約できるチャンスに思えるのではないでしょうか。
しかし、安くなるからといって、全てをまとめてしまうのは本当に得策でしょうか? 実はそのお得の裏には、気づきにくい落とし穴が潜んでいる場合もあります。
本記事では、NTTドコモが発表している新料金プランを事例として、そのお得さや注意点を解説します。

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NTTドコモが4月、新料金プランを発表
2025年4月、NTTドコモは新たな料金プランとして、「ドコモ MAX」「ドコモ ポイ活 MAX」「ドコモ ポイ活 20」「ドコモ mini」の4種類を発表し、2025年6月5日から提供を開始します。
これらは、データ利用量やポイント活用に応じて選べる設計になっており、例えば「ドコモ ポイ活 MAX」ではdポイントの獲得を最大化できるプランです。
また、「ドコモ MAX」では、「ドコモ光」や「ドコモでんき」といったインフラと合わせて活用することで、お得な特典や割引を受けることが可能です。
具体的には、ドコモのホームページによると、月間利用可能データ量が3GB超~無制限の場合の月額料金は通常8500円程度ですが、「ドコモ MAX」の最大割引額が適用された場合、5100円程度になるとしています。
このような、まとめて安くなるプランは、家計の負担を軽くしたいユーザーには大きな魅力です。しかしその分、契約の自由度が失われる、割引終了時のコストが上がるといったリスクも含まれています。
「まとめるほど抜け出せない」構造になる?
ドコモの事例のように、お得さを目的にスマホやネット回線、電気といった生活インフラを1社に集中させるとお得になることは、ほかの会社でもあるでしょう。確かに、生活インフラを1社に集約すると、見た目の支出は減るかもしれません。
しかし問題は、「1つをやめると全体に影響する」という点です。例えば、電気会社を変更したいと思ったとき、セット割が解除されスマホ代が上がることがあります。あるいは、他社の通信プランに魅力を感じても、光回線やdカードと簡単に切り離せず、結果として乗り換えを断念せざるを得ないケースもあるかもしれません。
また、サービスを1社に集約することで、契約内容はシンプルになりますが、その反面、他社と比較する手間が増えてしまいます。スマホ単体であれば、料金比較サイトを使って簡単に最安プランを探せます。
しかし、電気、ネット、カード、ポイント制度などが絡んでくると、全体としてどちらが得かを判断するのは簡単ではありません。このように、まとめればまとめるほど抜け出しづらくなる構造ができあがってしまうのです。
割引やキャンペーンはずっと続くとは限らない
さらに注意したいのが、こうした割引やキャンペーンの「期限付き」リスクです。新プラン導入時には手厚い特典が用意されていても、数年後には終了するケースも少なくありません。
例えば、2年目以降に割引がなくなり、気づかないうちに月額費用が当初より高くなっていることもあります。そうなると、節約したつもりが、逆に出費が増えていたという本末転倒な結果にもなりかねません。
まとめ
NTTドコモの新プランを活用すれば、短期的には月3000円程度の節約ができるかもしれません。しかし、その裏側には、契約の自由度が失われたり、他社への乗り換えが難しくなったりするリスクが潜んでいます。
さらに、サービスをまとめることで比較の手間が増えたり、割引の終了とともに想定外の出費が発生したりするケースもあります。
目先の金額にとらわれすぎず、「将来的に柔軟に動けるか」「他社と比較できる余地が残されているか」といった視点も忘れずに持っておきたいところです。さまざまな観点から、自分にとって長く納得できる形のサービスを選びましょう。
出典
株式会社NTTドコモ お客さまのさまざまなニーズにお応えする新料金プラン 「ドコモ MAX」「ドコモ ポイ活 MAX」「ドコモ ポイ活 20」「ドコモ mini」を提供開始
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー