40代の叔父は「老後のために2000万円貯める!」と節約をしているそうです。趣味の旅行もやめたそうですが、それくらいしないと老後の生活は厳しいのでしょうか?

配信日: 2025.06.10

この記事は約 4 分で読めます。
40代の叔父は「老後のために2000万円貯める!」と節約をしているそうです。趣味の旅行もやめたそうですが、それくらいしないと老後の生活は厳しいのでしょうか?
「老後には2000万円必要」とよく耳にしますが、それを聞いて不安になった方もいるのではないでしょうか。しかし、その金額はあくまで一つの目安にすぎません。実際の平均支出や収入データを基に計算してみると「それほど極端に構えなくてもいいのかも」と感じられるはずです。
 
本記事では、老後の平均的な支出や収入、必要な貯金額の目安を具体的に紹介しながら、節約と楽しみを両立させる旅行術もあわせてご紹介します。
FINANCIAL FIELD編集部

日々の生活における、お金にまつわる消費者の疑問や不安に対する解決策や知識、金融業界の最新トレンドを、解りやすく毎日配信しております。お金に関するコンシェルジェを目指し、快適で、より良い生活のアイディアを提供します。

一人暮らしの老後に必要な生活費は?

まず気になるのは、老後にどれほどの生活費がかかるのかという点です。ここでは、公的年金を受け取れる65歳からの生活を想定して考えてみましょう。
 
総務省統計局が公表した「家計調査報告(2024年)」によると、65歳以上の単身・無職世帯の毎月の平均支出は「16万1933円」です。この金額には、食費や光熱費だけでなく、税金や社会保険料なども含まれています。
 
つまり、一人暮らしの高齢者が平均的な生活を送るためには、毎月16万円前後が必要になるということになります。
 

どれくらい貯金すればよい?

次に、老後の収入面について見てみましょう。家計調査報告では、65歳以上の単身・無職世帯の平均的な実収入は「13万4116円」とされています。一方で、前述した毎月の支出は16万1933円です。差額として、月「2万7817円」が不足する計算になります。
 
では、65歳から平均寿命である81歳までの16年間、この赤字分を補うにはどれくらいの貯金が必要になるのでしょうか?以下の計算式でシミュレーションしてみます。
 
2万7817円×12ヶ月×16年=534万864円
 
つまり、生活費の不足分をカバーするには、おおよそ「534万円」の貯蓄が必要になるというわけです。
 
ただし、実際には医療費や介護費用など、突発的な支出が発生する可能性もあります。一方で、退職金や年金以外の収入、投資などを上手に活用すれば、こうした出費を補うことも十分に可能です。
 

貯金しながら、安く旅行を楽しむ方法

このような試算を見れば、必ずしも2000万円ほどの額が必要とは限らないことが分かります。無理に旅行を我慢して、ストイックに貯金だけを続ける必要はありません。工夫次第では、お金を貯めながらでも旅行を楽しめるでしょう。ここでは、旅行費を賢くおさえるための方法をご紹介します。
 

「早割」を活用する

航空会社や旅行会社では早期予約による割引キャンペーン、いわゆる「早割」を実施していることがあります。これは飛行機や宿泊先を早めに予約しておくことで、通常よりもお得な価格で手配できる仕組みです。
 
そのため、予定が決まり次第できるだけ早めに予約を進めるのがおすすめです。特に費用がかさみやすい海外旅行では、大きな節約につながることも少なくありません。
 
また、早割を利用することで、交通機関の座席やホテルの部屋を確実に確保できるという安心感も得られます。金銭的なメリットだけでなく、旅のスケジュールが早い段階で明確になるという点でも、大きなメリットがあるといえるでしょう。
 

オフシーズンを利用する

早割とあわせて活用したいのが、オフシーズンの旅行です。オフシーズンとは、旅行をする人が少ない時期のことで、航空券や宿泊費が比較的安く設定される傾向にあります。
 
具体的には、以下のような時期がオフシーズンとされています。
 

・お正月明け(1月中旬以降)
・新生活の準備が始まる4月上旬から下旬
・11〜12月初旬の間

 
これらの時期は旅行需要が落ち着くため、費用を大きく節約できる可能性があります。
 
反対に、ゴールデンウィーク・夏休み・年末年始・連休などのオンシーズン(ハイシーズン)は、交通費や宿泊費が高騰しがちです。なるべくスケジュールを調整し、混雑を避けたオフシーズンを狙うことで、同じ旅程でもコストをぐっとおさえることができます。
 

「老後=2000万円」は一つの目安にすぎない

老後の資金に「2000万円必要」と聞くと不安になりますが、実際にはもっと現実的な数字で生活を組み立てられる可能性があります。生活費の不足分を把握し、無理のないペースで貯金を進めることができれば、趣味や旅行も我慢しなくていいかもしれません。
 
早割やオフシーズンを活用すれば、出費をおさえつつ旅行を楽しむことも十分にできます。貯金も趣味も、工夫次第では両立できる時代です。焦らず上手にバランスを取りながら、日々の生活を楽しんでいきましょう。
 

出典

総務省統計局 家計調査報告[家計収支編]2024年(令和6年)平均結果の概要(18ページ)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

  • line
  • hatebu
【PR】
FF_お金にまつわる悩み・疑問 ライターさん募集